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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
アッカ決算、今後はモバイルに注力。ソリューションや映像事業は見直し

 アッカ・ネットワークスは15日、2008年12月期 第1四半期(2008年1月~3月)の連結業績に関する説明会を開催した。


減収減益も進捗率は25%超を確保。個人向けADSL契約は92.2万件

アッカの須山代表取締役社長
 第1四半期の売上高は、前年同期比11.7%減の80億6,400万円、営業利益は16.8%減の7億800万円、経常利益は22.4%減の6億7,200万円、純利益は26.7%減の6億3,000万円で、減収減益となった。ただし、通期見通しに対する進捗率は、いずれも進捗率が25%を超えたとしている。

 事業別では、個人向けインターネット接続サービス事業の売上高は前年同期比17.1%減の59億8,100万円。契約者数は13.7万件減の92.2万件と減少傾向が続いている。ARPU値は118円減の2,109円で、解約率は0.02ポイント改善の2.33%。

 企業向けデータ通信サービス事業の売上高は、前年同期比5.4%増の18億1,700万円。契約者数は0.01万件減の5.02万件と減少したものの、ARPU値は光加入の増加によって134円増の10,793円と若干上昇した。なお、その他事業に関しては36.6%増の2億6,600万円となった。


原価率の改善に着手。ソリューション支援や映像事業を見直し

今後のアクションプラン
 説明会には3月28日の定時株主総会を経て、代表取締役社長 兼 CEOに就任した須山勇氏が登壇。「新たな経営体制のもと進捗は順調に進んでいるが、一方で課題も数値に表われてきている」と語り、今後の方針を中心に説明を進めた。

 須山社長は、2005年をピークに同社売上が減少傾向にある点、経常利益は2004年から横ばいにある点について「大きな課題と考えている」とコメント。同社売上の90%を占めるADSLは市場全体が縮退傾向にある中で、「同業他社と比較して、インフラコストの比率が高い」と指摘し、原価率の改善を進める考えを示した。その上で、ネットワーク構築や調達関連コストを前年比17%の削減を目指すという。

 また、M2Mを含めたソリューション支援事業に関しては、採算性の低い案件を整理する方針。加えて、映像コミュニケーション事業に関しては、企業向け映像プラットフォームをJストリームに事業譲渡し、「今後は事業パートナーとの連携に転換する」とした。

 なお、4月に分社化を発表した個人向け動画共有サービス「zoome」に関しては、企業向けサービスで利用しているプラットフォームとは異なるという。須山社長は「zoomeは直近半年でトラフィックが20倍程度に伸び、好評を博している」と現況を説明した。

 zoome分社化の決定に関しては、「当社が培ってきたADSL事業とは異なり、サービスを提供するには違う肥料や水をまいてやる必要がある」と説明。その上で、「zoomeのようなとんがったサービスに関心を持つ企業もある」と語り、今後は他社出資なども受け入れて「株主の1社として、zoomeを育てていきたい」と述べた。


ADSLサービスでは同業他社と比較してインフラコスト比率が高いという 前年比17%減を目標にした原価構造見直しを実施

イー・モバイル連携は「私だからできた」。レンタルサービスも視野

デュアルブロードバンドによるユビキタス時代の到来を見据える
 須山社長は「無線ブロードバンド時代の到来を感じている」と語り、「ブロードバンドと言えば有線だった時代とは変わり、テクノロジーの進歩によってユーザーの選択肢が無線にも拡大した」と発言。その上で、「有線と無線をシームレスに利用する『デュアルブロードバンド』によって、本当のユビキタス時代が実現できる」と述べ、将来的に1つのIDによるシームレスな環境提供や端末ラインナップの拡大を目指す考えを示した。

 5月に入ってから同社では、NTTドコモおよびイー・モバイルと連携した、MVNO方式によるデータ通信サービス「ACCA mobile」を発表している。このうち、NTTドコモ網を利用した「ACCA mobile(D)」は法人向け、イー・モバイル網の「ACCA mobile(E)」は個人・法人の双方が対象になっている。


NTTドコモ網を利用した「ACCA mobile(D)」。通信プロトコルによる制限は行なわない イー・モバイル網利用の「ACCA mobile(E)」。個人ユーザーも契約できる

 須山社長は「ACCA mobile(D)」に関して、「ドコモブランドの信頼感を安価に提供できるサービス」と説明。アッカが手がけるADSLによるIP-VPNサービスと直結するメニューも提供する考えで、「IP-VPNで直結することで、インターネットに接続しない完全にセキュアでクローズドなサービスも実現できる」とした。

 「ACCA mobile(E)」の提供元になるイー・モバイルについては、「非常に大胆な価格設定で、無線ブロードバンド市場を牽引されている」と評価。同サービスの料金体系や目標契約数に関しては非公表だが、須山社長は「ACCA mobile(E)では、使いたいときに使えるようなレンタルサービスも考えている」とコメント。その際は、初期費用や継続利用期間といった「加入にあたっての障壁がない料金、サービスを提供してきたい」とした。

 また、個人ユーザーへの販売方法に関しては、直販とコンシューマチャネル、Webサイトによる販売を検討しているという。レンタルサービスに関しては、郵送による端末受け渡しも視野に入れており、「ADSLで行なっているモデムオペレーションが活用できる」と述べた。

 なお、イー・アクセスの持分法適用関連会社であるイー・モバイルとの提携に関しては、「一言で言えば、私だからできたと考えていただければと思う」と述べ、旧経営陣からの変化を示唆した。

 このほか説明会では、同社ADSLサービスを利用する個人ユーザーに対して、長期利用割引や特典付与なども検討する方針も明らかにした。


デュアルブロードバンドに向けたサービスなども拡充する アッカのADSLを2年以上利用するユーザーは全体の75%。こうしたユーザーに対する優遇施策も実施していく

関連情報

URL
  アッカ・ネットワークス IR情報ページ
  http://www.acca.ne.jp/ir/index.html

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(村松健至)
2008/05/15 19:13


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