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ミクシィの笠原健治代表取締役社長
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ミクシィは30日、同社の2007年3月期第3四半期の決算説明会を開催した。説明会ではミクシィの笠原健治代表取締役社長が、2月に開始する新サービス「mixi 動画」などの取り組みについて説明した。
2006年4月から2006年12月31日までの売上高は34億1,700万円、営業利益は14億7,100万円、経常利益は14億3,100万円で、四半期純利益は7億5,700万円。前年度は四半期財務諸表を作成していないために参考値ではあるが、売上高は2006年3月期の18億9,300万円に対し、第3四半期の時点でほぼ倍近い数値となった。
事業別では、SNS「mixi」がモバイル機能の強化やSNSの認知向上によって会員数は2006年12月31日現在で744万人を、2007年1月28日現在で800万人を突破。第3四半期の売上高は24億520万6,000円となり、このうち広告売上高が21億2,166万6,000円と8割以上を占めている。有料会員「mixi プレミアム」の売上高は2億8,353万3,000円。
インターネット求人事業「Find Job!」は、ブロードバンド環境の拡大によりインターネットによるサービスを行なう企業が増加したことに加え、団塊の世代の退職によって求人広告事業の市場が拡大。同社の利用企業数や登録求職者数、求人数も順調に推移し、第3四半期の売上高は10億1,257万7,000円となった。
■ mixi 動画では権利者向けの違法コンテンツ管理プログラムも用意
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mixi 動画
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2月5日より開始するmixiの動画共有サービス「mixi 動画」は、当初動画のアップロードが有料会員のみに限定されているが、笠原氏は、「プレミアムユーザーは先進的でリテラシが高く、mixiのサービスをよく理解されている」「最初から新機能を全体に公開すると、予想を超えたトラブルの恐れもある」との理由を説明。プレミアムユーザーへ先行してサービスを提供し、一定期間ののちに全体へ公開する手法は「mixi ミュージック」などでも行なわれており、mixi 動画でも将来的には全ユーザーへアップロード機能を提供するとした。
著作権に違反した動画コンテンツの不正アップロードに対しては、動画アップロードの際にユーザーに対して利用規約への同意を必須とするほか、著作権を持つ企業や団体向けの著作権等管理プログラムを用意。ミクシィによる審査を受けて管理プログラムのIDを取得した企業は、専用の管理ツールで動画をチェックでき、プログラムを通じて通報された不正なコンテンツはミクシィが優先して警告や削除、アカウント停止といった対応を行なう。
ユーザーから通報を受けた不正コンテンツについても、権利者の確認を行なった上で警告や削除などの対応を行なっていく。ただし、「mixi 動画はコミュニケーションのためのサービスであり、動画もリアルタイムに流れていく必要がある」との考えから事前審査は行なわない。代わりにサポート体制の強化を図り、独自の動画チェックアルゴリズムを作成するなど一定のルールに従って巡回を行なっていく。
また、「動画はあくまで友人とのコミュニケーション手段」のため、アップロードされた動画を一覧表示するページはサービス開始当初時点では用意されない。笠原氏は「動画機能は弊社としても初の試みであり、まずはプレミアム会員に開放しなから少しずつ対応を進めていく」との姿勢を示した。
■ mixi モバイルは携帯電話での料金決済に対応予定
携帯電話から利用できる「mixi モバイル」は、携帯電話からの招待やメッセージ送受信などの機能拡充により、携帯電話からの登録ユーザー数は対応開始日から3日で10万を突破したほか、モバイルのPVも1日あたり1億PVを突破するなど好調。携帯電話事業者との提携も進めており、KDDIのauでは2006年12月24日から公式サイトとして登録されたほか、NTTドコモでも2月5日より公式サイトとして登録される予定という。
なお、mixiは既存会員からの招待でのみ入会できる招待制のため、公式サイトからアクセスした場合も既存会員でなければmixiモバイルを利用できない。笠原氏は「招待制を変更する予定はないが」と前置いた上で、「招待制のサービスが公式サイト入りするのは初めての事例ではないか。公式サイトとなることで発生するコストもなく、ユーザーへの導線が増えるという点からも『まずはやってみよう』と考えて対応した」と語った。
また、公式サイトに登録したことで、携帯電話を使った決済サービスの対応も視野にあるという。携帯電話独自で独自に決済するサービスは現在のところ予定していないが、まずはmixi プレミアムで携帯電話の料金決済に対応していく方針。なお、ソフトバンクモバイルの公式サイトへの対応は「相手のある話」と断った上で、「現時点で公表できる話はない」とした。
■ 広告単価の向上に意欲。動画広告も対応を予定
広告による収益は順調に伸びており、一部では広告の効果も高まっていることから、料金設定の見直しも予定する。笠原氏は「特にモバイル広告が伸びている」と説明した上で、「Yahoo! JAPANの1PVあたりの広告単価は0.2円から0.04円と聞いている。mixiはまだまだ単価が低いので、広告効果を高めることで単価も向上させていきたい」と意欲を示した。
mixi 動画でも、動画を活用した広告展開を導入する予定。笠原氏は「動画そのものが広告という手法や動画に広告を挿入する方法、動画コンテンツに課金する方法などがあるのではないか」との案を示した上で、「動画広告の内容や時期は現在のところ未定」とした。
■ URL
決算短信
http://mixi.co.jp/ir/library.html
ミクシィ
http://mixi.co.jp/
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(甲斐祐樹)
2007/01/30 19:19
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