ソネットエンタテインメント(So-net)は10日、2007年3月期(2006年4月~2007年3月)の業績を発表した。ブロードバンド会員数は前期から18万件増加して、101万件となった。
■ 営業利益が前期比418.6%の伸び。So-net単体の営業利益が黒字化
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So-netの吉田憲一郎 代表取締役社長
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連結業績は、売上高・営業利益・経常利益で過去最高の数値を達成。売上高は前期比13.6%増の480億6,600万円で、事業別では接続事業が16.6%増の323億8,700万円、ポータル事業が7.8%増の156億7,900万円。営業利益は418.6%増の33億3,800万円、経常利益は288.0%増の32億2,900万円。純利益は前期に株式売却益があったため、79%減の22億800万円となった。
また、So-net単体業績では営業利益が9億6,500万円と単独での黒字化を達成。同社の吉田憲一郎 代表取締役社長は、「FTTHによる接続事業の成長と、集中と選択によるポータル事業の利益率改善が主な要因」と説明した。なお、単体の売上高は403億2,700万円、経常利益は8億800万円、純利益は19億1,200万円。
So-net総会員数は324万人で、前期から21万人の増加。ブロードバンド会員は18万件増の101万件で、100万件の大台を突破した。内訳は、FTTH会員が19万件増の47万件、ADSL会員が1万件減の54万件だった。同社では2008年3月末のブロードバンド会員数を14万件増の115万件と見込んでいる。
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2007年3月期(2006年度)の連結業績
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ブロードバンド会員数の推移
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■ テレビ王国でCGM機能を提供予定。イー・モバイルのMVNOは継続検討中
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2008年3月期(2007年度)の業績とブロードバンド会員の見通し
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2008年3月期の連結業績見通しは、売上高が8.2%増の520億円で、内訳は接続事業が14.2%増の370億円、ポータル事業が4.3%減の150億円。また、営業利益は31.8%増の44億円、経常利益は48.7%増の48億円、純利益は17.7%増の26億円を予想している。
同社では接続事業を、安定したキャッシュフローを産み出す事業として位置付け。吉田社長は「2007年3月期は12MbpsのADSLサービスがヒットしたほか、FTTHではひかりone対応サービスも開始できた」と説明。販路に関しては、「以前と比べれば、ユーザーが直接Web申し込みしてくれる時代ではなくなっている。このため、店頭などのプロモーションなどを通じて、FTTH会員を継続して獲得していきたい」と語った。なお、2005年にイー・アクセスと合意したモバイル事業に関するMVNOについては、「引き続き、検討作業を行なっているところ」だという。
ポータル事業に関しては、営業力の強化と商材の拡充を進める。広告分野では「ゲーム内広告へのチャレンジ、So-net PhotoやSo-net buzzmapなどで広告商品を育てていければ」と見通しを語った。また、ソリューション分野ではB2Cビジネスを基盤にする考えで、5月16日に販売を開始する「So-net SNS for Biz」をはじめ、CGMツール群の企業向け販売を行なっていく。
同事業では加えて、キャラクターやアジアエンターテインメント、テレビ番組表などでコンテンツ拡充を行ない、広告や課金、ECを拡大させる。このうち、iEPGサービス「テレビ王国」は、USB接続型ワンセグチューナーの市場拡大によるサブライセンス収入が増加したという。吉田社長は「テレビ王国ではサイト内広告の強化を狙っている」としたほか、CGMツールを活用したユーザー参加型サービス機能を追加する考えを示した。
吉田社長はその上で、「2007年3月期は収益体質を強化すると同時に、これから進むべき道を定めた年だった」と発言。「中期事業計画の初年度にあたる今期は、しっかりと準備を整え、当社がビジョンとして掲げるネットワークエンタテインメントの拡充を進めていきたい」と抱負を語った。
■ URL
投資家情報ページ
http://www.so-net.ne.jp/corporation/IR/index.html
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(村松健至)
2007/05/10 13:22
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