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山本泉二代表取締役兼執行役員社長(CEO)
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So-netを運営するソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)は、2003年度の連結業績概要と2004年度における重点施策などを発表した。発表資料によれば、So-netのブロードバンドコース会員数は前年度比31%増の55万人。
2003年度における売り上げ高は381億6,600万円で、前年度比で1.6%減収となった。内訳としては、インターネット接続サービスが307億3,100万円(前年度比4.7%減)、インターネット関連サービスが65億2,300万円(同26.4%増)、商品販売が9億1,200万円(同34.3%減)。また、営業利益は13億4,200万円減収のマイナス8億7,000万円、経常利益は10億700万円減収のマイナス9億1,100万円、当期純利益は3億9,600万円減収のマイナス4億1,200万円と、いずれも減収となっている。
売り上げ高の内訳について、SCNの山本泉二代表取締役兼執行役員社長(CEO)は「接続サービスからインターネット関連サービスに売上比率が移動しはじめている」と説明。今後もインターネット関連サービスの売り上げ拡大を図り、2004年度末における売り上げ高にしめる構成比は、接続サービスを77%、インターネット関連サービスを20.2%にしたい考えだという。なお、商品販売の落ち込みについて「PlayStation BB Unitの販売数落ち込みの影響が大きい」(山本氏)とし、「同製品を除けば20%以上の伸びを確保している」と付け加えた。
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2003年度の業績
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あわせて発表された2003年度第4四半期の業績
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2003年度における連結営業利益の増減要因
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■ ブロードバンド会員数は増加したものの、全体数は230万人と横ばい
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So-net会員の推移
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So-netの会員数は、ブロードバンドコース会員数が前年度の41万人から55万人へと31%増加したものの、ナローバンドコース会員数の減少もあって全体数では230万人と横ばい。ブロードバンドコース会員数の内訳は非公表だが、2004年3月の申し込み状況は「ADSLがやや多いものの、ADSLとFTTHの申し込み数はほぼ半々程度まできている」(山本氏)という。
加えて、FTTHサービスの課題であるエリアカバー率や工期の問題が徐々に解消している点を挙げ、引き続きFTTHサービスを中心とした加入者数獲得を目指し、2004年度末の会員数を5万人増の235万人としたい考えを示した。
また、BフレッツやTEPCOひかりなどFTTHサービスのラインナップを拡大。また販売チャンネルについても、ダイヤルアップ時代とは販売手法が異なってきていることから、2003年度は量販店や生協などでの店頭入会をはじめ、コンサルティングによる入会案内を開始した。今後は最良な販売チャンネルを見出しつつ、入会経路の集中と選択による効率的な会員獲得を目指していくという。
一方、コンテンツサービスではコミュニティサイト「Livly Island」がサービス開始半年で、会員数16万人を集め「近年では非常に大きな獲得数で、成功したサービス」(山本氏)と認識しているという。また、SCNではソニーのベガやエアボードといったテレビ向けポータルサービスを運営しており、2004年度の重点施策の1つとしてテレビ向けポータルサービスといった新規ビジネスへの投資を行なう考えを示した。
こうした点を踏まえ、山本氏は「営業利益の黒字化を目指したオペレーションを展開する」とコメント。2004年度末の業績見込みについては、売り上げ高400億円、営業利益・経常利益ともに1億円、当期純利益で5,000万円の利益を確保したい考えだ。
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2004年度の業績見込み
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重点施策および目標
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■ URL
投資家情報ページ
http://www.so-net.ne.jp/corporation/IR/index.html
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(村松健至)
2004/04/26 18:15
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