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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
「ローゼンメイデン」真紅の声をユーザーが音声合成できるプロジェクト

Alice Project
 BIGLOBEを運営するNECビッグローブ、東京放送、マウスプロモーションは、アニメ「ローゼンメイデン」のキャラクター「真紅」の音声をユーザーが自由に音声合成できる公開実験サイト「Alice Project」を12月17日に開始する。無料のユーザー登録のみで公開実験に参加できる。

 Alice Projectは、NEC共通基盤ソフトウェア研究所の音声合成技術を活用した公開実験。アニメで真紅の声を担当した沢城みゆきの声を事前に収録してデータベース化し、ユーザーが入力したテキストに合わせて音声を合成。その音声のアクセントやイントネーションなどをユーザーが編集することで、より自然な音声に近づけるチューニングが可能になっている。

 音声合成で作成した音声は発生時の区切りやアクセント、テンポ、ピッチの変更が可能で、入力した漢字の読みが異なる場合も1語単位で変更できる。作成した音声を複数組み合わせてプレイリストに登録することも可能で、プレイリストには真紅以外のキャラクターの画像も利用できる。ただし、音声を発するのは真紅のみで、他のキャラクターは画像とテキストのみ表示する。

 作成した音声の評価システムも用意され、他のユーザーが作成した音声を評価できる。また、評価が上がるとユーザーのランクも上昇し、利用できる画像も増えていく。他のユーザーが作成した音声をお気に入り登録することで、自分が作成するプレイリストに他ユーザーの音声を組み合わせることもできる。

 自分が作成した音声へリンクできるブログパーツも用意。公序良俗に違反すると思われる言葉に関しては、事前に入力できないNGワードを設定。また、ユーザーによる通報システムも用意し、違反と思われる音声については削除といった対応を行なう。


音声作成画面 作成した音声のチューニング画面

再生画面。5段階での評価も可能 複数の音声や画像を使ったプレイリストも作成できる

再生画面
 公開実験では評価が高い作品やユーザーのチューニング内容を参考に音声データベースやイントネーションデータを調整して音声合成エンジンの精度を向上し、より自然な音声合成システムの実現を目指す。Alice Projectを担当するNECビッグローブ パーソナル事業部の杉浦淳マネージャーは「ユーザーの力で音声合成のレベルを高めていく“音声合成のWeb 2.0的アプローチ”」と説明した。

 ローゼンメイデンは、人形師ローゼンが作り出した7体の人形が、究極の少女「アリス」を目指して互いに戦いを繰り広げるというストーリー。杉浦氏は「ローゼンメイデンの人形たちはいずれもどこかに欠点があり、戦いによって成長していく」と説明、「不完全な音声合成エンジンをユーザーの手で完璧にしていくいうコンセプトがアニメに合致した」と、ローゼンメイデンを題材に選んだ理由を説明した。

 音声合成の分野では、人間の声を元にして歌声を作り出す「初音ミク」が注目を集めているが、杉浦氏は「Alice Projectは初音ミクよりも前から準備を進めていたが、予期せず音声合成に注目が集まったことはありがたい」とコメント。音声合成を利用したビジネスの詳細は未定だが、「着ボイスやアバターの音声アイテムといった展開が考えられるのではないか。ライセンスが許すのであればパッケージ展開も考えたい」とした。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.biglobe.co.jp/press/2007/1217-1.html
  Alice Project
  http://alice.biglobe.ne.jp/

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(甲斐祐樹)
2007/12/17 13:09
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