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発表会の出席者。左からオプティキャストの齋藤達郎代表取締役社長、NTT東日本の古賀哲夫代表取締役副社長、スカイパーフェクト・コミュニケーションズの仁藤雅夫代表取締役執行役員社長
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スカイパーフェクト・コミュニケーションズの子会社オプティキャストは、FTTH向け放送サービス「スカパー!光」を広帯域化した新メニュー「スカパー!光 ホームタイプ ワイド」を7月1日より首都圏の一部エリアで開始、申し込みを6月24日より受け付ける。また、NTT東日本はフレッツ光でスカパー!光 ホームタイプ ワイドが視聴できるサービスを同日より開始する。
これまでスカパー!光のネットワーク伝送帯域は70~770MHzだったが、これを2072MHzまで拡張することでBSデジタル放送全12チャンネルをアップコンバータ無しで視聴できるほか、2011年7月の周波数再編によって拡充されるBSデジタル新チャンネルにも対応する。さらに伝送帯域拡張により、「e2 by スカパー!」を2008年内に、スカパーのハイビジョン放送を2009年度にスカパー!光で対応する。
スカパー!光 ホームタイプ ワイドのサービス提供エリアは、7月1日のサービス開始時点では東京23区(一部エリアを除く)、神奈川県と埼玉県の一部地域。8月1日には東京都の23区外エリアや千葉県で、9月1日からは福島県でサービスを開始する。
NTT東日本は、7月1日よりフレッツ向け映像配信サービス「フレッツ光」向けに、「フレッツ・テレビ伝送サービス」を開始。スカパー!光 ホームタイプ ワイドを視聴するために必要な「スカパー!光施設利用料」とフレッツ・テレビ伝送サービスをセットにし、「フレッツ・テレビ」の名称で販売する。
初期費用は「スカパー!光」加入料が2940円で、フレッツ・テレビ工事費はBフレッツもしくはフレッツ 光ネクストと同時工事の場合は無料、単独工事の場合は6300円。月額料金はフレッツ・テレビがフレッツ・テレビ伝送サービスの472.5円とスカパー!光施設利用料210円を合わせた682.5円で、この料金のみで地上デジタル/アナログ、BSデジタル/アナログ、FMラジオが利用できる。
フレッツ・テレビとスカパー!光の有料チャンネルをセットにしたプランも用意。料金はフレッツ・テレビを含み、CS有料チャンネル1チャンネルを含む「スカパー!光アラカルトコース」が1617.5円から、有料チャンネル50チャンネルの「スカパー!光パックセレクションコース」が4357.5円から、有料チャンネル68チャンネルの「スカパー!光パックコース」が4957.5円から。
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広帯域化の概要
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地上、BSの再送信のみメニューが提供可能に
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再送信のみメニューは682.5円(税込)と安価
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放送チャンネル数も拡大
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■ 広帯域化でBSデジタル全チャンネルに対応。宅内機器も削減
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オプティキャストの齋藤達郎代表取締役社長
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オプティキャストの齋藤達郎代表取締役社長は、スカパー!光の現状について説明。加入者は2008年5月末で7万8410件、6月11日には8万件を突破するなど順調に伸びており、今回の広帯域化によってスカパー!光の商品力を向上し、さらなる加入者獲得につなげるとした。
これまでスカパー!光でBSデジタルを視聴する際には、「70~770MHzの伝送帯域に入れるためにダウンコンバートしたものをユーザー側でアップコンバートする」必要があり、スカパー!光のONU(回線終端装置)とは別にアップコンバータが必要だったほか、BSデジタルも9、10、11、12が視聴できなかった。今回の広帯域化によってアップコンバータが不要になるだけでなく、BSデジタルもすべてのチャンネルが視聴可能になる。
また、現在はインターネット用のONUと映像用のONUが別々に必要だったが、「スカパー!光 ホームタイプ ワイド」ではONUを一体化したことで家庭内に設置する機器の数を削減。さらにNTT東西が提供するNGN「フレッツ 光ネクスト」にも対応するという。
既存のスカパー!光に関しては新メニュー開始とともに新規申し込みの受付を終了するが、サービス自体は存続とし、既存ユーザーのメニュー変更にも対応する。また、今回の発表はNTT東日本のみだったが、NTT西日本でも2008年度内に同様のサービスを発表する予定。
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ONU一体化やアップコンバータ不要で機器数を削減
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提供スケジュール
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新メニューに対応したONU
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ONU背面
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■ スカパー!光で光のメリットを最大化。ひかりTVとは共存姿勢
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NTT東日本の古賀哲夫代表取締役副社長
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スカイパーフェクト・コミュニケーションズの仁藤雅夫代表取締役執行役員社長
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NTT東日本の古賀哲夫代表取締役副社長は、「スカパー!光の8万加入という数字は、正直言って少ない」という見解を示しながら、NTT東西が2010年までにFTTHの2000万加入を目指すという目標を紹介。「光の本当の魅力はインターネットでも電話でもなく映像。テレビに光をつなぐことで光のメリットが最大限に引き出される」とした。
従来の衛星放送サービスと比較して、スカパー!光で光ファイバ経由で映像を配信することで天候による影響を受けないというメリットも指摘。また、「多チャンネル放送は興味はなく地上波が見られればいい、というニーズもある」とした上で、「アンテナやSTB不要で地上デジタルやBSが視聴できることで裾野を広げ、多チャンネルに興味を持てばSTBを追加することなく多チャンネル放送も視聴できる」とのメリットを説明した。
なお、NTTグループでは、NTT ぷららがSTB型の映像配信サービス「ひかりTV」を提供しているが、古賀氏は「ひかりTVはVODを含めたサービス、多チャンネルを地上波、BS含めて楽しむのはスカパー!光がいいのでは」との考えを示しつつ、「グループの中で1つに決めるよりも、光の2000万加入に向けてユーザーの望むサービスを使ってもらえばいい」とした。
スカイパーフェクト・コミュニケーションズの仁藤雅夫代表取締役執行役員社長は、「ONUの一体化」「682.5円で地上波とBSが簡単に見られる」という新サービスのメリットを挙げ、「非常に入会しやすいサービス」と評価。「アンテナ代わりに光ファイバが張られている環境は非常にやりやすい」とし、「e2のパススルーなどが始まれば、STBが必要なCATVと比べてもサービスの差別化が図れるのではないか」とした。
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フレッツ光の普及状況
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フレッツ…テレビでフレッツ光とスカパー!光の裾野を拡大
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■ URL
ニュースリリース
http://www.ntt-east.co.jp/release/0806/080623a.html
スカパー!光
http://www.opticast.jp/
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(甲斐祐樹)
2008/06/23 13:41
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