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TTCスペクトル管理SWG、GSVの長距離向け「G-Boost方式」など適合性確認へ
情報通信技術委員会(TTC)は17日、東京都内にてDSL専門委員会スペクトル管理サブワーキンググループ(SWG)の第4回会合を開催した。今回は主に長距離向けのADSL方式や、上り帯域幅を拡張するADSL方式についての議論が進められたが、上り帯域幅の拡大については最終的な合意までは至らずに終わった。
まず長距離化技術については、DSL専門委員会のDSL仕様検討SWGにおいて現在検討が進められている「JLDSL方式」について、Centillium Japan、GlobeSpanVirata(GSV)の2社からスペクトル適合性に関する寄書が提出された。これについてはGSVとアッカ・ネットワークスの両社が「現在提案中のものでとりあえずスペクトル適合性を確認し、クラス分けを行なって欲しい」と主張したのに対し、Centillium Japanの郷右近一彦氏が「JLDSLはまだDSL仕様検討SWGにおいてパフォーマンス評価中の段階であり、仕様が確定していないため、GSVの提案をJLDSLとして扱うのは混乱を招く」と述べるなど議論が白熱したが、今回GSVが提案した方式は結局、「G-Boost方式(仮称)」という名称で、JLDSLとは別の方式として適合性の確認手続きを進めることとなった。
また、パラダインからは「ReachDSL V2(12dBm版)」ならびに「ReachDSL V2.2」についての寄書が出され、「『ReachDSL V2.2-138k』を除いては、従来の『ReachDSL V2(10dBm版)』同様、特例扱いとしてクラスB(利用制限なし)を希望する」という同社提案に特に反対が出なかったことから、これらの方式がクラスBに分類されることがほぼ確実となった。なお、ReachDSL V2.2-138kは、同様にクラスC(距離制限2.5km)に分類されることがほぼ確実となっている。
このように長距離向けADSLについて複数の方式が登場してきていることを受け、複数の出席者から「従来スペクトル適合性の確認は(0.4mmポリ絶縁換算で)線路長5kmまでの範囲で行なってきたが、今後5km以遠の範囲についても新たなスペクトル管理基準を検討する必要がある」との意見が出されたことから、次回以降この点についての検討作業が進められるものと見られる。
一方、上り帯域の拡大については、アッカから「前回会合で提案した『上り拡大+Quad Spectrum』のパターンに加え、下りをDouble Spectrum、Single Spectrumとしたパターンのそれぞれについてスペクトル適合性の確認をお願いしたい」との内容の寄書が提出されたほか、ソフトバンクBBやGSVからも同様にスペクトル適合性の確認を希望する旨の寄書が提出された。中でもGSVからは具体的に、上りを276kHzまで拡大した上で、下り帯域を25~3750kHz(Full Overlap)または138~3750kHz(Reduced Overlap)の2通りとした場合に、どちらもクラスC(距離制限3.25km)を希望する旨の提案が出された。
これに対しCentillium Japanからは「あくまで情報として」(郷右近氏)とのスタンスながら、上り帯域の上限を最大552kHzまで拡大した場合の他回線への干渉について試算結果を提示した。しかし、イー・アクセスは「上り帯域の拡大にともない、スペクトル管理手法そのものを見直す必要がある」との寄書を提出したものの、具体的な方式についてクラス分けを求める動きは見せなかった。
今後、(前述のG-Boost方式も含め)これらの方式について、保護対象となる方式の回線への干渉計算の確認が他の企業により行なわれることとなるが、出席者の中からは「今回は計算が必要な組み合わせが非常に多くなるため、すぐにすべてのパターンについてスペクトル適合性を確認することは難しい」との意見も出されており、今回提案された方式のクラス分けがいつ頃完了するかについてはまだ流動的な部分が残されている。
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URL
TTC「DSL専門委員会スペクトル管理SWGに関する情報」
http://www.ttc.or.jp/j/info/dsl/dsl.html
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(松林庵洋風)
2003/10/20 18:01
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