ELEVEN-UPとキャメロットは1日、新オンラインエンターテインメントサービス「Gプラネット構想」を発表した。これに合わせて両社では、Gプラネット構想の第1弾タイトルであるオンラインゴルフゲーム「ゴルフだいすき!~I LOVE GOLF!~」の限定先行テスト参加者募集を8月4日に開始する。
■ マルチウィンドウで複数画面の同時表示が可能な「ゴルフだいすき!」
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「ゴルフだいすき!」。発表会では上戸彩(写真右)が参加してデモプレイが行なわれた
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ホールアウト時には成績に応じてキャラクターがアクションする
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Gプラネット構想は、ELEVEN-UPとキャメロットが「誰もが安心して楽しめる遊びの場をオンライン上に作り、これまでにない総合的なエンターテインメントサービスを提供していく」ことを目的にしたもの。両社では同構想にもとづいて、普段パソコンを使い慣れていないユーザーも含め、オンライン上でエンターテインメントサービスを楽しめる環境を提供していくとしている。
「ゴルフだいすき!~I LOVE GOLF!~」は、同構想の第1弾として提供されるWindows用オンラインゴルフゲーム。ゲーム画面はユーザーの任意のサイズに拡大・縮小が可能で、それぞれのサイズに適した画面に自動でリサイズされる。これにより、小画面表示やワイド画面表示も可能だという。また、マルチウィンドウ機能も備え、画面を複数表示してさまざまな角度からコースの状況を確認できる。
オンライン対戦では、複数のプレイヤーが参加できる「コンペモード」などを用意。コンペモードでは、相手のショットを待つことなくプレイを進められ、スピード感ある対戦が可能になるとしている。このほか、テキストチャットが可能な「トーク機能」やマウス操作によるショット指示など、初心者にもわかりやすいよう配慮を取り入れていく考えだという。
サービススケジュールとしては、8月4日に限定先行テストの参加者募集を開始。その後、オープンベータテストを2006年秋頃に、正式サービスを2006年内に開始したい考えだという。ゲームの動作環境は8月4日に詳細が明らかにされるが、ELEVEN-UP広報によれば「2~3年前のPCでも快適にプレイできる」としている。
また、各社の役割としてはELEVEN-UPがサービスの企画・運営・販売を、キャメロットが企画・制作を担当。加えて、Yahoo! JAPANがプロモーションや販売・課金決済を担当し、Yahoo!ゲーム内で提供を行なっていくとした。なお、サービス運営にあたっては日立製作所の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」を採用し、同社からブレードサーバー技術の提供も受けている。
正式サービス時の料金は、ロビー的役割を担う「オープンスペース」や練習モードの利用は無料。コースでのプレイなどは月額料金制になる予定で、両社では携帯電話コンテンツと同額程度の月額300~400円前後を想定している。
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マルチウィンドウ機能
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ウィンドウのサイズは自由に変更が可能。画像は孫正義ソフトバンク代表をもとにした発表会限定のキャラクター
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■ キャメロット高橋社長「インターネットの先にある未開の大陸を切り開く」
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ソフトバンクBBの孫泰蔵取締役と、キャメロットの高橋宏之社長
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1日に開催された発表会には、ELEVEN-UPとキャメロットの代表者に加え、ソフトバンクBBの孫泰蔵取締役(兼 MOVIDA HOLDINGS取締役)と「ゴルフだいすき!」の広告キャラクターに起用された上戸彩が出席した。
キャメロットは、「シャイニング・シリーズ」や「みんなのGOLF」、「マリオテニス」などを手がけたゲーム企画制作会社。同社の高橋宏之代表取締役社長は、Gプラネット構想発表にあたって「ついに今日の日が来たかと思うと感慨深いものがある」とコメント。
高橋社長は、「SCEに8万本程度しか売れないと言われた初代『みんなのGOLF』は、最終的に240万本の売り上げを記録した」というエピソードを披露。さらに「米国マーケットで1万本しか売れなかったテニスゲームを全世界で300万本以上出荷し、任天堂米国法人の幹部から『キャメロットは未開の大陸(マーケット)を発見したコロンブスである』と賞賛された」というエピソードも紹介し、自社のマーケティング力や企画制作力に自信を示した。
その上で「インターネットは過酷で危険な領域で、今回の試みを無謀だと言われるかもしれないが」と前置きした高橋社長は、「もう1度コロンブスになって未開の大陸を目指し、大海原に旅立つ」と発言。「その先にはマリオテニス以上の大きな大陸が待っていると確信している」と語った。
