ネオ・インデックスは、PC向け映像配信サービス「ミランカ(Miranca)」を10月1日に開始すると発表した。これに先だって、チャネル型コンテンツを無料配信するなどの先行キャンペーンを7月31日16時から9月30日まで実施する。
■ カテゴリ別に24時間ストリーミング配信。作品ごとのVOD配信も
|
「ミランカ」はFlashをベースとしたデザインを採用。トップページにはチャンネル配信のスケジュールが表示される
|
ミランカは、PC向けに映像コンテンツを配信するサービス。日本国内に居住するユーザーであれば加入するプロバイダー問わず利用が可能で、会員登録は無料。利用に必要な環境は、OSがWindows XP、プレーヤーがWindows Media Player 10で、それ以外にInternet Explorer 6.0以降、Flash Player 8以降が必要になる。
同サービスでは、コンテンツをカテゴリごとに分類して24時間スケジュールで配信していく「チャンネル配信」、1作品ごとに有料配信する「VOD配信」および「ダウンロード配信(EST:Electronic Sell-Through)」の3種類を用意する。有料コンテンツの決済にはクレジットカードを使用。現時点では、購入ごとにカード番号を入力する必要があるが、正式サービス開始時にはカード番号の保持にも対応させるという。
チャンネル配信では、有料メニューと無料メニューの合計4番組を提供する。有料メニューは国内外の映画やテレビドラマを配信する「シネドラch(月額840円)」、テレビアニメやOVAを配信する「アニメch(月額525円)」、最新ヒット曲やインディーズ楽曲を配信する「ミュージックch(月額525円)」を用意した。
また、無料メニュー「ネオch」ではミランカ最新情報のほか、お笑いコンテンツやライブ映像などを配信。加えて、2006年秋以降には「内村プロデュース」を制作したケイマックスによるオリジナル番組や、吉本興業グループとの提携にもとづいて「ヨシモト∞(無限大)」の一部コンテンツの無料配信も行なっていく。4チャンネルの年間提供コンテンツ数は約5,000タイトルで、それぞれ1カ月程度配信していくという。なお、原則として24時間スケジュールによる配信となるが、一部コンテンツを除いてストリーミング形式で随時視聴もできる。
VODコンテンツでは、映画やアニメ、韓国ドラマ、バラエティ、音楽、スポーツなど複数のジャンルの映像作品の中から、年間約1,000タイトルを有料配信する。料金は新作が315円~420円、旧作が105円~315円で、視聴期間は購入から24時間。
|
|
配信形態ごとの料金や作品ラインナップ
|
提携コンテンツホルダー。ダウンロード販売に関しては契約交渉中で現時点未公表
|
■ ダウンロード購入は無期限視聴。メディア書き込みも対応を検討
|
コンテンツ再生時にはポップアップで再生ウィンドウが表示される
|
ダウンロード配信では当初、50作品程度を揃えたい考え。映画を中心とした新作コンテンツはDVD発売と同時に提供をしていく予定で、ネオ・インデックスが制作したオリジナルコンテンツもラインナップする。オリジナルコンテンツ第1弾は、作家の秦建日子が企画監修し、大友康平、紺野まひる、豊原功補が主演する長編映画「調布空港」を予定する。
料金は新作が2,100円~3,150円、旧作が1,050円~2,100円で、購入したコンテンツは無制限に視聴できる。加えて、ダウンロード後のデジタルコピーやディスクメディアへの書き込みも検討していくという。
コンテンツのビットレートは、チャンネルおよびVOD配信が1Mbpsで、ダウンロード配信は1.5Mbps。再生中は通常画面表示に加え、大画面表示や小画面表示、ミランカトップページ左側でのバー表示が可能。早送りや巻き戻し、一時停止にも対応する。
また、配信コンテンツはライブラリ登録が可能で、マイページ上からカテゴリ/ジャンル/グループ別に表示できる。このほか、配信コンテンツをカタログ形式で確認できる機能も用意した。
なお、7月31日から9月30日まで実施されるキャンペーン期間中は、チャンネル配信サービスの全チャンネルが無料で視聴できる。また、会員登録を行なったユーザーの中から抽選で50組100名に映画鑑賞券をプレゼントする。
|
|
トップページでのサイドバー表示も可能
|
ウィンドウの小型化にも対応するが、最前列表示は行なえない
|
|
|
|
ライブラリに登録したコンテンツはマイページから確認できる
|
カタログページも用意した
|
配信作品の一覧表示にも対応。このページからの再生操作やライブラリ登録も行なえる
|
■ コミュニティ機能を随時実装。将来的には広帯域配信やH.264への対応も
|
ネオ・インデックスの槇山取締役
|
|
Nextensiveとミランカのサービス比較
|
7月31日に開催された発表会でネオ・インデックスの槇山哲朗取締役は、先行キャンペーンを“フライング・スタート”と位置付け、「パーソナル、検索して探す、複数のコンテンツを同時利用する“ながら”視聴を考慮しながら、ミランカのサービス展開を行なっていく」とコメントした。
同社ではVOD配信ソリューション「Nextensive」をプロバイダー向けにすでに提供済み。槇山氏は「Nextensiveとは異なり、ミランカでは当社がユーザーまで直接サービスを提供するB2C展開を行なうもの」と語り、「STBを中心としたNextensiveと、PCを中心としたミランカの双方で相乗効果が得られるようにサービスを提供していきたい」と抱負を語った。
サービスラインナップに関しては、「ミランカではニッチなコンテンツもカバーしていく」と発言。特にチャンネル配信でニッチコンテンツを提供を行なっていく考えで、個人が撮影した映像やマイナースポーツなどといった作品を配信していくという。また、ダウンロード配信向けに制作したオリジナルコンテンツについては、「ユーザーニーズがあれば、DVD販売も検討する」とした。
将来的な配信形態としては、ブロードバンド環境の整備がより進んだ段階で1.5Mbps以上の帯域への向上を検討する。加えて、「技術や権利処理などの課題がクリアできるようであれば、H.264形式での配信も前向きに検討したい」と語った。
このほか、2006年10月以降の正式サービス以降も機能拡充を進め、同じコンテンツを視聴しているユーザー同士でチャットができるようなコミュニティ機能も実装させるという。その上で、2007年8月期に無料の視聴登録ユーザー数200万人、売上高18億円の達成を目指し、事業展開を進めていくとしている。なお、ネオchでの動画広告挿入など広告ビジネスの構築も行なっていくという。
|
|
ミランカのビジネスモデル
|
配信形態ごとの提供コンテンツイメージ
|
■ URL
ニュースリリース
http://www.neoinc.jp/news/20060731.html
ミランカ
http://miranca.com/
■ 関連記事
・ ソニースタイル、動画配信サービス「Moviesquare」を開始
・ casTY、5時間お笑いライブを渋谷から365日無料配信
(村松健至)
2006/07/31 17:17
|