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イー・アクセス、下り最大40Mbpsの「ADSLプラスQ」説明会を開催
イー・アクセスの小畑至弘取締役CTO(左)と技術本部の諸橋知雄副本部長(右)
Centillium Communicationsのブルース・ザヘディバックディレクター・ジャパンマーケットディベロップメント(右)と、日本支社の高橋秀公社長(左)
イー・アクセスは、11月5日より開始する下り最大40MbpsのADSLサービス「ADSLプラスQ」に関する技術説明会を開催した。同社が行なったフィールド試験では、ADSLプラスQは下り最大24Mbpsの「ADSLプラスII」に比べて全体的に伝送速度が向上しており、特に2km以内では大幅な速度向上が見られたという。
ADSLプラスQは、米Centillium Communicationsの技術「eXtreme DSL MAX」に対応したサービス。eXtremeDSL MAXは、下り最大24Mbpsを実現するダブルスペクトル「MAX-DS」に加えて、下り最大速度を40Mbpsに向上させるクアドスペクトル「MAX-QS」をサポート。そのほかADSLの適用距離を7kmまで拡大する「MAX-LR」、上り速度を3Mbpsまで向上する「MAX-EU」、1ビン当たりのデータ量を15ビット以上割り当てるハイビットローディング技術「MAX-HBL」という5つの要素で構成されている。
eXtreme DSL MAX技術の発表当初は、下り最大50Mbpsの速度が実現できるとされていたが、これについてCentillium Communications日本支社の高橋秀公取締役社長は、「アマチュア無線との干渉を避けるノッチのため、実際の速度は最大40Mbpsになる」と説明した。
eXtreme DSL MAXに対応したチップセットとしては、収容局向けの「Maximus」、ADSLモデム向けの「Palladia 220」がすでに発表されている。ADSLプラスQはこれらのチップセットを採用し、現在提案中のクアドスペクトルによるADSL方式「AnnexQ(仮称)」に準拠。さらにビンごとの最大割り当てビット数を15から16へ拡張することで、速度の上積みを図り、下り最大40Mbpsを実現しているという。
また、従来から採用している技術として、回線特性からAnnexC、AnnexI、AnnexQのうち最適なモードへ切り替える自動モード切替、符号化利得を増加させるトレリス符号、長距離向けのFBM-sOLおよびACERRにも対応している。
eXtreme DSL MAX技術の概要
eXtreme DSL MAXのパフォーマンス
ハイビットローディングの効果
上り速度も最大3Mbpsまで向上可能
収容局向けチップセット「Maximus」
ADSLモデム向けの「Palladia 220」
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2km以内では数Mbps単位の速度向上
ADSLプラスQで採用する技術
イー・アクセスが約50回線を対象に行なったフィールド実験では、すべての伝送距離で24Mサービスよりも伝送速度が向上しており、2km以内では数Mbps単位の大幅な速度向上が見られたという。また、2km以遠の環境でも平均して500kbps程度の速度向上が見受けられ、今回の試験回線すべてが24Mサービスよりも速度向上したとしている。フィールド試験中の最大リンクアップ速度は、線路長550mの環境で36.5Mbps。なお、ラボのテスト環境では40Mbpsも実現できているという。
イー・アクセスの小畑至弘取締役CTOは、すでに提供中のADSLプラスIIについて「中間的なサービスとの位置付け」と説明。今回のADSLプラスQが「究極のサービス」であると強調した。また、2003年夏頃までは「公正取引委員会など気を使うところもあったため」最大で30Mbpsとしていたものの、開発の最終段階で全貌が見えてくるに従いサービスの自信を深め、最大40Mbpsとしたという経緯を説明した。
今後のサービス展開についてイー・アクセス 技術本部の諸橋知雄副本部長は、ADSLプラスQでは最大1Mbpsである上り速度の向上に取り組んで行きたいという意気込みを示した。ただしeXtreme DSL MAXでは最大3Mbpsまでの上り速度が可能としているものの、プロセッサの機能やスペクトル管理の問題などもあり、慎重な評価をした上でサービスの提供を検討していくという。
ADSLプラスQで速度向上が見込めるユーザー層について小畑氏は「線路長の全国平均が2.3kmであり、イー・アクセスは都心部中心にサービスしているのでもう少し短い」と説明。多くのユーザーが速度向上を見込めるとした。なお、現在のユーザー比率は12M以上が6割、8Mが3割で、残りの1割が1.5Mと1Mのユーザーだという。
また、イー・アクセス回線での速度変更については、「12Mから24Mへ速度変更したユーザーは5%」という数字を明らかにし、「24Mから40Mへの変更はさらに少ないのではないか」との予測を示した。
約50回線によるフィールド試験でのサンプルデータ
24Mbpsとフィールド試験の比較データ
イー・アクセスのADSLサービス速度比較イメージ
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URL
イー・アクセス
http://www.eaccess.net/
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(甲斐祐樹)
2003/10/23 17:46
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