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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
インターフェイス刷新やCMS機能などを強化した「Movable Type 4」

 シックス・アパートは、ユーザーインターフェイスを刷新したブログツールの最新版「Movable Type 4」日本語版を7月18日に出荷すると発表した。個人利用は無償。また、出荷に先立って、6月5日から公開ベータテストを開始した。


CMS/コミュニティ機能を強化。ブログ以外のページも作成可能に

Movable Type 4の特徴。また、ロゴデザインも変更された
 Movable Typeはサーバーインストール型のブログツールで、今回発表された「Movable Type 4」は2004年に発表した「Movable Type 3」以来のメジャーバージョンアップを実施。「ユーザーインターフェイス(UI)の全面刷新」「CMS機能の強化」「コミュニティ機能の実装」の3つを軸に機能強化が行なわれている。

 UI面では、色やメニューデザインなどを見直し、プルダウンメニューによる機能呼出に対応したほか、Ajaxも取り入れた。複数のブログを管理している場合には、プルダウンから1クリックで切り替えが可能になった。また、複数ブログのコメント・トラックバックを一括して確認できる機能では、期間指定などのフィルタによるソートもできる。コメントの返信に関しても、管理画面上から投稿できるようになったという。

 ブログ記事の投稿に関しては、WYSIWYGエディタの標準搭載、画像やファイルのアップロード・管理が可能なファイルマネージャを実装した。なお、バージョンアップ前のアップロードファイルについては、ファイルマネージャに反映できない。このほか、記事執筆中の自動保存機能も用意している。


ユーザーインターフェイスを刷新し、Ajaxに対応 複数ブログを横断したコメント・トラックバック管理が可能に ファイルマネージャも新たに実装

静的なWebページを作成可能に
 CMS機能では、カテゴリ別アーカイブやトラックバックなどのブログ要素を必要としない静的なWebページを作成できる「ウェブページ管理機能」を追加。シックス・アパートでは、同機能によって、Webサイトのページ全体をMovable Type上で管理できるようになるとしている。また、Webページ作成時にもWYSIWYGエディタやMTタグ(Movable Type 3完全互換)が利用できる。

 テンプレート編集は、従来のページ単位から、各パーツをモジュール化したものへと変更。コメント欄などモジュール単位での編集が可能になり、各テンプレートに記述されたモジュールを自動検出する機能も用意した。

 加えて、複数ブログをまとめたポータルサイト構築、画像やファイルを含めたブログの完全バックアップ機能を追加。今後は、デザインテンプレート共有機能やテンプレートのバージョンコントロール機能も順次追加するとしている。

 コミュニティ面では、ブログへのコメント投稿者に記事投稿権限を付与できる機能によって、ブログ上のコミュニケーションを促進させる。また、Open ID認証にも対応し、同IDを利用したMovable Typeへのログイン・コメント投稿が可能になった。

 このほか、複数のプラグインをまとめて一括して導入できる「機能パック」も新たに実装。2007年秋に公開を予定する「Movable Type Enterprise」の次期バージョンも、Movable Type 4をベースに「エンタープライズ・パック」を追加する形で提供を進める考えだという。

 また、ブログ投稿者のプロフィール紹介ページ、記事へのレーティング機能、人気記事のランキング機能などをパック化した「コミュニティ・パック」の有償提供も、2007年秋を予定している。なお、各種パックはシックス・アパート以外の企業などからも提供できるとしている。


テンプレートはモジュール単位で編集できる コメント投稿者に対して、記事投稿権限の与えることも可能になった 2007年秋に提供を予定するエンタープライズ・パックの概要

Movable Typeの個人実績は50万人規模。今後はスパム判別サービス提供も

シックス・アパートの関代表取締役
 Movable Type 4の利用料金は、個人ライセンスが無償。法人向けは、基本ライセンスパック(1サーバー・5ユーザー)が52,500円から、バージョンアップ基本ライセンスが21,000円からで、技術サポートは1IDごと年額10,500円になる。また、一部機能を制限した開発者向けのオープンソース版に関しても、米SixApartが2007年度第3四半期の提供に向けて準備を進めている。

 製品出荷日は7月18日を予定するが、公開ベータテスト期間中に寄せられたフィードバックによっては若干ずれる場合もあるとしている。このほか、6月5日から7月17日の期間で、Movable Type 3の基本ライセンスパック(31,500円)を購入したユーザーを対象に、Movable Type 4に無償バージョンアップできるキャンペーンも実施される。なお、Movable Type 3のサポート期間は、Movable Type 4公開から1年後に終了するという。

 Movable Type 4の発表に合わせて行なわれた説明会の席で、シックス・アパートの関信浩 代表取締役は国内におけるMovable Typeシリーズの現状を説明。「個人向けでは3年間で50万回規模のダウンロードが確認でき、企業向けの『Movable Type Enterprise』では1年間で数万規模のインストール実績がある」と、これまで言及していなかったMovable Typeの利用実績を明かした。

 その上で、「今後も同程度の伸びか、若干の上昇を期待している」とコメント。また、「従来はMovable TypeとMovable Type Enterpriseの2本立てでサービスを提供していたが、今後はMovable Type 4をベースにパック形式でサービスを展開していく」と語り、「パックのバリエーションが増えるに従って、ライセンス数も伸びていくのではないか」と見通しを示した。なお、マスコミやマーケティング会社、eコマースサイト向けのパック提供も検討しているとした。

 また、製品説明を行なった製品企画担当 執行役員の金子順氏は、Movable Typeのスパム対策状況に関して、「現在、米SixApartでスパム判別サービスの開発を進めている」と語った。「当社のサーバーでスパムを判別をするAPI型のサービスで、リリース時期は未定だが遠くない将来にMovable Type 4向けにも提供したい」とした。


Movable Type 4の料金体系 Movable Typeの利用動向 Webサービス/CMS/コミュニティの3方に対する機能強化が実施された

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.sixapart.jp/press_releases/2007/06/05-1430.html

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(村松健至)
2007/06/05 17:40
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