パナソニック コミュニケーションズは、無線LANルータとSkype内蔵ハンドセットをセットにした「Skype対応Wi-Fiフォンセット(KX-WP800)」を、3月28日に松下グループの直販サイト「パナセンス」で発売する。販売価格は29,800円。
■ FON設定をプリセット済み。SkypeOutやSkypeInの利用も可能
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「Skype対応Wi-Fiフォンセット(KX-WP800)」
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KX-WP800は、IEEE 802.11b/gに準拠した無線LANルータと、Skype機能を内蔵したIEEE 802.11b準拠のハンドセットをセットにした製品。インターネット環境を用意すれば、PCレスでSkypeユーザー同士での音声通話が可能なほか、一般電話に発信する「SkypeOut」、着信を受ける「SkypeIn」、ボイスメール、会議/割込通話もサポートする。
米国/カナダ/英国/ドイツ/フランスの安全規格と通信規格にも準拠し、日本を含めて合計6カ国で利用できるのが特徴。なお、米国と英国では同等製品が発売済みだが、本体カラーや付属品が一部異なっている。
ハンドセットは、製品出荷段階で無線LANルータとの接続設定に加え、フォン・ジャパンの公衆無線LANサービス「FON」の接続設定を完了済み。FON会員はID情報を製品に登録することで、国内外にあるFONスポットへの自動接続が可能になり、同スポットからSkype通話が行なえるようになる。
ディスプレイ部は、約6万5,000色表示が可能な1.8型のTFT液晶を搭載し、日本語表示に対応する。また、ハンドセット背面には口径20mmのスピーカーを備え、ハンズフリー通話も行なえる。コンタクトリストは最大500件まで登録が可能で、発着信や不在着信などの履歴機能も用意する。
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ハンドセット
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日本語表示に対応する
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背面には口径20mmのスピーカーを備え、ハンズフリー通話にも対応する
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左側面にはイヤフォン端子とUSBポート
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こちらは右側面
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上面部。ストラップホールも備える
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無線LANルータとハンドセットの無線通信時には、音声通話を優先する機能や起動時に混信の少ない無線チャネルを自動選択する機能を搭載。無線LANルータの上面はボタンを備え、同ボタンを利用して無線LANルータの無線LAN設定をハンドセットに転送することが可能。また、ハンドセットを鳴動させる機能も兼ねている。このほか、背面部には事前に登録した2つのネットワーク設定を切り替えるスイッチも装備した。
それ以外の仕様では、無線LANルータはDHCP/PPPoE/StaticによるWAN接続が可能。DHCPサーバー機能は、同梱のハンドセット分を含めて最大5台まで。セキュリティ面は、64/128bitのWEP、WPA、WPA2などをサポート。有線インターフェイスは、WAN/LANともに10BASE-T/100BASE-TX×1ポートずつ備える。本体サイズは約148×51×33mmで、重量は約150g。
ハンドセットは、待受時間が約55時間、連続通話時間が約4時間で、充電時間は最大6時間。USBバスパワーによる充電で、製品添付のUSBケーブルを利用して無線LANルータのUSBポートに接続できる。セキュリティ面は、64/128bitのWEP、WPA、WPA2をサポートした。本体サイズは約45×20×142mmで、重量は約100g。なお、Webブラウザは非搭載となるため、Webブラウザを使ったユーザー認証が必要な公衆無線LANサービスの利用には対応しない。
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無線LANルータ。上面にはロケーターボタン、前面にはUSBポートを備える
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背面部
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製品構成。ACアダプタは100~240V対応だが、ACケーブルは100~120V利用に限られる
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■ パナソニック餅田氏「コードレス電話のノウハウを結集して開発」
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パナソニック コミュニケーションズの餅田氏
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パナソニック コミュニケーションズ ホームネットワークカンパニー 共同開発センター IPプラットフォーム開発グループの餅田宏哉 グループマネージャーは、「KX-WP800は当社がこれまで培ってきたコードレス電話のノウハウを結集して開発した製品」と説明。「誰でも簡単に利用でき、長時間かつ無線LAN環境での通話品質も確保した」と特徴を説明した。
当面は直販サイト「パナセンス」のみでの販売となり、ハンドセット単体や量販店での展開は未定。餅田氏は「個人、SOHO環境での利用を考えているが、将来的には法人を含めて幅広く展開していきたい」と述べた。
説明会にはフォン・ジャパンの千川原知康 チェアマンも出席し、「KX-WP800の登場によって、手軽なWi-Fiフォンの利用がFONユーザーの間でムーブメントになるのではないか」と期待を示した。千川原氏は国内のFONについて、「ユーザー数は世界第5位になるが、アクセスポイント数は約32,500件と世界1位である」と紹介。「他国と比べて日本での展開は遅かったが、現在では最も伸びを示す国の1つである」と付け加えた。
このほか、Skype日本オフィス・ジェネラルマネージャーの岩田真一氏からのビデオメッセージも放映された。岩田氏は「パナソニックが製品を展開することで、Skypeの認知度と利用頻度の向上が期待できる」と述べ、「今後もパートナー企業と協力して、個人・法人に向けてSkype対応製品を展開したい」と抱負を語った。
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フォン・ジャパンの千川原氏。普段見せないという国別AP数やユーザー数を紹介した
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FONの国別メンバー数ランキング
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アクセスポイント数は2位のドイツを5,000件以上上回り、日本が1位
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■ URL
パナソニック コミュニケーションズ
http://panasonic.co.jp/pcc/
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