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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
インデックスHD、シナジーで日活映画を世界に売り込むエンタメ戦略

インデックスHD会長兼日活会長の落合正美氏
 インデックス・ホールディングス(以下インデックスHD)は10日、グループ参加の日活株式会社のラインナップ発表会を開催。2007年~2008年の日活作品を紹介するとともに、インデックスHDにおけるエンタメ部門の事業戦略説明を行なった。

 挨拶に立ったインデックスHD会長兼日活会長の落合正美氏は、「日活を買収するにあたっては多くの方から『絶対にうまくいかない。失敗する』と言われた」と延べ、事業面でプラスとは周囲に受け止められなかったことを示唆。日活のラインナップ発表会も、実に19年ぶりだという。しかし、「日活の持っている制作能力と多くのコンテンツを評価した。今後はグループのシナジーを活かして新しい価値、新しいコンテンツを生み出していきたい」として、インデックスHDの海外市場も含めた事業事業において、日活の持つコンテンツとコンテンツ制作能力を最大限活用していく方針を述べた。


古い業界に風~この10年でエンタメ業界の再編が起こる

左からインデックスHD椿社長、インデックスHD落合会長、日活の佐藤社長
 次にインデックスHDの椿 進社長が登壇し、インデックスHDのエンターテイメント事業の事業方針説明を行なった。モバイル、ソリューション、エンターテイメントが、インデックスHDの「3つの輪」だが、売上げでは現在すでにエンターテイメント事業が一番大きくなっており、全体で1,200億円弱の売上のうち約半分をエンターテイメント事業が占めるという。

 インデックスHDは携帯電話関連事業やソリューション事業で海外へも事業展開しているが、「携帯電話は国内では約1億台だが、世界では25億台だ。数年後にはこれが35億台規模に拡大すると予測されている」と延べ、海外市場での伸びしろを強調。「世界での事業展開を見据えたい。日本のアニメやゲームなどのコンテンツは海外でも引き合いが非常に多い。日本の映画はそれに比べると、まだ海外にさほど出ていないがこれからもっと売り込んでいく。コンテンツ事業をやっていく上では、自社でコンテンツを持っているということが非常に重要だ。知的著作権もきっちり押さえて世界規模で発展していきたい」と述べた。

 また椿社長は、日本のエンターテイメント市場について「業界再編がこの5年10年で起こる。日本のエンタメ事業は映画、出版など古い業界。われわれは別の業種から来た強みを活かして、業界に風を起こす改編の種を撒きたい」として、デジタル化・国際化の波を受けた業界再編に向けた意気込みを述べた。


インデックスグループ事業の3つの輪「エンタメ」「モバイル」「ソリューション」 インデックスHDでは、タカラトミー、アトラスも傘下におさめ、自社のコンテンツを拡充させてきた

 最後に、大映のプロデューサー出身という日活の佐藤直樹社長が登壇し、新生日活をアピールした。佐藤社長は「映画プロダクツNO.1」「作品収益率NO.1」「作品展開力NO.1」と、3つの分野でナンバーワンを目指すと述べた。

 「映画プロダクツNO.1」では、制作事業、ものづくりでナンバーワンになると延べ、大ヒットとなった映画「デスノート」のように、日本テレビから受託して制作する“下請け”の立場で制作するものも含めるとした。「作品収益率NO.1」「作品展開力NO.1」では、グループ全体のシナジーによってワンソースを最大に活かすことで、映画1本の収益性を徹底的に高めることを目指すと述べた。

 日活では2007~2008に公開・制作するラインナップとして、2009年春公開予定の「ヤッターマン」など16タイトルを披露。「科学忍者隊ガッチャマン」の実写映画化もその中であわせて発表した。

 なお、インデックスHDでは10日付けで、タツノコプロが著作権を有するアニメーション直作物の映画、その他映像化に関する許諾窓口業務を行なう「TCC有限責任事業組合(LLP)」設立を発表した。海外展開をにらみ、許諾窓口を明確にしてコンテンツ流通を促進させるねらいだ。


2009年春公開予定の「ヤッターマン」実写版。メカとキャラクターデザインは寺田克也氏が手がける 「科学忍者隊ガッチャマン」の実写化決定が発表された 大ヒットとなった「デスノート」のスピンアウト作「L」。デスノートの主人公に迫る探偵Lにスポットを当てた作品

ビッグコミックスピリッツの人気連載「奈緒子」の映画化作品。テレビドラマ「のだめカンタービレ」で人気を集めた上野樹里を主演に起用 ゆるい感覚で口コミ的に人気が広がった「かもめ食堂」の荻上監督と、小林聡美、もたいまさこの新作「めがね」 2004年度函館港イルミナシオン映画祭でシナリオグランプリ受賞作を映画化する「あたしが産卵する日」。夏帆を主役に起用

関連情報

URL
  日活.com
  http://www.nikkatsu.com/
  インデックス・ホールディングス
  http://www.index-hd.com/


(工藤ひろえ)
2007/04/10 15:17
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