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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
ZMP、ロボット技術を搭載した移動可能な無線LANミュージックプレーヤー

miuro(ミューロ)
 二足歩行ロボット「PINO」などで知られるゼットエムピー(ZMP)は31日、ロボット技術による自律移動が可能なIEEE 802.11b/g準拠の無線LAN機能搭載のネットワークミュージックプレーヤー「miuro(ミューロ)」を発表した。本体価格は108,800円で、12月より出荷を開始する予定だという。

2輪で自走できるプレーヤー。オプションで自律移動も可能

 miuroは、独立して駆動する2輪で自走できるネットワーク機能を搭載したミュージックプレーヤー。自走機能には2足歩行ロボットなどで利用されている自律移動技術を搭載し、ジャイロや加速度センサー、ロータリーエンコーダなどを利用した姿勢制御により、2輪でありながら本体を水平に保った状態での走行や回転が可能だ。走行操作は付属のリモコンの操作から行なえるほか、正面位置の自動補正や、楽曲再生時には独自のアルゴリズムに沿ってダンスを踊らせることもできる。

 また、オプションの「自律移動パッケージ」を利用することで、内蔵カメラや測距センサー、タッチセンサーからの情報を元に設置された空間の見取り図を自動で作成。あらかじめユーザー側で登録した移動先の場所を指定するだけで、目的地への最適なルートを自動検出して移動し、障害物などがある場合でも自動で避けつつ目的地に到達できるという。

 miuroの駆動形式に2輪走行を採用した点について、ZMP代表取締役社長の谷口恒氏は「人型ロボットなどでは形状や動きの面白さばかりが注目され、人や生活との繋がりがイメージできない」とし、「便利なライフスタイルの創造を提案するコンセプトのもと、ロボット技術を生活に密着した家電に応用することにした」と説明した。miuroのデザインについては、浜崎あゆみやGLAYなどのミュージシャンのグラフィックワークを手がけているライスの代表取締役アートディレクターの原神一氏が担当している。


miuroの正面。複数行表示できるモニターを装備 miuroの背面。カメラやセンサーを装備 車輪脇にLEDを装備し、光らせながらの移動も可能

独立2輪駆動なので、その場で高速回転も可能だ miuroのメカ設計(正面) miuroのメカ設計(背面)

miuroの名前の由来 miuroに搭載されるロボット技術 ロボット技術を利用した機能

IEEE 802.11b/gの無線LANを搭載。ネットワーク経由で楽曲を再生

 ネットワーク機能では、IEEE 802.11b/gに準拠した無線LAN機能を搭載し、インターネットラジオの受信やネットワーク内のPCに保存された楽曲の再生が可能だ。ネットワーク経由での楽曲再生ではWindows Media Connect(WMC)に対応し、WAV/MP3/WMA/AAC/AIFF/LPCMの再生が可能。DLNAへの対応も予定しており、ネットワーク内のサーバーに保存された楽曲をmiuroで選択して再生可能となる見込みだ。

 また、オプションの「遠隔コミュニケーションパッケージ」を利用することで、無線LAN経由でのmiuroの遠隔操作や、内蔵カメラ撮影映像の遠隔地からの閲覧が可能となる。遠隔操作はPCから専用ソフトを利用して行なえるほか、ウィルコムのW-SIM対応端末「W-ZERO3」などの無線LAN機能を搭載した端末向けの専用ソフトも提供する。このほか、将来的には携帯電話端末向けの専用アプリの提供も行なう予定だという。


オーディオ、およびネットワーク機能の概要 正面のモニターにプレイリストなどを表示できる ネットワーク設定では、ESS-IDやWEPも利用できる模様だ

W-ZERO3向けの遠隔操作ソフト。miuroが生成した見取り図を表示している miuroのカメラで撮影された映像の視聴も可能な様だ

音質設計でケンウッドが協賛。iPodとの連動機能も

 音楽再生機能では、Dockコネクタを搭載し第3世代以上のiPodを接続して保存された楽曲の再生が可能。iPod接続時は、miuro本体のディスプレイでプレイリストの確認やmiuro付属のリモコンでのiPodの操作が可能だ。また、iPod接続時にはiPodの充電も行なえるほか、オーディオ入力端子を装備しているためiPod以外のポータブルプレーヤーもアナログ接続することで楽曲再生が可能だ。

 音響面では、4chデジタルアンプと80mmウーファー×2、25mmツィーター×2を搭載。音質設計ではケンウッドが協賛し、同社の音質マイスターである早川純一氏の指導のもとで無指向性ウーファーやソフトドームツィーター、二重壁シェル構造のエンクロージャー、二重モノコック構造のキャビネットなどを採用することで、低音から高音までバランスよく再現できるという。また、早川氏によれば「2輪走行時に使用するセンサーのデータを音場調整に利用する技術の導入も将来的には可能」とのことだ。このほか、ダイマジックの技術「uphony」を利用した音場調整機能を搭載し、床での利用向けの「フロアモード」とデーブルでの利用向けの「テーブルモード」から音場を設定できる。


iPod搭載時は、iPodのプレイリストも表示できる 上部カバー内にDockコネクタを装備し、iPodを接続して収納できる 本体両側に、ウーファーとツィーターを1台ずつ装備する

 miuroの本体サイズは約35cm×22cm(幅×径)で、重量は約5kg。本体カラーは、ホワイト/ブラック/イエロー/レッドの4色を用意する。電源は内蔵のリチウムイオン電池を使用し、充電は付属の充電ステーションとACアダプタを利用する。

 充電時間は約1.5~2時間で、駆動時間は約3~4時間。オプションでは、自律移動パッケージを19,800円、遠隔コミュニケーションパッケージを15,800円で販売するほか、駆動時間が約6~8時間に拡大できる「大容量バッテリー」を12,800円で、iPod収納部分のカバーを透明化する「クリアートップカバー」を2,800円で用意する。miuroの販売は、ZMPのWebサイトにて先行予約を受け付け、12月より出荷を開始する予定。初年度で1万台以上の販売を目標とするとしている。


miuroに付属するリモコン 専用の充電ステーション 充電ステーションに接続した状態。自動で充電ステーションに接続する機能は非搭載

miuroの3つのこだわり miuro本体やオプションの価格 miuroの販売計画

miuroの開発に携わった面々(左から:ケンウッド音質マイスターの早川純一氏、ケンウッド代表取締役兼CEOの河原治郎氏、ZMP代表取締役社長の谷口恒氏、ライス代表取締役アートディレクターの原神一氏)

関連情報

URL
  miuro
  http://miuro.com/
  ZMP
  http://www.zmp.co.jp/
  関連記事:ZMP、二足歩行ロボット「PINO」をバージョンアップ(Robot Watch)
  http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/08/09/118.html


(大久保有規彦)
2006/08/31 20:05
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