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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
CRL調査結果、シームレス環境下でのIP電話利用を求める声が強い

 通信総合研究所(CRL)は、アッカ・ネットワークスと共同で6月23日から8月8日までの期間で行なった「モバイル環境におけるシームレスアクセス技術」に関する共同検証実験のアンケート結果を公表した。それによれば、79%のモニターがシームレス環境でのIP電話サービスの実現を希望していることがわかった。

 共同検証実験でのモニターは、関東圏でアッカのADSL回線を利用したOCNのADSLサービスに加入するユーザーを対象に100名が抽選で選ばれ、無線LANアクセスポイントなどの無線LAN機器のほか、有線LANや無線LAN、PHSなどの通信サービスを自動的に切り替えるシームレスローミングソフトウェアが貸し出された。なお、公表されたアンケート結果は、有効回答が得られた88名のモニターアンケートに基づいたものとなる。

 アンケート結果によれば、シームレスな接続環境を望むモニターが全体の79%を占めるとともに、その際に利用したいサービスについての質問には「IP電話サービス(75%)」と「動画コンテンツ(42%)」が上位となっており、ユーザーが自宅内外でこれらのサービスを利用したいと考えていることがわかる。


シームレス接続で利用したいサービス(縦軸は人数)

 IP電話サービスについては、公衆無線LANサービスのエリアでの利用有無に関する質問も行なわれ、89%が利用したいと回答した。また、この設問の回答者のうち、IP電話利用時に使用したい端末に「携帯電話のような端末(44.3%)」と「PDA(30.4%)」を挙げるモニターが多く、個人で気軽に利用ができる携帯電話やPDAに近いサービス利用形態を求める声が強いことが伺える。

 また、シームレス接続を行なう際に、どのような無線機器間との接続を望むかについては、無線LANと第3世代携帯電話、第2世代携帯電話、PHSとすべての通信環境とのシームレスな接続を希望するモニターが68%と最も多かった。

 このほか、シームレス接続が実現した際にどの様な端末を持ちたいかについての質問では、「携帯電話(19%)」と「PDA(19%)」のほか、「携帯電話とPDAを一緒に持ち歩きたい(16%)」を含めると、本アンケート結果では、持ち運びがしやすい端末でのシームレス接続の実現を求める声が多いことがわかった。

 なお、連絡したい相手がどこにいるかなどの情報がわかるプレゼンス機能の提供も83%が必要と回答している。

 CRLでは、今回の調査結果を踏まえて、プレゼンス機能を搭載したシームレス通信技術の開発や、新しい携帯端末の構成技術などに関する研究を進めるほか、アッカと共同でユビキタス社会の構築に向けた研究も引き続き行なっていくとしている。


IP電話サービス利用時に使用したい端末(縦軸は人数)

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.acca.ne.jp/release/031016.html
  ユビキタス検証実験
  http://www.seamless.jp/

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(村松健至)
2003/10/16 19:05
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