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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
コーエー、Yahoo! BB向け「真・三國無双BB」テストサービスを5月に開始

 コーエーは9日、Yahoo! BB会員向けのMMOアクションゲーム「真・三國無双BB」の制作発表会を開催した。これを受けて、ソフトバンクグループのELEVEN-UPは5月下旬に予定するテクニカルテストの参加者募集を同日より開始した。募集人数は2万人。


一騎当千の爽快アクションをオンラインで楽しめる「真・三國無双BB」

真・三國無双BB

ロビーとなる「街」画面
 真・三國無双BBは、コーエーが企画・開発、ELEVEN-UPが販売・サービス運営・マーケティングを担当し、ソフトバンクBBおよびBBテクノロジーがネットワークインフラを構築提供するWindows向けタイトル。加えて、ソフトバンクIDCの「オンラインゲーム支援プログラム」を導入し、データセンターのインフラ面でも万全な体制でサービスを提供できるとしている。

 同タイトルに関しては、2004年9月にコーエーとソフトバンクグループとの業務提携が発表されており、今回の発表会は本格的なサービス開始に向けて開催されたもの。「真・三國無双」シリーズ最大の特徴である一騎当千の爽快アクションをオンライン上で多人数のプレイヤーが体験できるMMOアクションゲームとして制作された。

 プレイヤーは、仮想の三国時代を舞台に、曹操や孫堅、劉備といった君主、関羽、趙雲、夏侯惇、周喩、諸葛亮など武将の配下として、中国大陸の統一を他のプレイヤーとともに目指していく。プレイヤーは「激突戦」と呼ばれる戦闘モードで一定以上の戦果をあげることで、都市を奪い合う「争奪戦」に参加できる。そして争奪戦に勝利を収めることで所属する勢力が都市を獲得できるという。

 ゲームの操作は基本的にコントローラを利用。コントローラから簡易チャット機能が可能なほか、画面上に吹き出し形式のメッセージを表示する「かけ声システム」も搭載する。なお、キーボード入力による操作にも対応する。

 キャラクターは、性別や顔、体型、声など合計10万通り以上のバリエーションから作成が可能できる。また、剣や槍、斧、長刀など複数の武器タイプを用意し、戦闘や鍛錬によって強化できるほか、攻撃種類のカスタマイズも行なえる。さらに、ゲーム中にはプレイヤーの部下となる副将も登場する。

 ゲーム内の1日は、実時間換算で約1時間。プレイヤーが集まるロビーは「街」と位置付けられ、武器やアイテムの購入や他プレイヤーとのコミュニケーションが行なえる。また、プレイヤーごとに「自宅」も用意され、武器やアイテム、副将などをストックできるほか、他のプレイヤーを自宅に招待できる。


槍や剣など武器タイプも複数用意 副将も登場する 街では他プレイヤーとのコミュニケーションが可能

 サービススケジュールは、2006年5月下旬にネットワークや技術部分の実証実験を中心としたテクニカルテストを皮切りに、2006年夏にオープンベータテストを、2006年秋頃に正式サービス開始を予定している。なお、正式サービス開始時の料金体系等は現段階で発表されていない。

 テクニカルテストの応募は、3月9日から31日24時まで受け付けられる。応募できるのはYahoo! BB ADSLおよびYahoo! BB 光の既存会員に加えて、3月31日にまでにYahoo! BBに新規加入し、4月20日までに開通が見込めるユーザー。なお、テスト参加時にはMOVIDA ENTERTAINMENTが運営するゲームポータル「BB Games」の無料ID「BB-ID」を取得する必要がある。

 また、テクニカルテスト参加時に必要な動作環境は以下表に示した通り。このうち、通信環境に関してはADSLではユーザーごとに通信速度が異なる可能性があるが、ソフトバンクグループ広報は「Yahoo! BB ADSLに加入するユーザーのうち、7~8割程度は十分に真・三國無双BBをプレイできる環境にある」と説明している。

 なお、テクニカルテスト時は対象外となるが、正式サービス時には「SoftBank ブロードバンドサービス」回線を利用した「エンジョイBB」や「Nexyz.BB」といった提携プロバイダーの会員も対象になる予定だという。

 このほか、インターネットカフェでの提供も進めていく考えで、この場合は自宅で加入するプロバイダーを問わず真・三國無双BBをプレイできる。


・テクニカルテスト動作環境
OS Windows XP/2000
CPU Pentium 4 2.4GHz以上
メモリ 512MB以上
ビデオカード VRAM 128MB以上
(Pixel Shader 2.0、Vertex Shader 2.0以上の3Dアクセラレーター機能必須)
ディスプレイ 800×600ピクセル(HighColor表示対応)
サウンド 16ビットステレオ 44KHz Wave形式が再生可能なサウンド機能
HDD 6.0GB以上の空き容量
DirectX DirectX 9.0c以上
ネットワーク 下り1.0Mbps以上


孫泰蔵取締役「オンラインゲームで日本が誇れるタイトルの1つに」

コーエー小松社長

孫ソフトバンクBB取締役(兼 MOVIDA HOLDINGS取締役)
 発表会では、襟川恵子取締役会長をはじめとしたコーエー関係者に加え、来賓として孫泰蔵ソフトバンクBB取締役 兼 MOVIDA HOLDINGS取締役や、ELEVEN-UPの片山崇代表取締役社長が登壇した。

