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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
ウィルコム、W-ZERO3新モデルを発表。夏にはロケーションフリーに対応

メモリ強化や新カラーが用意された「WS004SH」
 ウィルコムは、IEEE 802.11b準拠の無線LANを搭載したPHS端末「W-ZERO3」の新モデルを発表した。6月22日に発売し、ウィルコムストアでの価格は新規・機種変更ともに44,800円。メモリの強化が図られたほか、新たなカラーバリエーションが用意された。

 型番は「WS004SH」で、メモリが従来モデル「WS003SH」の128MBから256MBに拡張され、インストール領域やユーザー領域が従来機比で3倍となったほか、英和・和英・国語辞典を収録した辞書ソフト「DicLand」をプリインストール。なお、辞書ソフトは従来のユーザー向けにも9,000円程度で販売される。

 法人向け向け機能として、OSもExchangeサーバーとの連動が可能な可能なMSFPに対応したWindows Mobile 最新バージョンに変更された。カラーバリエーションはパールホワイトとガンメタリックの2色を用意、どちらも指紋のつきにくいコーティング加工が行なわれている。

 製品名は「W-ZERO3」と変更はなく、その他の仕様もWS003SHとほぼ同一。また、ロケーションフリーが2006年夏にもW-ZERO3に対応することが明らかにされたほか、「Opera Browser 8.6 for W-ZERO3」も6月6日より公開され、W-ZERO3ユーザーは無償でダウンロードできる。

 価格はウィルコムストアの場合、新規(年間契約含む)・機種変更ともに44,800円で、年間契約なしの新規契約は47,800円。W-SIMなしの単体モデルも50,000円で同時に販売を開始する。既存モデルWS003SHの値段は従来と同額に据え置かれ、WS004SHが5,000円高くなっている。


2色のカラーバリエーションを用意 メモリを前モデルから強化

辞書ソフトをプリインストール Operaも8.6にバージョンアップ

パールホワイト ガンメタリック。画面はロケーションフリープレーヤーを再生

W-ZERO3は発売から15万台を販売。新モデルにはIntel Insideロゴ

WS004SHを手にするウィルコム代表取締役社長の八剱洋一郎氏
 WS004SHの発表に合わせて開催された記者発表会では、ウィルコム代表取締役社長の八剱洋一郎氏、常務執行役員の土橋匡氏、執行役員の喜久川政樹氏らが出席。WS004SHの製品コンセプトはウィルコムの今後の展開について説明した。

 八剱氏は、W-ZERO3の発表時に披露した名称の由来に触れ、「さまざまな由来がある中で、ウィルコム、シャープ、マイクロソフトの3社体制で“ZERO3”という話をしたが、今回の“WS004SH”ではインテルという強力のパートナーも加わった」と説明。「PDA市場において、WS004SHはWindows OS搭載モデルでは初めて“Intel Inside”のロゴマークが入った商品になる」とアピールした。

 土橋氏は、2005年12月14日に発売されたW-ZERO3の前モデル「WS003SH」について説明。製品予約時にはウィルコムのオンラインストアやシャープのサイトへのアクセスが殺到し、予約開始日や発売日には量販店に長蛇の列ができるなど「ご迷惑をおかけした」とコメントした上で、「発売から1カ月で5万台を販売し、現在では2005年度の目標であった10万台を超える15万台の販売を達成した」と、順調ぶりをアピールした。


背面に「Intel inside」ロゴ W-ZERO3は発売から15万台を販売

夏商戦に向けて「別の発表もいくつか準備中」

WS003SHの改善要望をWS004SHで反映

ロケーションフリーにも夏に対応予定
 続いて土橋氏は、前モデルのユーザーに対して行なったW-ZERO3の改善要望点調査の結果を公表し、「バッテリー」「デザイン」「メモリ」「機能面」「ソフト」の5つが大きな要望だと説明。「大画面かつ利用頻度の高いW-ZERO3でバッテリーの改善は難しいが、それ以外の改善点を反映したのが今回のWS004SH」との位置付けを示した。

 発表会では2006年夏頃に、W-ZERO3向けのロケーションフリー対応ソフトを提供する予定も明らかにされた。すでにACCESSがPocket PC 2003以降およびWindows Mobile 5.0以降に対応した「NetFrontロケーションフリープレイヤー(仮称) Pocket PC用」の発売を予定しており、ウィルコムでもこのソフトを採用し、ロケーションフリーに対応する。価格や詳細な時期などは現在検討中とした。

 WS004SHの投入に合わせ、法人向けの展開も強化を図る。WS004SHにはMSFP対応版のWindows Mobile 5.0最新バージョンが搭載されており、Exchangeサーバーと連動してメールやスケジュール同期、リモートロックなどの利用が可能になる。

 8月にはW-ZERO3をベースとしたASPソリューション「WILLCOM Business Package」も開始する予定。自社にサーバーを持った中・小規模向け企業に対し、VPNによる閉域網接続でW-ZERO3からサーバーへアクセスできる「Package B」、メールやスケジュールといったサーバーなどをウィルコム側で管理することで新たな設備導入が必要ない「Package A」の2タイプを用意する。料金をウィルコムの請求書で1つに集約することも可能だ。料金やサービスの詳細は現在のところ未定で、サービス開始までに明らかにする予定。

 ウィルコム執行役員の喜久川政樹氏は、「今回のモデルはユーザーのニーズに対して応えた製品をできるだけ早く市場に出すと同時に、法人向けの強化も図ったもの」と今回の発表会趣旨について説明。夏商戦用の新製品について質問されると、「今回の発表だけではなく、もう少し違ったマーケット向けの発表をいくつか用意している。近いうちに発表できるのではないか」と語った。


サーバーをウィルコムが管理する「Package A」 自社サーバーにVPNで接続する「Package B」

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2006/06/06/index.html

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(甲斐祐樹)
2006/06/06 13:33
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