ソフトバンクモバイル(10月1日にボーダフォンから社名変更)の携帯電話新モデル13機種と新サービスが28日、発表された。新サービスでは、10月1日から開始する新ポータルサイト「Yahoo!ケータイ」や、HSDPAに準拠した高速データ通信サービス「3Gハイスピード」などがある。
■ 「Y!」ボタン1つでアクセスできるポータルサイト「Yahoo!ケータイ」
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コンテンツと端末の充実度をアピールする孫正義社長
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Yahoo!ケータイは、携帯電話向けのYahoo! JAPANのトップページで、ソフトバンクモバイルの携帯電話機に搭載される「Y!」ボタンを押すだけで表示される。携帯電話上でYahoo! JAPAN IDを1度入力すれば、それ以降は「Y!」ボタンを押すだけでYahoo!ケータイにアクセスできる。Yahoo!ケータイでは、ニュースや株価情報、宿泊予約など、無料で利用可能なYahoo! JAPANのサービスメニューが順次提供される。
孫正義社長は、「携帯電話上のコンテンツの多くは、閲覧するために有料の会員登録が必要で面倒くさい。一方、PC上ではほとんどのコンテンツは無料。(Yahoo!ケータイが)携帯電話上で無料コンテンツを提供することで、携帯電話のコンテンツのビジネスモデルを根底から覆す。『コンテンツが最も充実しているのはソフトバンク』という状況が生まれる」と自信を示した。
また、一部機種には「Yahoo!メール」や「Yahoo!メッセンジャー」などYahoo! JAPANのサービスメニューのコミュニケーションサービスを統合したツール「Yahoo! mocoa」(ヤフー・モコア)がプリインストールされる。インターネット上の仮想空間「S!タウン」も一部機種で10月上旬以降に開始する。
そのほか、HSDPA方式に準拠した高速データ通信サービス「3Gハイスピード」を10月中旬以降に開始する。3Gハイスピードは、下り3.6Mbps/上り最大384Kbpsの高速データ通信を行なえる。
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Yahoo!ケータイのイメージ
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Yahoo!ケータイでは、PC上で提供されているYahoo! JAPANのコンテンツが順次提供される
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■ コンテンツと端末の充実度で他社への巻き返しを図る
秋冬商戦に向けた新モデルについては、13機種54色を提供する。これまでボーダフォンが1度に発表した機種・色数では、7機種18色が最高だった。さらに、折りたたみ端末では国内最薄となる12.3mmの「706SC」、スライド型端末では世界最薄となる12.9mmの「705SC」など、薄型端末のラインナップを充実させたことをアピールした。
孫社長は、他社と比較しても最大の品揃えになると強調し、コンテンツだけでなく機種・色数の充実度でもNTTドコモやauに巻き返しを図る姿勢を示した。なお、発表会の途中では、“隠し球”として、さらに2機種10色の端末を用意していることも明かしたが、詳細は語られなかった。
10月24日から開始するMNP(携帯電話番号ポータビリティ)に対する勝算については、「全員が初体験だからわからないというのが正直なところ」とコメント。ただし、「端末やコンテンツの充実、基地局の増強などを図ることで、ある程度は善戦できる」と話した。
質疑応答では、ボーダフォンを買収してからソフトバンクの株価が大きく下がっていることが指摘された。これに対して孫社長は、「これまで上場以来、3度株価が大きく下がった。最初はYahoo!に投資した時期。次は、Yahoo! BBを開始したとき。今回が3度目。いずれも新事業に取り組むときに厳しく評価されたが、これまでは新事業を開始してから数年後には実績を残してきた。逆に言うと、投資家はこういったパターンを読んで投資するのも悪くない」と答えた。
また、安倍晋三新内閣で総務大臣に就任する菅義偉氏について意見を求められた孫社長は、「総務省とは一度大げんかをした。しかし、今は『大人のソフトバンク』。新しい大臣とも是非うまくやっていきたい」とコメントした。
■ URL
2006年 秋・冬商戦向け新機種について(PDF)
http://www.vodafone.jp/japanese/release/2006/20060928_02jp.pdf
「Yahoo!ケータイ」について(PDF)
http://www.vodafone.jp/japanese/release/2006/20060928_04j.pdf
(増田 覚)
2006/09/28 20:56
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