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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
DSL作業班、予定の10回が終了。スペクトル適合性の確認は後日

 情報通信審議会 情報通信技術分科会 事業用電気通信設備等委員会 DSL作業班の第10回会合が開催された。今回をもって予定された作業班会合はすべて終了する。報告書案が提出され、8時間に渡る議論が行なわれたものの、各未確認伝送方式のスペクトル適合性の確認結果は後日行なわれる事業者間の協議に持ち越された。

 DSL作業班事務局から提出された報告書案は、未確認方式のスペクトル適合性が空欄で提出され、それについて議論が行なわれる予定だった。話し合いは報告書案の内容について、冒頭から順を追って確認していくものの、前回会合と同様、「遠距離向け伝送方式の取り扱い」の項目で紛糾した。

 報告書案では、長距離の基準となる伝送損失として40dB、50dB、62dBが挙げられたが、基準の在り方も含めた議論となってしまった。基準値のとらえ方についても、NTTの線路開示情報に基づくものか、実際に測定したものかについても意見がまとまらず、遠距離の基準については合意がなされなかった。

 中でもソフトバンクBBの関係者として出席している東京工業大学講師の太田昌孝氏はオーバーラップ方式は35dB、バースト方式は40dBという基準を提案、反論した作業班構成員に詳細な根拠を求めるなど、強行な態度をあらわにしていた。太田氏の意見を譲らない態度に「ソフトバンクBBの意見はどうなのか」と、社長である孫正義氏に意見を求める場面も見受けられた。

 未確認方式については、各伝送方式を採用する事業者から主張がなされ、ソフトバンクBBはYahoo! BB 12Mで採用するAnnexA(オーバーラップ)は利用制限を受けない「クラスA」を主張、イー・アクセスやNTT東日本も、自社の12MタイプADSLで採用する「AnnexC(FDM 12M)」について「クラスA」を主張した。

 なお、今回の会合の議論をもとに報告書案に対して作業班事務局が修正を行なう。未確認の各伝送方式については、後日、事業者間で行なわれる予定の協議でまとめられ、報告書に盛り込まれる予定。報告書は5月に上位委員会に提出された後、パブリックコメントが募集され、その後に情報通信審議会から答申される見込みとなっている。


関連情報

URL
  情報通信審議会
  http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/index.html

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(正田拓也)
2003/04/22 22:48
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