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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
公正取引委員会、「“0円”“無料”は誤解招く」

 公正取引委員会は、「インターネットサービスの取引に係る広告表示について」の調査結果と、これに伴なう「消費者向け電子商取引における表示についての景品表示法上の問題点と留意事項」の改定案を公表した。ADSL接続サービス関連広告の表示に関する問題を指摘し、これらを踏まえて、社団法人日本インターネットプロバイダー協会(以下JAIPA)に対して、会員事業者の表示改善指導なども求めている。

 公正取引委員会では、ADSL接続サービスの広告表示に関する一般消費者からの苦情・相談が急増している状況から、2002年12月〜2003年4月にかけて広告表示の実態に関する調査を実施。雑誌広告や折込チラシ、テレビCM、Webサイトなど広告表示の収集・分析や、関係事業者へのヒアリングなどを行なっていた。その結果、消費者の誤認を招くおそれのある表示が多く認められたという。

 公正取引委員会が、誤認を招きやすいと指摘した表示の概要は以下のとおり。

  1. あたかも常に最大通信速度でサービスの提供を受けることができるかのような表示
  2. 期間限定キャンペーン中に適用される価格の比較対照価格として、過去に適用実績のない価格など、根拠のない価格を示した表示
  3. 他社の価格との比較表示において、自社よりも料金の高い事業者のみ選択して比較することで、他社よりも安いように示す表示
  4. 適用範囲や条件、その他に要する費用等を明瞭に表示せず、“無料”“0円”など安さを強調する表示
  5. サポートセンターへの電話がつながりにくいにもかかわらず、電話サポートサービスの充実を強調する表示


 また、ADSL接続サービス自体が、技術的に急進している新しいサービスであることから、消費者と事業者との間で情報格差が広がりつつあることや、ADSL接続サービスの新規加入者が大幅な増加傾向にあり、加入者の年齢層も多岐にわたっていることを指摘。こうした状況から、不当表示を未然に防止し、かつサービス特性に相応した表示ルールの策定が重要だと指摘している。

 この調査を踏まえ、公正取引委員会では、「消費者向け電子商取引における表示についての景品表示法上の問題点と留意事項」の改定案を公表した。これは2002年6月に策定されたもので、ADSLなどブロードバンド接続サービスの商品説明に関して、条件による通信速度の低下の可能性や、サービス開始時期の遅れなどをわかりやすく示すことを定めている。ここに無料キャンペーンなどで実際に適用予定のない価格表示を行なわないことや、サービス比較を行なう際に客観的かつ適正な比較を行なうことなどを、改定版として盛り込む形だ。改定案はWebサイトで公表され、7月11日まで意見募集を行なっている。

 これに併せて公正取引委員会は、JAIPAに対して、インターネット接続サービスの広告表示適正化の要望を行なった。誤認を招く広告表示についての改善指導に加えて、ADSL回線利用サービス提供エリアに関する情報や、費用総額、費用構成などで明瞭な料金表示を行なうことを求めている。また表示基準の公正競争規約の策定の策定も含めて、表示の適正化への取組みを要請している。

 JAIPAはこの要請を受けて、自主的なガイドラインを作成し、会員を含むISP事業者に広く呼びかけていくことを検討している。ただ、今年1月にJAIPAなど通信関連団体と総務省、内閣府国民生活局、全国消費者団体連絡会などで発足した「電気通信消費者支援連絡会」で、この6月より、ADSLをはじめIP電話、携帯電話などを含めた電気通信サービスの広告表示に関する自主基準を策定するワーキンググループをすでに開始していた。このため、ワーキンググループの活動との兼ね合いもみながら、今後の対応を決定する方向だ。


関連情報

URL
  ニュースリリース(PDF)
  http://www.jftc.go.jp/pressrelease/03.june/03062501.pdf

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(青木美英)
2003/06/26 19:42
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