 コーエーの小松清志代表取締役社長は、「真・三國無双BBはソフトバンクグループとのコラボレーションで実現したプロジェクト」である点を強調。「当社が持つアクションゲームやオンラインゲームにおける通信技術の通信に加え、ソフトバンクグループが持つ高品質なインフラとサービスのノウハウを合体させた世界で初めての試みといっていいタイトル」とした上で、「非常に高度な技術を用いており、現時点で真・三國無双BBは、日本国外そしてソフトバンクグループ以外のインフラでは動作できないものである」とコメントした。

 続いて、孫泰蔵ソフトバンクBB取締役 兼 MOVIDA HOLDINGS取締役がソフトバンクグループ代表として登壇して祝辞を述べた。孫取締役はインフラ面の開発について、「Yahoo! BBおよび日本テレコムのネットワークアーキテクチャやルータを何回ホップするかというレイテンシの問題に加え、ラストワンマイルにおけるユーザーの分布状況などパフォーマンスを出すために基礎的な研究から開始した」とこれまでを振り返った。

 さらに、「真・三國無双BBのゲーム性にあった新しいサービスモデルを創り上げるというという志のもと、両社のノウハウを結合・化学反応を起こす形で計画を進めているところだ」とコメントした。「日本はゲーム大国だが、オンラインゲームでも世界に誇れる素晴らしいゲームを開発できるという1つのフラグシップ的なタイトルだと考えている」と同タイトルに対する期待を述べた。

 ELEVEN-UPの片山社長は同社の役割を述べたのち、「真・三國無双BBの提供にあたり、5つのチャレンジを実行していく」と発言。具体的には「新しいゲームデザイン」「新しいビジネスモデル」「ネットワークインフラ」「ネットカフェ展開」「オンラインゲームの運営」に対する挑戦だといい、「当社はオンラインゲーム運営はサービス業だと考えており、ユーザーに安心して心地よくゲームを楽しんでいただけるようサービスを提供していく」と付け加えた。


コーエー襟川会長「韓国メーカーに負けないようなゲームを提供していく」

コーエーの松原執行役員

発表会で示されたコンセプトイメージ。NPC最強となる呂布との戦いも可能
 真・三國無双BBのゲーム概要およびデモンストレーションは、同タイトルのプロデューサーである松原健二執行役員と、ディレクターの藤重和博氏から行なわれた。

 松原氏は真・三國無双BBのポイントとして“誰でも簡単オンライン”“世界最高レベルの技術を実現”“世界初のタイアップ”の3点を順に説明した。まず、“誰でも簡単オンライン”は「キーボードを中心としたプレイスタイルとは異なる、コントローラで簡単に操作できる作品である」と語った。

 技術面では「P2P技術を用いず、クライアントサーバー通信のみでアクションゲームに必要なリアルタイム性と多人数が同時に参加できるパフォーマンスを実現した」とコメント。「この新しいシステムはMMOの可能性を大きく広げてくれるもので、スポーツやシューティングゲームなどリアルタイム型のゲームをMMOとして提供できるようになる」と付け加えた。

 ソフトバンクグループとのタイアップに関しては「ゲーム企画の初期段階から、インフラ、プロバイダー、サービス運営、コンテンツ開発の各チームが会社の垣根を越えて協力してきた」と説明する。松原氏は「ソフトバンクグループの協力がなくては、真・三國無双BBは実現できなかった」と語るとともに、「こうしたパートナーシップは世界で類をみないものである」とした。

 デモンストレーションでは、曹操軍と劉備軍に分かれて4対4のチーム戦が行なわれた。藤重氏によれば、フレームレートは秒間60フレームになるという。なお、今回のデモでは会場の都合上、LAN環境を構築して進められたが、松原氏は「Yahoo! BBの回線と我々のデータセンターを直結してテストを行なっているが、今回ご覧いただいたデモと遜色のないクォリティである」と語った。


発表会では4対4のチーム戦が行なわれた マップは官渡

曹操軍、劉備軍に加えて、中立軍も登場する 戦闘終了時には無双シリーズと同様の画面が表示されていた

コーエーの襟川会長
 最後に登場したコーエーの襟川恵子取締役会長は「いよいよオンラインゲームは新しい時代に入った」と発言。「今までは政府の支援により韓国はインフラを整備して、いち早くオンラインゲーム市場を立ち上げてきたが、これに負けないようにコーエーもユーザーに喜んでもらえる作品を提供していきたい」と真・三國無双BBに対する自信を示した。

 また、Viiv対応パソコンやプレイステーション 3(PS3)などについて触れ、「インタラクティブ性の高いゲームを広くあまねくユーザーに楽しんでいただける時代が4、5年以内に登場するが、それに先駆けて登場するのが今回の真・三國無双BBである」と述べた。

 発表会の最後には質疑応答が行なわれた。世界展開に関して「各社からオファーをいただいている状態」と語る襟川社長は、「本来ならばソフトバンクグループの孫正義代表に出席していただいて発表したかったが、1兆何千億円かのお買い物中で大変お忙しい」と出席に至らなかったとコメント。その上で「東南アジアやカナダなど環境が整っている国から随時提供して行ければ」と世界展開の方針を述べた。

 また、プレイステーション 3での展開について小松社長は「現時点で発表できることはない」としながらも、「15日にSCEさんが発表会を行なわれるようなので、そこでPS3に関する情報がある程度出てくるのではないか」と語った。


関連情報

URL
  真・三國無双BB テクニカルテスト募集サイト
  http://www.musou-bb.jp/
  GAMECITY
  http://www.gamecity.ne.jp/
  ニュースリリース
  http://11up.co.jp/news_release/060309.html

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(村松健至)
2006/03/09 19:11
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