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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
JRC、無線LANで約47kmの距離を通信する日本新記録を達成

 日本無線(JRC)は26日、2.4GHz帯を利用した無線LAN通信にて国内最長距離となる約47.5kmで8Mbpsでのブロードバンド通信実験に成功したと発表した。

 今回の実験は、総務省の戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)の支援を受けた鹿児島大学学術情報基盤センターと三島村が、JRC、指宿市教育委員会、NTT西日本-南九州の協力のもとで、鹿児島県指宿市と約47.5km離れた鹿児島郡三島村の竹島にて2月に実施したもの。

 実験の内容は、無線LAN機器にはJRCの無線LANスイッチ「JRL-710AL2」を、アンテナにはJRCのグリッドパラボラアンテナ「NZA-666」を利用し、無線LAN規格ではIEEE 802.11gを採用。伝送速度を6Mbpsの固定設定と、6/12/24Mbpsの可変設定で実験を行なった。

 固定設定時は、無線LAN間のパケット折り返し試験で平均4.7Mbps、PC間のファイル転送試験で平均3Mbpsの伝送速度を実現。可変設定時では、無線LAN間のパケット折り返し試験で平均13.5Mbps、PC間のファイル転送試験で平均8Mbpsの伝送速度を実現したという。

 また、可変設定ではパケット折り返しで13.5Mbpsの実効速度が得られたことにより、実効速度が伝送速度の50~70%程度であることから無線LAN通信はほぼ24Mbpsで動作している説明。しかしながら、24Mbpsでの通信は無線LANの受信感度に対して受信電力のマージンがないため、6Mbpsが実用的な伝送速度であるとしているほか、海面変動による受信電力の変化に対応するために恒常的なシステムにはダイバーシティアンテナ方式が望ましいとしている。

 JRCでは、今回の実験で2.4GHz帯にて極めて長距離でも高速通信が可能なことを実証したことにより、離島や山岳部のディジタルデバイド解消のための経済的な無線回線としての利用に弾みがつくと期待している。


関連情報

URL
  日本無線
  http://www.jrc.co.jp/


(大久保有規彦)
2008/03/26 15:49


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