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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
@niftyが自社サービスAPIを公開。APIを利用したサービスも提供

@niftyウェブサービス
 ニフティが運営する@niftyは、@niftyが提供する各種サービスのAPIを公開する開発者向けサイト「@niftyウェブサービス」を8月8日に開始した。第1弾として「@nifty Timeline」「アバウトミー」「トピックイット」のAPIおよびAPIを利用したサービスが公開されている。

 「@niftyウェブサービス」は、インターネット関連のサービスやアプリケーション開発者を対象とし、@niftyで提供する各サービスのAPI仕様を公開するサイト。このAPIを利用することで、外部の開発者も@niftyの各種サービスに蓄積されたデータベースを活用したサービス、ソフトウェアの開発が可能になるという。

 第1弾として公開された3サービスは、「他社のAPI公開サービスと比べて独自性がある」との判断で選出。@niftyウェブサービスではAPIの仕様だけでなく、公開されたAPIを実際に利用してニフティの開発者などが開発したサービスも公開されている。


ユーザー参加型サービスのAPIを公開。APIを利用したサービス例も

APIを利用したサービスも公開
 @nifty Timelineは、ユーザーが投稿した記事を秒や分、週などの時間軸で表示できるサービス。APIを使って外部のサービスやアプリケーションからTimelineへの投稿・編集が可能になるほか、Timelineに投稿された時系列情報をXMLで取得することもできる。

 APIの活用例としては、Twitterへの投稿をTimelineにも自動で投稿する「Twitter 2 TimeLine」、ブラウザからブックマークを使ってTimelineに投稿できる「Timelineブックマークレット」、携帯電話からGPSで取得した位置情報も含めて投稿できる「Timeline mobile」などが公開された。Timelineを担当するサービスクリエーション部の浜中慶氏は、「Timelineの課題は更新を続けるモチベーション。これらのサービスでできるだけTimelineを手軽に更新して欲しい」と語った。

 アバウトミーは、ブログ向けのプロフィールサービスで、一問一答式の質問機能、ユーザー間での足あと機能などを搭載。APIではアバウトミーにこれまで蓄積されたプロフィール情報や質問などのデータをXML形式で取得できる。アバウトミーの質問件数は約1万件、回答数は約100万件(8月8日現在)。

 サービスの開発例としては、アバウトミーの登録情報を元に相性度を測定する「アバウトミー相性診断」、アバウトミーのユーザーの一言コメントを表示するMac OS X向けのスクリーンセーバー「アバウトミーひとことセーバー」、アバウトミーの質問に答えている時間帯を一覧表示する「アバウトミー活動時間帯」などを公開。また、Google マップと連動して自分やコンタクト登録したユーザーを地図上に表示するサービスも現在開発中だという。

 トピックイットは、気になったブログやニュースサイトなど任意のURLを登録して他ユーザーと共有できるサービス。API公開によりトピックイットに蓄積されたトピックやカテゴリ、コメントなどの情報をXMLで取得できる。また、サイトデザイン用に投稿ボタンなどのデザインパッケージも用意されている。

 APIの利用例では、トピックイットの注目トピックを一言コメント共有サービス「もごもご」でコメントできる「とぴとぴ」が公開されている。なお、これらAPIを利用したサービスはニフティ社員も開発に参加しているが、いずれも個人名義での参加であり、個人サーバーなどで運営している場合もあるという。


Tiwtterへの投稿を同時にTimelineへも投稿する「Twitter2Timeline」 2人の相性を判断する「アバウトミー相性診断」

トピックイットの注目トピックをもごもごに投稿する「とぴとぴ」 アバウトミーのユーザーデータを地図に反映するサービスも開発中

外部との連携で「NIFTY-Serve時代の流れをもう一度作り出す」

技術理事兼サービスビジネス事業副本部長の鈴木隆一氏

イノベーション・ラボゼネラルマネージャーの中泉隆氏
 今回のAPI公開について技術理事兼サービスビジネス事業副本部長の鈴木隆一氏は、「ニフティはNIFTY-Serveというパソコン通信の時代から、シェアウェア開発者との連携を重要だと考えていた」とコメント。「Google マップなどのWeb APIが広がっている中、ニフティとしてもAPIを公開して皆様にマッシュアップしてもらえる流れをもう一度作りたい。集合知を活用したサービスとして、ニフティだけでなくインターネット全体に貢献できるのではないか」との考えを示した。

 イノベーション・ラボゼネラルマネージャーの中泉隆氏は、「社内に閉じた環境では創造の限界がある」と認めた上で、「極論かもしれないが新しい発想やアイディアをユーザーが作る時代なのだろう」とコメント。「こうした流れの中、サービス開発側として何ができるかと考えた結果、魅力的なデータベースとAPIの公開にたどり着いた」とした。

 今回公開された3サービスは独自性に加えて、ユーザー参加型のサービスという点、開発の進行が早くフィードバックを反映しやすい体制になっている点を評価。「単にAPIを公開するだけでなく、外部のエンジニアとも積極的にコミュニケーションしていきたい」との方針を示し、外部の開発者も対象とした開発合宿や勉強会なども開催していくとした。

 今後は認証APIの公開についても社内で検討しているという。ただし認証APIはユーザーのさまざまなデータが結びついているため、セキュリティの面でも公開は容易ではないが、「どういう形での公開がいいか検討中であり、できるだけ早い時期に詳細をお知らせしたい」(中泉氏)。こうしたAPIの積極公開により、「エンジニアにとって刺激的で楽しい環境を用意したい」との考えを示した。


NIFTY-Serve時代もシェアウェア作者という外部と連携 API公開だけでなく外部エンジニアとのコミュニケーションも重要

開発合宿や勉強会も開催 認証APIも検討中

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.nifty.co.jp/cs/07kami/detail/070808003265/1.htm
  @niftyウェブサービス
  http://webservice.nifty.com/

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(甲斐祐樹)
2007/08/08 15:03
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