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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
自作の楽曲や映像の有料配信も可能な「YoroZoo」が正式サービス開始

 インデックスキャスティングは、アーティストが自ら制作した楽曲や映像を発表して、有料配信できるコミュニティサービス「YoroZoo」の正式サービスを7月25日に開始した。同社ではこれに伴い、事業発表会を開催した。


自身が制作した音楽や映像の有料配信も可能なコミュニティ「YoroZoo」

YoroZooトップページ
 YoroZooは、2005年12月からベータ版提供を開始したサービス。サービスは、アーティストまたはユーザー登録を行なうことで無料で利用が可能。音声や映像ファイルがアップロード可能なディスク容量100MBが無償で提供され、自身が制作した楽曲や映像をYoroZoo上で紹介できる。また、Podcasting配信にも対応し、今後はディスク容量の増加も有料オプションとして提供していく考えだという。

 投稿可能なファイル形式は音声がMP3、動画がQuickTime/AVI/MPEG-4の各形式で、いずれもマイポータル上に用意されるプレーヤーで再生が可能。また、プレーヤーでの再生には対応しないが、MP3以外の音声ファイルもアップロードができる。

 さらに8月には、アップロードした音声・動画コンテンツを有料で販売できる機能も実装を予定。販売価格はアーティスト側で決定が可能で、決済方法にはクレジット、WebMoneyの2種類を用意する。また、試聴ランキングやダウンロードランキング、売上集計機能も提供する。なお、DRM付きファイルの販売にも対応するが、具体的な方法については機能提供時に告知される予定。

 音楽配信機能以外にも、メッセージ送受信やブログ、コメント、友だち登録、アルバムといったSNS機能も提供する。なお、コミュニティ機能に関しては後日実装を予定するという。このほか、ライブイベントの告知機能やアクセス解析、RSS配信などの機能も利用できる。

 正式サービス開始時点では、PC向けのサービスに限定されるが、インデックスキャスティングでは2006年秋をめどに携帯電話向けのサービスも開始したい考え。PC版と連動し、楽曲の試聴機能も提供していくという。


YoroZooで利用可能な機能 アップロードしたファイルはマイページ上で再生できる

今後は音楽以外にも、小説やコミック、アニメなどの作品発表の場も検討

インデックスキャスティングの千田社長
 インデックスキャスティングは、インデックス・ホールディングス、ティーズ音楽出版、幻冬舎、TBSラジオ&コミュニケーションズが2005年9月に共同で設立した企業。千田利史代表取締役社長は、「時間の流れが速いIT業界としては、会社設立から今回の正式サービス開始まで1年近く時間をかけて、じっくりと準備を進めてきた」とコメント。その上で「YoroZooは世界で最も先進的でユニークなサービスだと自負している」と同サービスに対する自信を示した。

 YoroZooに関して千田社長は、「AGM(Aritists Generated Media)」という造語を挙げ、「YoroZooは、アーティストが創造する。そして、アーティストを創り出すメディアである」と説明。「ベータ版ですでに好評をいただいており、今回の正式サービスではユーザーニーズに応える機能を本格的に実装させて、1人でも多くのアーティストに参加して欲しい」と呼びかけた。

 具体的なアーティスト参加目標については「ベータサービスで登録があった650組をベースに、すみやかに3,000組まで伸ばしていきたい」とした。また、PVについても「月間で数千万PVというレベルに達したい」と語り、「そうでなければメディアとしての評価が定まらない」と決意を示した。

 千田社長は、「アーティストが自分たちの作品を見てもらえるショーウィンドウ的な役割を果たしていきたい」と述べ、インディーズアーティストによるオリジナル楽曲を中心に構成していきたいという。その上で、旬のヒット曲や懐メロ、メジャーアーティストがYoroZoo限定楽曲を配信するなどの試みも展開していきたい考えだ。さらに「今後は小説やコミック、アニメなどを提供する場も設け、ロングテール市場を視野に入れた展開を行なっていく」と音楽以外の分野での広がりも示唆した。


「AGM」を目指してサービス提供を行なうという 音楽分野以外の広がりも示唆

テレビやラジオ各社と協力したYoroZooアーティストの露出展開も

インデックスキャスティングが掲げる3つの事業
 インデックスキャスティングの事業展開としては、YoroZooによる「コミュニティサービス」に加え、作品のダウンロード配信を行なう「コンテンツ配信」、ライブイベントの主催やテレビ・ラジオと協力した「コンテンツプロデュース」の3つを柱に置くという。

 千田社長は「出資会社であるTBSラジオ&コミュニケーションズの協力によって、セイン・カミュ氏を起用したインディーズアーティスト発掘番組をPodcasting配信する」とコメント。加えて、tvkやBSフジ、BS日テレがそれぞれ放送する音楽番組と協力して、YoroZooに登録するアーティストを登場させるなど、主催ライブイベント以外の露出展開も積極的に進めるとしている。

 ビジネスモデルとしては、「企業秘密の部分もあるが、アーティストとの契約によって原盤権を確保することを重視している」という。また、「欧米の例を見ても広告プロモーションとYoroZooのようなサービスは相性が良いので、キャンペーン協力など広告事業なども考えていきたい」と語った。

 なお、発表会の最後には靴専門店「ABCマート」のテレビCMに楽曲提供をするAKANEのほか、HIRUGI.co、CICCAROLL、underwarter、Voice Troubleによるスペシャルライブも行なわれた。


発表会の司会はDJ TAROが務めた セイン・カミュなどからのビデオメッセージも

発表会に続いて、YoroZooに登録するアーティストによるスペシャルライブも開催(左から、AKANE、HIRUGI.co)。AKANEが披露した「そのスタイル」はABCマートのCM曲にも選ばれている


関連情報

URL
  YoroZoo
  http://www.yorozoo.com/
  ニュースリリース
  http://www.index-hd.com/press/press.php?id=697

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(村松健至)
2006/07/25 20:00
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