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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
KDDI決算、au好調で増収・営業増益、固定は2010年度までに黒字

KDDIの小野寺正社長

2007年3月期連結決算の概要
 KDDIは24日、2006年度(2006年4月~2007年3月)の連結決算を発表した。移動通信事業が引き続き好調で、固定通信事業の営業損失を吸収した結果、営業収益は前年度比9.0%増の3兆3,353億円、営業利益は16.2%増の3,447億円と2年連続で増収・営業増益を達成した。経常利益は19.4%増の3,509億円、純利益は2.0%減の1,867億円だった。

 事業別では、移動通信事業(au+ツーカー)が業績を牽引、売上高は前年度比6.7%増の2兆6,774億円、営業利益は8.8%増の3,857億円と順調に推移した。2007年3月末における契約数のシェアが29.1%だったほか、携帯電話の番号ポータビリティー制(MNP)で81万6,000の純増を獲得したことにより、2006年度の純増数シェアは55.8%と業界で最も高かった。

 固定通信事業については、メタルプラスの拡販とパワードコムの合併などにより、売上高は前年度比15.3%増の7,144億円の増収、営業利益は490億円の赤字だったが赤字幅が前年度から123億円縮小した。メタルプラスの3月末累計契約数は281万で前年の179万から順調に推移、2007年度には320万契約を目指すという。一方、FTTHの累計契約数は、2007年1月に東京電力のFTTH事業を統合したことにより前年の16万から59万に増加、2007年度は90万契約を見込む。なお、固定通信事業の営業損益は、「613億円の赤字だった2005年度が底の予定」(KDDIの小野寺正代表取締役社長兼会長)としている。

 設備投資については、auの2GHz帯への投資に加え、FTTH加入者宅内へのドロップケーブル引き込み工事の費用などFTTH事業への投資増加などにより、2006年度の4,385億円から2007年度は5,000億円に達する見込みだ。

 2007年度の業績見通しとしては、売上高が3兆5,000億円(前年度比4.9%増)、営業利益が3,900億円(同13.1%増)と予想。移動通信事業では、MNPなどによる契約数増加により、営業収益は4,380億円(同13.6%増)と大幅増益を見込む。一方、固定通信事業の営業利益は、FTTH事業への投資の影響で560億円の赤字となり、前年度よりも赤字幅が拡大すると予想した。なお、2007年7月にはCATV大手のジャパンケーブルネットを連結子会社化することを予定しているため、2007年度の業績見通しへの影響として、売上高326億円、営業利益10億円が織り込まれている。


移動通信事業(au+ツーカー)の業績 固定通信事業の業績

メタルプラスの取り組み FTTHの取り組み

2010年度までの経営計画「チャレンジ2010」、新事業で売上拡大図る

新経営計画「チャレンジ2010」の概要

「チャレンジ2010」の位置づけ
 また、決算会見でKDDIの小野寺社長は、2010年度までの経営計画「チャレンジ2010」を発表。2010年度の目標として、売上高4兆円、営業利益6,000億円を掲げ、「KDDIは成長し続ける企業であるというイメージを与えたい」と意気込みを語った。

 チャレンジ2010では、主力事業である消費者向けモバイル事業の増収増益基調を保ちながら、FTTH事業を推進して固定通信事業を黒字化する。また、固定網と移動網に加えて放送サービスとの連携を図るFMBC(Fixed Mobile and Broadcast Convergence)を展開するとともに、新たな事業領域にも先行投資を行なうという。

 新事業領域としては、移動通信や固定通信など現在のインフラベースを拡大して、他社とのコラボレーションを図るほか、顧客との接点を増やして、コンテンツ・メディアビジネスを強化することなどが挙げられた。コンテンツ・メディアビジネスでは、広告やECサイト、回収代行など従来の業務に加えて、携帯向けネット銀行などの新サービスを展開して流通総額の拡大を狙う。

 モバイル事業では、CDMA 1X WIN方式の機能拡張版である「EV-DO Rev.A」に対応する端末を拡大するほか、ネット銀行サービスなどの付加サービス投入によりARPUを底支えする。インフラについては、詳細は検討中という「ポストRev.A」システムを2010年度までに商用化させる考えを示した。

 固定通信事業としては、FTTHの加入者向け映像配信サービスなどを強化。中長期的には首都圏の提供エリアでシェア30%を目指し、2010年度までに固定通信事業の黒字化を図る。FTTH事業の課題としては、「KDDIにはFTTHでなければ享受できないサービスが少ないことが問題。市場では薄型テレビが普及しているが、ハイビジョン対応の映像配信サービスなどを充実させる必要がある」と分析した。

 このほか、消費者向けのFMBC分野では、auショップで固定通信サービスのクロスセルを推進し、auをベースにFMBCを展開する。また、すでに提供されているデジタルラジオのビジネスモデルを他の放送媒体に広げる考えも示した。

 チャレンジ2010について小野寺社長は、「auが比較的順調という見方をされていて、会社が目標を失う可能性がある。売上目標の4兆円は、現状のままで達成できないのは間違いなく、新たな事業領域で売上を増やさなければならない。(チャレンジ2010は社員に)危機感を抱かせるための1つの手段でもある」と話した。


関連情報

URL
  KDDI投資家情報
  http://www.kddi.com/corporate/ir/index.html

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(増田 覚)
2007/04/24 19:47
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