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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
Firefox 3説明会、高速化やメモリ削減など1万5000の機能を改善

 Mozilla Japanは、日本時間の6月18日2時頃に公開を予定する「Firefox 3」に関する記者発表会を開催した。Firefox 2からの改善点や機能向上に加え、Firefox 3を展開するための今後の展望が語られた。


Firefox 2から最大3倍の高速化。使用メモリも大幅削減

Firefox 3の概要
 3年におよぶ開発期間を要したというFirefox 3は、Firefox 2と比べて1万5000以上の機能改善を実施。中でも高速化は大きな特徴の1つであり、Javascriptを最適化することでアップルのJavascriptベンチ「SunSpider」による測定結果ではInternet Explorer 7(IE7)と比較して9.3倍、Firefox 2と比較して最大で3倍の高速化を実現したという。さらにGmailの読み込み速度についても「60ミリ秒でメールを表示でき、ユーザーにとっては一瞬で表示される」(Mozilla Japan 技術部の中野雅之氏)と語り、「史上最速のFirefox」と自信を示した。

 また、新レンダリングエンジン「Gekko 1.9」の採用によってWebページのレンダリングなどを多数改良。すべてのプラットフォームで効率性、整合性が向上しているという。IE7以外のブラウザと比較してもOperaの最新版「9.5」と比較すると倍程度高速だが、SafariについてはWebアプリケーションによって動作が異なるため、圧倒的にどちらが早いということは現時点では言えないとした。

 高速化に加えて使用メモリも抜本的な改善により削減を実施。ウィンドウを閉じた時点でメモリを大量に開放することで、長時間ブラウザで閲覧してもブラウザを継続して快適に利用できるようになったという。


IE7、Firefox 2と比べて数倍の高速化 使用メモリ量も軽量化

履歴とブックマークを強化。アドオンもより容易に入手可能に

Firefox 2から1万5000の改善
 機能面ではURLを入力するロケーションバーに文字を入力すると、過去の履歴やブックマーク、タグと一致するページを一覧表示する「スマートロケーションバー」機能、ロケーションバーに用意されたアイコンからワンクリックでブックマークできる機能などを搭載。ブックマークはタグで分類することもできる。

 セキュリティ面ではSSL対応サイトの識別情報を表示する機能を搭載。SSLより厳格な審査が必要となる「EV SSL」もサポートし、閲覧するサイトがSSL対応かどうかをクリックで確認できる。マルウェアやフィッシング詐欺対策機能も搭載したほか、NTTと三菱電機が共同開発した暗号アルゴリズム「Camellia」をブラウザとして初採用。Camelliaは米国政府標準暗号であるAESの代替方式としてISO/IECやIETFなどに採用されており、AESと同等の暗号強度を誇るという。

 5000以上が用意されているというFirefoxのアドオンも、より容易に追加できるよう機能を改善。アドオンを管理する「アドオンマネージャ」からアドオンの検索とダウンロードが可能になった。日本語版の場合は日本語に対応したアドオンのみを表示することで、初心者が迷わないような工夫も施しているという。


スマートロケーションバー ブックマーク機能
スマートロケーションバーとブックマークのデモ
(拡大動画はこちら
アドオン追加のデモ
(拡大動画はこちら


 セキュリティ面ではSSL対応サイトの識別情報を表示する機能を搭載。SSLより厳格な審査が必要となる「EV SSL」もサポートし、閲覧するサイトがSSL対応かどうかをクリックで確認できる。マルウェアやフィッシング詐欺対策機能も搭載したほか、NTTと三菱電機が共同開発した暗号アルゴリズム「Camellia」をブラウザとして初採用。Camelliaは米国政府標準暗号であるAESの代替方式としてISO/IECやIETFなどに採用されており、AESと同等の暗号強度を誇るという。

 5000以上が用意されているというFirefoxのアドオンも、より容易に追加できるよう機能を改善。アドオンを管理する「アドオンマネージャ」からアドオンの検索とダウンロードが可能になった。日本語版の場合は日本語に対応したアドオンのみを表示することで、初心者が迷わないような工夫も施しているという。

 バックエンドの部分ではHTML5のオフラインブラウズやAPNG/SVG/Canvasのサポート、ICC カラープロファイルにも対応。また、テキストも美しくより高速に表示するよう改善を図っており、中野氏は「Webサイトは9割がテキストであり、テキストを高速化することでFirefoxのWeb表示は飛躍的に高速化した」とした。

 日本特有の言語環境にも対策を実施。長いURLを幅に応じて折り返すようになったほか、UTF-8の文字列を表示することでWikipediaなどのURLを日本語混じりで表示できるようになった。IMEの状態も改善され、コメント入力欄などIMEを使う必要がある場面などではIMEをオフにすることで、文字入力をユーザーが切り替える必要なくブラウジング時にキーボードショートカットなどが利用できるようになった。


OS環境に合わせたデザイン 日本語環境の改善

SSL対応サイトの識別情報を表示 マルウェアやフィッシング対策も搭載

アドオンマネージャからアドオンの検索やインストールが可能に HTML5のオフラインブラウズやICC カラープロファイルなどサポート

Firefoxの国内シェアは11.8%。フィードバックを製品に反映

Mozilla Japanの瀧田佐登子代表理事
 Mozilla Japanの瀧田佐登子代表理事は、インターネット白書の調査で日本国内のブラウザシェアのうち11.8%がFirefoxだったというデータを引用し、「一般へ徐々に浸透してきている」と喜びを示しつつ、「我々にとっては製品のリリースがゴールではなく、ユーザーのフィードバックを受けて製品に反映していきたい」との考えを示した。

 当初のリリース予定から大幅に延期されたFirefox 3だが、瀧田氏は「Firefox 3はWebアプリケーションの普及を加速する、アプリケーションプラットフォームの新基盤として改良に改良を重ねてきた」と説明。「今までMozilla JAPANは国内のマーケティングと日本語製品のリリースがミッションだったが、Firefoxではユーザーの意見をエンジニアに届けるパイプラインの役割と、日本企業が世界へ向けて物づくりをしていくための支援もミッションとして行なっていくとした。

 アドオンによる機能拡張が特色であるFirefoxだが、アドオンのインストールを難しく感じるような初心者層に対しては、「Firefoxはアドオンがなくてもインターフェイスがシンプルで充分な機能を搭載している」とした一方で、一般ユーザーの認知度を高めるキャンペーンも実施。「Firefoxのシェアは10%を超えたとはいえまだまだ低い状況で、Firefoxという選択肢があるということを認知させるための活動も必要」と語った瀧田氏は、JRの液晶ビジョンでFirefoxの紹介ビデオを放映するというプロモーション展開を明らかにした。


Firefoxで採用された日本産の暗号方式「Camellia」 AESと同等の評価

Firefoxの国内ダウンロード状況を表示する「Firefoxの灯」


関連情報

URL
  Firefox
  http://www.mozilla-japan.org/products/firefox/

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(甲斐祐樹)
2008/06/17 19:12


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