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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
インテル、デジタル放送は「ネットワークの連携で可能性が広がる」

 インテルは31日、デジタル放送コンテンツの著作権保護と同分野におけるインテルの取り組みに関して説明会を開催した。


コンテンツ保護は消費者の可能性や機会を広げることが重要

米Intelのジェフリー・ローレンス氏
 米Intelでコーポレート・テクノロジー統括本部 コンテンツ政策・アーキテクチャー担当ディレクターを務めるジェフリー・ローレンス氏は冒頭、「アナログからデジタルへの移行期にある中で、重要なのはデジタルがアナログ以上に消費者に対してメリットを提供すること」とコメント。「コンテンツ保護によって消費者から何かを取り上げるのではなく、より多くの可能性や機会を広げることが重要になる」と語った。

 Intelでは、日本のデジタル放送におけるコピーワンス制度について懸念を持っていたが、情報通信審議会で「10回コピー(9回目までコピー、10回目でムーブ)」という方針が示されたのは「妥協ではあるが、歓迎すべき事柄である」と考えているという。ローレンス氏は、「10回コピーによって、真のデジタルライフスタイルが提供できるようになる」とした。

 一方で、「回数制限を設けるべきではない」「複製回数をもっと多くすべき」といった意見や、地上デジタル放送のIP再送信に向けた迅速な法改正を望む意見があるという新聞紙のアンケート結果を挙げ、「コピーワンスと比べて、魅力あるものである点を伝える必要がある」とローレンス氏は指摘。「10回コピーによって、アナログで可能だったデイバイス間でコンテンツを移動できる点、IEEE 802.11nやPLCなどを通じたホームネットワーキングでコンテンツのPC・家電連携が可能になる」と利用形態が広がる想定例を示した。


デジタルコンテンツの利用シーン 10回コピーはデジタル放送コンテンツの活用促進などに期待

IP再送信やリモートアクセスなどネットワーク連携で可能性は広がる

リモートアクセスやIP再送信を新たな利用形態として紹介
 また、新たな利用形態として「外出先から自宅のデジタル放送コンテンツにアクセスできるリモートアクセス」と「リモートアクセスで、デジタル放送を視聴できるIP再送信」の2つを紹介。「IP再送信に関してはテレビ局は積極的ではないが、この変化によって新しいビジネスチャンスが広がる可能性がある点を示せれば、積極的に転じるかもしれない」と語り、「技術や法制度などに変更が生じるかもしれないが、次のステップとしてIntelでは関係各社・団体と協力しながら実現していきたいと思う」と述べた。

 地上デジタル放送の完全移行は2011年7月を予定しているが、ローレンス氏は「現在よりも多くの機器でデジタル放送を視聴する手段として、ソフトウェアCASがある」とコメント。同氏によれば、ソフトウェアCASはデジタル放送視聴時に必要なB-CASカードと同等の機能を有しているという。「すでに開発・承認済みで、あとは実装するのみの段階。これによって一層広範な機器に実装できるようになる」と述べ、ソフトウェアCASの実現には、「ARIBが自らのルールを見直して修正できるように行なう必要がある」とした。

 ローレンス氏は最後に、「人間は自由をもっとも尊いものだと考えており、そこに到達することが重要である」とコメント。「可能性は我々の想像力によって広がり、消費者にとっては新しい利用形態や楽しみ方、機器メーカーにとっては新しい機器の開発、コンテンツプロバイダーにとっては新しい市場や道を模索できるという思いがある」とした。その上で、「そこに至るには自由があってこそで、最初のステップを取ることでデジタル世界を魅力あるものにできる」と述べた。


ユーザーの利便性向上に向けた取り組み ユーザー利便性向上や新たなサービスの実現、ソフトウェアCASによる視聴端末の増加などを挙げる

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URL
  インテル
  http://www.intel.co.jp/


(村松健至)
2007/08/31 14:08
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