■ キャメロット高橋兄弟とソフトバンク孫兄弟が共鳴した「Gプラネット構想」
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Gプラネット構想概略図。今回発表のタイトル以外にも展開予定があるという
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また、ソフトバンクグループのELEVEN-UPとGプラネット構想を共同で進めるに至った経緯も説明された。高橋社長は「ブロードバンドサービスが普及していく中で、必ずしも頻繁に使っていないユーザーも少なくなく、そうした方々はツールとして利用している側面がある」と指摘。
そうした中で、同社代表取締役副社長で実弟の高橋秀五氏とともに、ソフトバンクグループ代表の孫正義氏、ソフトバンクBB取締役の孫泰蔵氏らと会合を持った際に「『インターネットをもっと良くしたい』」という考えを示すと、『同じ気持ちだ』と孫正義氏、孫泰蔵氏から言われ、Gプラネット構想を共同で進めるに至った」と、高橋兄弟と孫兄弟が共鳴しあった結果として実現したことを明かした。
Gプラネット構想についてはまた、「インターネットだけではなく、ゲーム業界にも非常に重要な役割を果たす」と高橋社長は発言。「ゲーム業界はライトユーザーが楽しめるゲームや環境が少なくなっているにも関わらず、巨大化・複雑化が進んでおり、そうした問題もゲーム業界に対する恩返しという意味で、Gプラネット構想を通じて打破していきたい」と語った。
高橋社長によれば、「ゴルフだいすき!」のロビー機能として提供される「オープンスペース」はポータルサイト的な役割を持っているという。「オープンスペース内にはYahoo! JAPANのサイトにジャンプできるエリアも用意していたり、ゴルフだいすき!以外のタイトルにも繋げる可能性もある」と示唆した。
さらに「テレビを表示したらどうなるのかといった、今まで考えられれないことが可能になるのがオープンスペースであり、ユーザーからの要望も取り入れていきたい」とコメント。「Gプラネット構想を通じて、我々が行き着くゴールに是非期待して欲しい」と述べた。
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オープンスペースは「ゴルフだいすき!」以外にYahoo! JAPANのコンテンツとの連携の可能性も
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オープンスペース内にある大型スクリーンをクリックするとYahoo! JAPANトップページをブラウザ上に表示
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■ 広告キャラクターに上戸彩。CFソングは久保田利伸が提供
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上戸彩。手に持つのはデモプレイ時に使用したショットに応じて振動するマウス(非売品)
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また、孫泰蔵ソフトバンクBB取締役は「インターネットが商用化されて10年が過ぎたが、まだまだ設定の難解さやセキュリティ面で課題がある。そうした点を改善すると同時に、新しい価値を共有できる場を提供する1つがGプラネット構想になる」と語った。なお、Gプラネットのオープンスペース部分で流れるBGMに関しては、サウンドスーバーバイザーのMSエンタテインメントが提供していくという。
このほか発表会では、広告キャラクターに起用された上戸彩が、キャメロットの高橋秀五副社長、ELEVEN-UPの片山崇代表取締役社長とともに「ゴルフだいすき!」のデモプレイを披露した。また、孫正義代表やYahoo! JAPANの喜多埜裕明取締役最高執行責任者に加え、「ゴルフだいすき!」にCFタイアップソングを提供する久保田利伸からビデオメッセージが寄せられた。
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(左から)ELEVEN-UPの片山崇社長、上戸彩、キャメロットの高橋宏之社長、高橋秀五副社長
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デモプレイ時にはキャディに扮した高橋秀五副社長が上戸彩にプレイ方法を説明
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孫正義代表。コメントに加え、ゲームをプレイする映像も紹介された
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久保田利伸。書き下ろしの楽曲を提供するという
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■ URL
ニュースリリース
http://11up.co.jp/news_release/060801.html
ゴルフだいすき! 公式ホームページ
http://www.golf-daisuki.net/
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(村松健至)
2006/08/01 18:36
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