NTT(持ち株)は、2009年3月期 中間期決算に合わせて11月7日付で開催した社長会見の要旨を公開した。三浦惺(みうら さとし)社長は、フレッツ光の下方修正などを発表した。
■ フレッツ光の純増目標を下方修正。今後はIPTVの取り組みを強化
会見の中で、Bフレッツやフレッツ 光ネクストなどを含んだ「フレッツ光」について、今期の純増目標数を当初の340万から280万に下方修正することが明かされた。三浦社長は、「第2四半期以降の純増数が昨年に比べて減っている状況が続いている」と理由を述べた。下方修正の内訳は、NTT東日本が40万契約、NTT西日本が20万契約になる。
また、光ファイバ接続サービスに関しては映像系サービスをベースに展開する方針だったが、IPTVサービスのスタート直後にセットトップボックスに不具合等が発生。このため、「スタートが遅れ、充分に需要の喚起ができなかった」とした。加えて、「契約数が1000万を超え、エリア拡大もかなり進んできた」点や「契機の影響なども若干ある」と付け加えた。
その上で、今後は映像サービス等の取り組みを強化する考え。IPTVサービスでは、第2四半期で約3万件増加し、10月、11月も順調な販売傾向が継続しており、「同取り組みを強化することで光の増設に結びつけたい」とした。また、NGNサービスの提供エリアを首都圏を中心に早期に拡大する考えのほか、ゲーム機や健康機器などのノンPCユーザーに対する訴求も強化するという。
三浦社長は「今年度は下方修正したが、現時点では2000万の目標は維持する」とし、「これら対策を講じることによって精一杯頑張ってみたい」とした。なお、現時点でフレッツ光の値下げは考えていないという。
■ NGNサービスや地上デジタル放送のIP再送信地域を順次拡大
三浦社長からはNGNサービスや地上デジタル放送のIP再送信など、今後の取り組みに関しても説明が行われた。NGNサービスに関しては、サービス開始時に東京・大阪を皮切りに、現時点で神奈川/千葉/埼玉/宮城/新潟の一部まで拡大。フレッツ光サービスエリア全体の約3割までカバーした形になり、今期末までに約6割まで、2011年3月期末までに既存エリアすべてで提供する考えという。加えて、NTT東日本エリアでは当初計画より前倒しで拡大を進めているとした。
地上デジタル放送のIP再送信に関しては、エリアが東京と大阪に限定されている。これに関しては、今期末から来期はじめにかけて神奈川や千葉、埼玉、愛知などの大都市を中心に拡大する方針を示した。
また、NGNを中心としたサービス展開では個人および法人向けに分けて説明。個人向けサービスでは「ひかりTVを含めたトリプルプレイの普及に努めてきて、その結果ができてきているところ」という。三浦社長は12月に開始する「NHKオンデマンド」を挙げ、一層のサービス拡大に取り組む考えだとした。
法人向けに関しては、帯域確保型のVPN等の新サービスを提供する予定。BtoBtoC向けの事業化も検討しており、遠隔保健指導やデジタルサイネージのトライアルも開始する予定だという。
■ URL
NTT社長会見
http://www.ntt.co.jp/kaiken/index.html
関連記事:NTTグループ2008年度上期決算、営業利益32%増[INTERNET Watch]
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/11/07/21448.html
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(村松健至)
2008/11/11 12:17
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