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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
J:COMが広告メディア事業を強化。角川と「J:COM Walker」創刊

J:COMの福田副社長
 ジュピターテレコム(J:COM)は14日、同社が持つ放送・通信サービスや番組ガイド誌などを連携させ広告メディア事業の強化を実施すると発表した。これに合わせて、エリア情報フリーマガジン「J:COM Walker」を8月に一部地域で創刊する。

 J:COMでは、CATVやインターネット、電話サービスを展開する中で、テレビ放送や番組ガイド誌などを広告媒体とした広告メディア事業をすでに手がけている。2006年度の売上高は36億円だが、同社では約2兆円規模の地上テレビ放送の広告市場と比較して、多チャンネル市場の広告市場には潜在性があると考えているという。同社によれば、全国の多チャンネル放送加入率は20%で、このうち、テレビにおける多チャンネル放送の占拠率が40%。これらの数値を、2兆円で乗算した数値を潜在売上と位置付け、地上テレビ放送の約8%にあたる1,600億円の売上が見込めるのではないかと推測している。

 また、広告市場全体では6兆円規模で横ばいが続いているが、新聞・雑誌・ラジオ・テレビのマス4媒体が前年割れの傾向にあると指摘。一方で、衛星メディアおよびインターネットは拡大傾向が続いており、同社では広告メディア事業に本格進出することで、従来の視聴者からの収入に加え、広告収入を新たな収益源の軸に育てたい考えだという。

 J:COMのサービスに加入する世帯数は、約270万件。同社調査によれば、地上テレビ放送と比較して、収入や趣味、消費意欲などで高い数値を示す割合が少なくなく、こうした利用者属性に応じた広告出稿が可能になるとしている。また、顧客別やエリア別のセグメント化が行なえるほか、番組ガイド誌やVODサービス、携帯電話を連携させたインタラクティブ広告も可能だという。

 特にVODサービス「J:COM オン デマンド」との連携例では、リモコン操作でクライアント企業のプロモーション映像が視聴可能で、画面上から資料請求や割引クーポンを取得できるQRコードの提示も行なえる。こうした誘導には、番組ガイド誌や封入チラシなどが利用され、同社では複数のメディアを活用しながら誘導を図る「レスポンス型クロスメディア」と定義している。このため、通常の複数メディアに同時露出・展開するメディアミックスとは異なるとしている。


多チャンネル放送の潜在広告市場を1,600億円と推測 J:COMの各メディアを連携させた誘導イメージ例

J:COM Walkerは8月25日に創刊予定。刊行地域も順次広げる
 8月に創刊する「J:COM Walker」は、J:COMと角川書店の出資子会社である「角川ジェイコム・メディア」が2006年に創刊したフリーマガジン「J:COM Clippie」をリニューアルするもの。J:COM さいたまとJ:COM 相模原・大和の両地域で、ガイド誌とともに利用者宅に送付するほか、街頭スタンドでの配布を行なう。それ以外の地域でも順次創刊準備を進めるとともに、J:COMチャンネルでのインフォマーシャルやWalkerブランドとの広告連携も視野に入れるという。

 J:COM 代表取締役副社長 最高執行責任者の福田峰夫氏は、「270万世帯の利用者と、当社が持つ放送やWeb、ガイド誌などのメディアインフラを活用した新たな広告ビジネスの柱を築きたい」とコメント。同社では、リクルートビジュアルコミュニケーションズ(RVC)の完全子会社化を発表しており、RVC社が持つノウハウも活用しながら、早期に100億円の広告売上を達成したいとしている。


関連情報

URL
  J:COM
  http://www.jcom.co.jp/
  J:COM Walker ニュースリリース(PDF)
  http://www.jcom.co.jp/ir/newspdf/20070614_ja.pdf
  関連記事:J:COM、リクルート子会社の全株式取得を決定[AV Watch]
  http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070606/jcom.htm

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(村松健至)
2007/06/14 19:04
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