エデルマン・ジャパンとテクノラティジャパンは、日本のブロガーを対象にした「第1回 日本人ブロガーに関するPR調査」の結果を公表した。
「第1回 日本人ブロガーに関するPR調査」は、日本のブロガーが企業の製品などに関して、どのようなブログを書いているかを把握することを目的に、2006年4月から5月にかけて実施されたもの。回答者数は213人で、性別比は男性が78%(166人)、女性が22%(47人)。なお、本調査ではブロガーを対象に実施しているが、両社では全員がブロガーであることは保証されていないとしている。
また、調査結果では米国や西欧、カナダを対象にした英語圏のブロガーを対象にした調査結果(2005年9月実施、回答者数821人)も比較対象として用いられている(以下、米国調査)。
■ 企業や製品情報に関するブログの更新頻度は「1週間に1回未満」が1位
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企業に関するブログ記事の執筆頻度(発表資料より引用、以下同)
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ブログを書く最大の理由に関する質問(択一回答)では、「自分の意見・考えを記録」が28.2%と1位で、次いで「自分が得た情報を記録」が19.7%、「自分の意見・考えを他の人に理解してもらいたい」が13.1%。一方、米国調査では回答項目数は少なかったものの、「自分の専門分野での知名度を上げるため」が33.9%と、「自分の意見・考えを記録しておくため」の31.6%を上回る数値を示しており、日本と異なる傾向を示している。
製品やサービスなど企業に関する情報をブログに書く頻度は(択一回答)、「1週間に1回未満」が日本で35.2%、米国で37.1%と両地域ともに1位。次いで、「1週間に1回程度(日本19.2%、米国21.8%)」、「1週間に2回以上(日本15.5%、米国16.2%)」と続いた。なお、「ブログ自体が特定の製品・業種・企業に関する内容」と回答した割合は、日本が1.9%、米国が3.7%だった。
企業からのコンタクト頻度に関して(択一回答)、「コンタクトを受けたことがない」が55.0%と、「1週間に1回未満」の29.6%を大きく上回った。連絡方法のうち、「連絡を受けたことがない」が54.4%と最も少なかったメールでは、「アンケート(39.9%)」や「ニュースリリースの案内(23.9%)」が高い数値を示した(複数回答)。
情報源に対する信頼度は日本と米国で異なり(複数回答)、日本では「企業の公式ホームページ」が70.4%、「企業のニュースリリース」が62.9%と高い数値だったのに対し、米国では「一般のブログ」が62.9%と企業からの情報源に対する信頼度と比較して2倍以上の数値を示した。
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企業からのコンタクト頻度
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情報源に対する信頼度
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■ 誤った情報の修正方法は日米で異なる傾向も
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製品や企業情報の誤記載の修正方法
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ブログに書いた製品や企業情報に誤りがあった際の対応としては(複数回答)、日米ともに「不正確な部分に取り消し線を引き、正確な情報を入力する」が最も高く、日本が42.3%、米国が38.7%だった。次いで「間違いはそのままにして、同じ記事に正しい情報を付け加える」「新しい記事を作り、そこに正確な情報を書く」と回答割合が日米ともに同様の傾向を示した。
逆に4位以降は「書いた記事を削除する」で日本が20.2%、米国が6.0%、「記事は変更せず、コメント欄に修正が書き込まれるのを期待する」で日本が11.7%、米国が4.8%と、対応方法が異なっていることも伺える。また、企業から間違いの修正を知らせて欲しい手段としては(複数回答)、「メール」が日本で61.5%、米国で65.4%、次いで「コメント欄」が日本で54.9%、米国で28.9%という結果になった。
ブロガーが問い合わせたい社員としては(複数回答)、日米ともに「プロダクトマネージャーもしくはブランドマネージャー」「ブログを書いている社員」「研究開発に携わる中堅社員」を挙げる回答者が多い。米国では加えて、「会社の役員」を挙げる回答者も18.6%いた(日本は8.0%)。
エデルマン・ジャパンとテクノラティジャパンでは、「日本のブログの多くは、自身の考えや得た情報を記録して、他者との共有を目的にしている」と、「知名度をあげることがブログ作成の原動力となっている」米国との違いを指摘。「日本のブロガーは企業や製品に関して頻繁にブログを書いている」と述べるとともに、「企業からの一方向的な公式情報を高く信頼している」とした。
その上で、「大半のブロガーは、これまで企業や広報担当者からコンタクトを受けたことがないと回答しており、企業がとるべき次のステップは双方向によるコミュニケーションの確立である」と提言している。
■ URL
第1回 日本人ブロガーに関するPR調査(PDF)
http://www.edelman.jp/img/news/japanbloggersurvey_j.pdf
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(村松健至)
2006/08/30 13:03
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