NTTは11日、2003年度中間決算を発表した。連結営業収益は5兆4,124億円(前年同期比0.8%増)で、連結純利益は前年同期の332億円から大幅に上昇し、3,836億円に達した。キャッシュフローは1兆4,615億円(前年同期比11.3%)。
今回発表された中間決算では、NTT(持株)、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、NTTデータ、NTTドコモなどのグループ各社の決算も発表した。各社の中間純利益では、NTTドコモが前年より3,523億円増の3,564億円とグループ筆頭の収益を達成。続いてNTT(持株)が2,299億円(前年より1,246億円増)となった。NTT東西は前年より100億円程度の増収で、それぞれ401億円(東日本)、264億円(西日本)の純益。NTT Comは前年の赤字から232億円増収し、109億円の純益を達成した。前年より87億円の減収となったNTTデータも39億円の利益を確保している。
なお、営業利益ベースでは、NTTドコモが2兆5,359億円(前年同月比6.4%増)、NTT東日本が1兆1,137億円(同5.0%減)、NTT西日本が1兆609億円(同3.9%減)、NTT Comが5,352億円(同7.0%減)、NTTデータが3,573億円(同6.4%減)、NTT(持株)が1,415億円(同22.2%増)となっており、グループ各社の明暗が分かれる結果になった。なお、NTT(持株)の純利益は、NTTドコモ株の売却益1,895億円がメイン。また、研究開発の対価として742億円、グループ各社からの配当金545億円などが営業利益として組み入れられている。
決算に添付された各社の概況によれば、NTT東西では「Bフレッツ」の低価格化や「フレッツ・ADSL」の24Mサービスなど、NTT ComではOCN ADSLサービスに「OCNドットフォン」を標準装備するなど競争力を充実させたが、固定電話市場の縮小により営業利益が減収する結果になったと分析。NTTデータでは、システムインテグレーションの価格低減をはじめ新規事業開拓が負担となり、減益する結果となったという。
NTTドコモについては、FOMAサービスに注力したことを強調。通話地域の拡大に加え、「iモーションメール」やテレビ電話対応の新機種を投入し、積極的な販売活動を行なったという。また、iモードでは、505iシリーズのように液晶やカメラの機能を向上させた端末を発売し、利用促進に取り組んだほか、6月にはスペインでiモードサービスが始まるなど海外展開も行なった。これら要因により2兆円を上回る営業収益を達成できたとのこと。なお、NTTグループとしても、今後FOMAの普及に積極的に取り組むとしている。
通期の見通しとしてはまず、日本経済は企業部門を中心に景気の持ち直しが続くと分析。通信分野ではブロードバンド化やユビキタス化が急速に進展すると予想し、そうした状況のなかで新会社NTTレゾナントを12月に設立するとした。NTTでは、新会社を中心に双方向映像コミュニケーションサービスや、ブロードバンドポータルサービスの先導的な開発を行なっていく。
なお通期の業績は、連結営業収益で11兆400億円、連結純利益で5,820億円を予想している。
■ URL
ニュースリリース
http://www.ntt.co.jp/news/news03/0311/031111.html
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(鷹木 創)
2003/11/11 17:18
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