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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
つなぐネット、IPv6利用のマンション向け緊急地震速報サービス「SCOOP」

SCOOPの利用イメージ
 つなぐネットコミュニケーションズは24日、マンション向けの緊急地震速報サービス「SCOOP」の提供を発表した。SCOOPを導入しているマンションでは、1戸あたり月額525円で利用できる。

 SCOOPは、気象庁が10月1日より一般提供を開始する緊急地震速報に対応したサービス。地震発生直後に震源に近い地震計でとらえたP波(地震初期微動)を解析し、S波(地震主要動)の予想到達時刻や震度を推定して通知する仕組みだ。

 地震速報の伝達には、同社がマンションに構築したFTTHを利用してIPv6マルチキャストにて行ない、気象庁から発せられた緊急地震速報を元にマンションごとに設置された地震解析装置を経由して各戸のインターホン向けに地震情報を配信する。インターホンは、松下電工またはアイホン製のインターホンに対応しており、緊急地震速報を画像のほか、地震の予告に加えて地震発生中や発生後に注意を促す内容の音声で通知する。

 つなぐネットコミュニケーションズ取締役の芝田典和氏によれば、緊急地震速報にIPv6マルチキャストを採用した点について、「IPv4でのユニキャスト配信と比較して遅延が少なく安定したネットワークを利用することで、速報性を向上させた」と説明。情報配信端末としてインターホンを採用した点については、「常時電源が入っている機器で、マンション内で一斉配信が可能なほか、マンションごとに対応を変化させることができる」と説明した。なお、SCOOPは新築マンション向けのソリューションとして提供するものの、既存マンションでもインターホンを対応する製品に入れ替えることで構築は可能だとしている。


SCOOPで利用する地震解析装置やインターホン 地震解析装置を19インチラックに組み込んだ状態 緊急地震速報受信時のインターホン表示

緊急地震速報の概要 SCOOPの概要 SCOOPの優位性

インターホンの音声による行動指示 IPv6マルチキャスト配信の概要 サービス提供料金

 また、SCOOPでは緊急地震速報の配信に加えて、マンション固有の地盤情報に基づいた地盤増幅率から通知する震度の補正を行なうほか、エレベータを最寄り階に自動停止させる、自動ドアを強制解錠するといったマンション共用部と連動も可能。マンションごとに運営されてる専用Webサイトでも地震情報の解析結果を公表する。このほか、マンションごとの防災マニュアルやDVDの作成から配布、防災セミナーや防砂訓練の実施なども行ない、防災意識やSCOOPの利用方法などの周知も行ない、マンション居住者の安全確保への対応を継続して行なうとしている。

 SCOOPの提供価格は、マンション1棟につき月額31,500円のほか、1戸あたり月額525円が必要。100戸のマンションの場合では、月額840円で利用可能としている。導入目標は、初年度で120棟/12,000戸、5年後には1,000棟/100,000戸での導入を目標としている。また、東京建物が今秋以降に販売開始を予定している「Brilliaシリーズ」で標準採用を発表しており、現在販売中の「Brillia有明」など4件への導入が決定しているという。

 SCOOPの提供開始にあたり、つなぐネットコミュニケーションズ代表取締役CEOの可部谷徹氏は、「SCOOPによって安心と安全を提供することで、社会に貢献したい」と意気込みを語った。また、SCOOPの監修を行なっている危機管理アドバイザーの国崎信江氏は「緊急地震速報を受けても、一貫した対応がなければ情報を活用することができない。つなぐネットコミュニケーションズと共に安心を提供するお手伝いを継続したい」と、防災に対する継続的な対応の必要性を訴えていた。


(左から)危機管理アドバイザーの国崎信江氏、つなぐネットの可部谷徹代表取締役CEO、芝田典和取締役 発表会では、SCOOPを利用したデモも行なわれた

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URL
  ニュースリリース
  http://www.tsunagunet.com/info/2007/0724_a.html

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(大久保有規彦)
2007/07/24 16:24
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