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マイクロソフト、MSNメッセンジャーの最新プレビュー版を公開
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マイクロソフトは6月19日、インスタントメッセージング(以下IM)ソフトの最新バージョン「MSNメッセンジャー Version 6.0」(以下MSNメッセンジャー6)のプレビュー版をリリースした。カスタマイズ機能やアプリケーション機能の追加など、IM上で楽しめる機能を大幅に拡充している。
■ IM相手とカスタマイズ状態の共有が可能に
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MSNメッセンジャー6の画面
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今回加えられた機能を解説すると、まずIM部分では、これまで静止画ベースだった絵文字が動くようになったほか、基本的なバリエーションも43種類から60種類に増加している。ユーザーが自分で用意した画像をアイコンとして登録できる点も特徴だ。自分の顔やペットなど好みの画像を、ファイル転送などの操作をすることなく、ひとつの絵文字としてテキストチャットに使用できる。
また、Windows XPのユーザーアカウントと同じように、ユーザーごとに自分を象徴するアイコンを設定可能だ。あらかじめ用意された11種類のほか、オンラインからダウンロードしたり、自分で作成した画像も使用できる。設定したアイコンは会話画面で、自分のものと相手のものの双方がチャットログの右脇に表示される。会話中にアイコンを変更した場合でも、即座に相手側のウィンドウでも反映されるのが特徴だ。
さらに、カスタマイズ機能の一環として、会話ウィンドウの背景をカスタマイズする機能も用意されている。Windowsの壁紙を変更するのと同じ感覚でダウンロード画像や手持ちの画像を利用可能。背景の共有機能も用意されており、会話相手に自分の設定している背景を送信、そのまま相手側の壁紙に設定することもできる。
なおMSNメッセンジャー6では、画像ファイル送信時のプレビュー機能を備えている。画像ファイルの送信を打診された場合、受け取り側は「承諾」「拒否」を選択する前に、チャットウィンドウに表示された送信画像のサムネイルを閲覧できる仕組みだ。この機能は壁紙共有機能にも搭載され、相手が共有を打診した壁紙画像をプレビューできるようになっている。
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アイコンの変更画面
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背景変更の承諾を行なったところ
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■ 動画チャットを標準で搭載、IM上でのアプリ利用も実現
動画関連機能も強化されており、Version 5.0ではアドオンのインストールをしなければ利用できなかったWebCam機能が、標準でサポートされている。この機能は、Webカメラの動画を複数の相手にリアルタイムで送信できるもの。Windows XP版のみに提供されているビデオチャットと比較すると音声は送れないものの、P2Pのビデオチャットに対してサーバーを経由する仕組みとなるため、ポート設定などネットワーク環境による制限を受けにくい。このため、ビデオチャットより多くのユーザーと動画のやりとりができること、対応OSすべてのバージョンで利用できること、Codecおよび通信方法の違いにより、動画の画質(なめらかさ、色合い)が優れていることなどの相違点が挙げられる。実際、ビデオチャットの動画とWebcamのそれを比較してみたが、フレームレートや圧縮率がかなり異なる印象で、画質面ではWebcamのほうが有利だ。
なお、6.0ではサーバーのチューニングにより、ポート設定、UPnPの対応状況などユーザーのネットワーク環境に起因する問題が大幅に改善されているという。マイクロソフトでは、より多くのユーザーが音声チャットやビデオチャットを利用できるようになるとしている。
今バージョンの新機能の目玉とも言えるのが、アプリケーション機能だ。これはメッセンジャー上で動作するプラグインのようなもので、ゲームやユーティリティなどいろいろなアプリケーションが想定できるという。メッセンジャーのウィンドウ内で実行されるため、チャットをしながらゲーム、といった使い方も可能だ。プレビュー版には、「井」の形をしたマス目に○か×のマークを3個並べた方が勝者となる古典的なゲーム「○×ゲーム」が組み込まれている。
このアプリケーション機能について、マイクロソフトでは開発キット(SDK)を配布する予定で、サードパーティがアプリを公開したり、ユーザーが自作することも可能になる。
このほかの変更点として、会話のログを相手別にXMLファイルに保存する「メッセージロギング機能」の追加や、相手がWebカメラをパソコンに接続している場合、その状態をアイコンで通知する機能の追加、タブレットPCで入力した手書き文字を送受信可能になったことなどが挙げられる。
最後に、Windows XPに標準添付されているIMソフト「Windows Messenger」と、MSNメッセンジャーの相違点にも触れておきたい。Windows Messengerは、Windows Server 2003で構築された社内ネットワークでの使用も考慮された、いわば法人向け用途も含んだ総合的なIM環境のクライアントという位置付けだ。Windows Server 2003環境を利用することで、社内ネットワーク上では.NET Passportへのログインなしで利用できるほか、メッセージログがサーバー側で保管されるなど、法人用途向けに特化した機能を提供する。これに対しMSNメッセンジャーは、同社のポータルサービス「MSN」および.NET Passportサービスをベースにした、コンシューマ向けのIMソフトという位置付けとなる。
それぞれ異なる用途を想定しているため、Windows XP環境にMSNメッセンジャーをインストールしてもWindows Messengerが削除されることはなく、両ソフトが共存する形になる。社内の情報伝達ツールとしてWindows Messengerを利用し、同時にインターネット上のユーザーとやりとりするためにMSNメッセンジャーを使うことも可能としている。
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WebCam機能は低速でも比較的良好な画質が得られる
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アプリケーション機能のゲーム
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MSNメッセンジャー 6の対応OSはWindows XP/2000/Me/98で、今バージョンよりWindows NTには対応していない。マイクロソフトのホームページより無料でダウンロードできる。6月18日には、米Microsoftが同ソフトのプレビュー版英語バージョンをリリースしたが、これを追いかける形で日本語バージョンのプレビュー版もリリースされた。マイクロソフトでは、今回公開されたバージョンを「正式版に限りなく近い状態」だとしており、正式版までフィードバックを元にしたバグフィックスを重ねる予定で、以後の大きな機能追加などはない模様だ。なお正式版のリリースは7月中旬になる見通し。
■ URL
ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases03/nl_061903_MSN.asp
(伊藤大地)
2003/06/19 18:23
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