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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
ひかりTVが50万契約を突破。新型STB提供や番組拡充も実施

 NTTぷららは23日、映像配信サービス「ひかりTV」の事業展開に関する説明会を開催した。契約数が50万件を突破したことを明らかにしたほか、今後のサービス拡充方針を発表した。


110万契約の獲得目標を1年前倒し。VOD利用割合も上昇傾向

「ひかりTV」トップ画面

NTTぷららの板東社長
 「ひかりTV」は、2008年3月31日に提供を開始したフレッツ向けの映像配信サービス。「4th MEDIA」や「オンデマンドTV」、「OCNシアター」を統合したサービスで、NTT東西のNGNサービス「フレッツ 光ネクスト」では地上デジタル放送のIP再送信も一部地域で提供している。

 説明会では、3月11日付で会員数が50万人を突破したと発表。NTTぷららの板東浩二代表取締役社長は、「2008年度上半期はサービス統合などで営業がもたついていたが、下半期以降は順調に契約数が伸びた」とコメント。3月末時点で、約52万件の契約数を見込んでいる。

 契約数が順調に伸びていることから、2010年度目標だった110万契約を1年前倒しで2009年度目標に設定。板東社長は「90万契約が損益分岐点と見ており、90万契約を超えてビジネスが確立できれば、提携事業者とのWin-Winの関係が築けるようになる」と述べた。

 サービス利用状況に関しては、多チャンネル放送とVODサービスを利用できる月額3675円の「お値打ちプラン」に加入する割合が全体の約6割という。ビデオ・オン・デマンド(VOD)サービスでは約5000本の見放題作品を用意したことで、月間の視聴実績が「4th MEDIA」時代の約7倍となる月間10本程度に増加した。

 板東社長は「日本ではテレビでVODサービスを視聴する習慣が定着しておらず、ここをいかに拡大するかが我々のミッションの1つ」と発言。また、多チャンネル放送サービスについては、「ひかりTV」契約者の約2500人に実施した調査でCATVとCS放送の加入経験がない割合が7割を超える結果を得られ、「CATVやCS放送とは競合する面もあるが、調査結果を見る限り、新たなマーケットを切り開いているのではないか」と語った。


契約数の推移 110万契約目標を2009年度に1年前倒し 約6割が「お値打ちプラン」を利用する

地デジ再送信地域の拡大。録画対応STBや「ひかりTV」対応PCも

今後のサービス拡充計画
 今後のサービス拡充としては、HDチャンネルを4月に合計15チャンネルとし、2009年度内に30チャンネル体制に拡大する。また、VODコンテンツのHD対応も現在の約2000本から約3000本に拡大する。

 地上デジタル放送のIP再送信地域は、3月24日に神奈川県と愛知県を追加するほか、以降も埼玉県や千葉県、兵庫県、京都府など主要都市に順次拡大する予定。加えて、2009年度第2四半期をめどにBSデジタル放送のIP再送信も開始したい考えだ。

 「ひかりTV」端末はSTBやデジタルテレビに加え、STB機能を持ったAVパソコンの登場を予告。すでに東芝とNECが開発準備を進めており、これらはソフトウェアベースで「ひかりTV」の視聴が可能になるという。なお、仕様自体はIPTVフォーラムの仕様に沿っており、技術検証はNTTぷららとの共同作業が必要になるが、開発に関してはメーカー独自でも可能だとしている。

 2009年度中に投入を予定している新型STBでは、HDDを内蔵して地上デジタル放送の録画に対応。裏番組録画や追っかけ再生機能に加え、将来的にはLANを介した異なる部屋での視聴機能なども検討していく。また、既存STBでは、作品名や出演者名などによる検索機能、早送り/早戻し時の動作環境改善を実施する。

 このほか、携帯電話と連携した番組の録画予約機能、通販チャンネルと連動したショッピング機能も検討。テレビ局などと連携したコンテンツの共同制作も引き続き行うという。


提供コンテンツのHD化を進める 地上デジタル放送のIP再送信エリアも順次拡大 「ひかりTV」対応PCも各社より発売予定という

 板東社長はその上で、「NTTぷららとして、ISP事業と『ひかりTV』の2つを柱に事業を展開する」とコメント。ISP事業は2008年12月末時点で282万契約で、このうち145万人が光ユーザー、ADSLを含めたブロードバンドユーザーは237万人と大半で、今後も光を中心に加入者獲得に力を入れる考え。

 「ひかりTV」については、「ブロードバンドインフラ上で提供するサービスのキラーアプリ」と位置付け、2009年度末目標の110万契約と黒字化を目指し、事業を展開する姿勢を示した。


NTTぷらら本社内にある「ひかりTV」スタジオも公開された こちらはエンコード室 イメージキャラクターの「ひかりカエサル」も登場

関連情報

URL
  ひかりTV
  http://www.hikaritv.net/
  ニュースリリース
  http://www.nttplala.com/news_releases/2008/3/20090323.html

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(村松健至)
2009/03/23 14:42


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