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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
SCEJ、PS3でオリジナルアニメ「亡念のザムド」を9月に配信

 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)は、プレイステーション 3(PS3)のオンラインサービス「PLAYSTATION Network」で、オリジナルアニメーション「亡念のザムド」を9月から独占配信すると発表した。料金は1話300円から400円。


BONES制作の新作「亡念のザムド」をHD配信。PSPでの視聴にも対応

「亡念のザムド」メインビジュアル
 ソニーグループでは、2008年6月に策定した中期経営方針において「PLAYSTATION Network」で動画配信サービスを発表済み。これを受けて、7月15日には米Sony Computer Entertainment America(SCEA)が米国内向けの動画配信サービスを開始。日本でも同様のサービスを予定するが、今回第1弾として「亡念のザムド」の配信が明らかにされた。

 亡念のザムドは、アニメ「鋼の錬金術師」や「交響詩篇 エウレカセブン」などを手がけたBONES(ボンズ)が手がける最新作。映画「千と千尋の神隠し」で監督助手を務めた宮地昌幸の初監督作品で、キャラクターデザインは倉島亜由美、音楽は大島ミチル。1話30分の作品で、全26話が毎週更新で配信する予定という。

 本作は、南北に分断された世界が舞台。南大陸自由圏にある小さな島「尖端島」に住む高校生の竹原アキユキ(阿部敦)は、親友の西村ハル(折笠富美子)や寺岡フルイチ(立花慎之介)とバスで通学中に爆破事件に巻き込まれる。その際、謎のひかりを腕に受けたアキユキは「ザムド」と呼ばれる化け物に変身してしまう。そして、ザムドに変身したことで自我を失い、暴走しまったアキユキの前に、赤い髪をした異国の少女ナキアミ(三瓶由布子)が現れる。

 PLAYSTATION Network内にある「PLAYSTATION Store」で販売され、画質の異なるHD版とSD版の2種類を用意。いずれも初回再生から3日間視聴できるダウンロードレンタル方式で、料金はHD版が400円、SD版が300円。ファイル形式はH.264で、ビットレートはHD版が6~8Mbps、SD版が1.5Mbps~2Mbps程度を見込んでいる。また、音声は5.1chサラウンドになる。

 SD版に関しては、プレイステーション・ポータブル(PSP)に転送して視聴も可能。この場合、ムーブ扱いとなり、PS3に再度転送して視聴することはできない。このほか、PC経由でPSPコンテンツを配信するWebサイト「PLAYSTATION Store(PC)」でも販売を予定している。

 なお、第1話の先行配信を開始した米国版「PLAYSTATION Network」では、本作がダウンロードランキングの第1位を達成した。ちなみに米国版では吹き替えは行われず、英語字幕を付加した上で配信しているという。


場面写真



SCE田井野氏「PLAYSTATION Storeではオリジナリティ重視で展開」

SCEの田井野氏
 18日に開催した制作発表会には、ソニー・コンピュータエンタテインメントのネットワークビジネス&サービス部 PSN開発・運用課 課長の田井野賢氏が日本における「PLAYSTATION Network」の現状を説明した。

 田井野氏は、2006年11月11日のPS3発売と同時に開始した「PLAYSTATION Network」の登録アカウント者数が2008年5月に国内で100万件達成したと紹介。また、「PLAYSTATION Store」の利用状況は、5月末で月間40万ユニークアカウントがアクセスし、累計ダウンロード数は1700万、総コンテンツ数は約1500に上るとした。

 その上で田井野氏は、「今回の『亡念のザムド』をはじめ、PLAYSTATION StoreではPS3のユーザーやゲームユーザーと親和性の高い、ハイクォリティなコンテンツを、オリジナリティ重視のラインナップで展開していきたい」と抱負を述べた。


監督や声優陣参加のトークセッションも

制作発表に出席した監督や声優陣
 合わせて発表会には、ボンズの南 雅彦 代表取締役と本作を手がける宮地昌幸監督に加え、竹原アキユキ役の阿部敦と西村ハル役の折笠富美子、ナキアミ役の三瓶由布子、予告ナレーションも担当するアクシバ役の小西克幸も出席し、本作にかける意気込みや思いを語った。

 ボンズの南氏は、「宮地監督らから企画書が出てきたときに、新しい予感を感じた」という。今回のPLAYSTATION Storeでの独占配信については、「同時期にPS3という同じハードを通じて、世界中の人々に視聴してもらえる点に魅力を感じている」と述べた。

 宮地監督は「かつて向田邦子さんのドラマにあったような、人と人の関係を丁寧に描けるような作品作りを目指したい」と語った。初めて主人公役に挑戦する阿部敦は「アキユキは、どの年代の人でも共感が持てる人物」と述べたほか、「声優をする上で、BONES作品に出てみたいと思っていた」とも語った。

 ハル役の折笠富美子は「キャラクターの動きがリアルなので、過剰にならないよう気をつけている」とコメント。ナキアミ役の三瓶由布子は「クールな感じの女の子だが、だんだんとアキユキと関わる中で心の変化が出てくる」と述べた。

 アクシバ役の小西克幸は「周りからは普段の自分と同じようなキャラクターだと言われ、毎回楽しくフリーダムにやらせてもらっている」と発言。また、予告ナレーションも担当しており、コメント読みにもこだわりをもって臨んでいるとした。

 このほか発表会では、司会者から声優陣に対してPS3の所持に関する質問があった。質問された阿部と折笠、三瓶の3氏は所持していないと回答したが、このうち三瓶氏は「もしかしたら、何らかの形で貰えるのかな」と語り、会場の笑いを誘っていた。


ボンズの南 雅彦 代表取締役 宮地昌幸監督 阿部敦

折笠富美子 三瓶由布子 小西克幸

声優陣からのコメント映像



関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.jp.playstation.com/info/release/nr_20080718_xamd.html
  亡念のザムド オフィシャルサイト
  http://www.xamd.jp/

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(村松健至)
2008/07/18 18:32


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