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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
「SkypeFind」「Skype Prime」を搭載したSkype 3.1正式版が公開

Skype 3.1正式版
 スカイプ・テクノロジーズ S.A.は、Skypeの最新バージョン「3.1」の正式版を3月15日に公開した。15日には記者発表会も開催され、スカイプのジェネラル・マネージャーを務める岩田真一氏と、ブログ「Going My Way」のkengo氏が3.1の新機能を紹介した。

 Skype 3.1では、新たに「SkypeFind」「Skype Prime」という2つの新機能を搭載。SkypeFindは、Skype上でユーザーが共有できる電話帳機能で、レストランや花屋などの店舗情報を共同で編集できる。Skype Primeはユーザーが自ら課金できる音声サービスで、英会話や恋愛相談といった音声サービスをユーザー間で提供できる。

 SkypeFindは2月21日に公開された3.1のベータ版で、Skype Primeは3月8日に公開された3.1ベータ版のアップデートですでに実装されていたもの。3.1正式版の公開に伴い、SkypeFindは正式サービスとして提供するが、Skype Primeについては引き続きベータ版として提供する。


SkypeFind ベータ版提供のSkype Prime

SkypeFindは「Wiki電話帳のようなもの」と岩田氏

スカイプのジェネラル・マネージャーを務める岩田真一氏
 SkypeFindは、店舗の名前や電話番号、住所、郵便番号といった情報に加えて、「すごくオススメ」「オススメ」「イマイチ」という3段階の評価やコメント、任意のキーワードによるタグが付与できる。登録された情報は他のユーザーも編集が可能であり、岩田氏はSkypeFindを「Wikiのような電話帳であり、リリース前は社内でも“Wikiイエローページ”と呼んでいた」と説明した。

 登録はSkypeFind専用タグに加えて、SkypeOutの発信画面やコンタクトリストからも登録できる。また、検索結果が見つからない場合は、自分が知りたい店の情報に関するオープンチャットを作成し、オープンチャットのリンクをSkypeのムードメッセージに表示することもできる。

 SkypeFindの画面では、コンタクトリストに登録している他ユーザーが作成したSkypeFindの情報を自動的に表示。また、ユーザーの3段階評価とその情報へSkypeOutで発信された回数を組み合わせたランキング情報も準備中という。

 SkypeFindを利用したキャンペーンも7月まで実施。毎月最もSkypeOutで通話された項目の登録者には77,500円が振り込まれるほか、週のトップ10を登録したユーザーにも400円相当のSkypeクレジットをプレゼントする。

 岩田氏によれば、ベータ版の公開から約2週間ほどで約4,500のSkypeFind情報が登録されており、正式版のリリースによって登録情報は5,000に達したという。岩田氏は「ベータ版の時はSkypeFindをほとんどプロモーションしていなかったが、今後大々的にプロモーションしていくことでますます増えていくだろう」とコメント。「全世界で1億7,100万の登録ユーザーがいるSkypeであれば、コミュニティを自ら形成できるのではないかとかねてから議論しており、それを具現化した一例がSkypeFindだ」とした。

 現在のところSkypeFindによる収益は見こんでおらず、「まずはユーザーたちが自分で欲しいサービスを作り上げて欲しい」(岩田氏)。ただし、SkypeFindの情報が充実していくにつれ「企業がそこに価値を見出すのは間違いない」との展望を示しつつも、「広告を出すとしても、広告であることを明示するなど、ユーザーにとって不自然でない形にしたい」との考えを示した。


SkypeFindの概要 オープンチャットやコンタクトリストを使ったコミュニティを形成できる

友達が登録したSkypeFind情報を通知 他のユーザーが作成したSkypeFind情報を編集できる

Skype Primeがボイスのロングテールを生み出す

Skpe Primeの概要
 Skype Primeに関しては、「提供側からすれば自分のスキルや知識を有料で提供できる。使う側からすればSkypeが単なるコミュニケーションツールではなく、より詳しい情報にアクセスできるツール」と説明。「ロングテールという言葉が流行したが、これはまさにボイスのロングテールではないか。非常にニッチだけれど深い知識が欲しいという人に適したサービスだ」と期待を示した。

 Skype Primeを利用する場合、情報提供側はPaypalの登録が必要となる。Paypalは3月9日よりサイトが日本語に対応したために日本語での利用が可能になったが、日本円での決済には対応していないため、ドルやユーロなどを使って決済する必要がある。情報の受け取り側は、SkypeOutなどで利用するクレジットを使ってSkype Primeを利用できる。

 料金設定は1分ごともしくは1回ごとで設定でき、金額も提供側が設定できる。利用する際は初めにSkypeでの音声通話を開始し、情報提供者が利用者へ課金の開始を通知。利用者がそれを受け入れることで課金がスタートする仕組み。通話を開始した時点では課金は発生せず、利用者のSkypeクレジットが無くなった場合には提供者、利用者ともにその旨を通知。無料で通話を続けるか、通話を終了するかを選択できる。

 情報提供者向けのブログパーツも用意。専用サイトからHTMLを取得し、ブログやホームページなどに設置することで、自分が作成したSkype Primeをプロモーションできるほか、ブログパーツからSkype Primeを開始することもできる。

 提供側が設定した料金のうち、30%はSkypeの利用手数料として徴収される。スカイプではこの手数料を固定電話との接続料以外での収益として期待しているという。

 なお、Skype Primeでは税金や法律のアドバイスなどは法律面から利用できないほか、プロフィールが18才以下に設定されているユーザーも利用できない。違法なSkype Primeについてはユーザーの通報を受けた段階で直ちに対応するとしており、日本語での通報もサポート体制を整えているという。


提供側の利用方法 利用側の開始方法

Skype Primeのデモ。情報提供側が料金プランなどを設定する 利用側が受け入れると課金を開始

定額サービス「Skype Pro」の日本導入も積極的に検討

入力中表示機能
 3.1ではSkypeFind、Skype Primeという新機能に加えて、相手がチャットメッセージを入力中であることを表示する「入力中」表示機能が追加された。相手がメッセージを入力している時には鉛筆のアイコンが表示されるほか、メッセージを削除しているときには消しゴムのアイコンが表示される。

 欧州などで開始された定額プラン「Skype Pro」の日本展開についても方針が語られた。Skype Proは月額2ユーロ(欧州の場合)を支払うと国内通話が固定電話との接続料のみで利用可能になるサービス。日本でもSkype Pro導入を視野に入れ、SkypeOutで接続料を別途課金する方式を採用していたが、Skype Proの日本導入については明らかにされていなかった。

 岩田氏は「Skype Proの導入に関して、法律的に問題はないということは確認できた」とした上で、「日本の固定電話は北米に比べると非常に高い。欧州の月額2ユーロは非常にインパクトのある数字だが、日本では同額に設定すると赤字になる」とコメント。「日本で収益を含めた料金を設定するとあまり安くは見えず、ユーザーに対してメリットがないかもしれない」と断った上で、「難しい問題ではあるが、キャリアに閉じない定額のサービスというのは日本ではまだ登場していない。定額の利点を訴求できるようなリーズナブルな値段設定を考えている」と語った。


関連情報

URL
  Skype 3.1
  http://www.skype.com/intl/ja/download/skype/windows/

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(甲斐祐樹)
2007/03/15 14:44
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