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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
ソフトバンク、日本テレコム買収を発表
〜ODNナローバンドユーザーはYahoo! BBへの移行を促進〜

左からリップルウッド・ホールディングスのティモシー・コリンズCEO、ソフトバンクの孫正義代表取締役社長、日本テレコムの倉重英樹取締役代表執行役社長

2004年度は収益増を見込む
 ソフトバンクは27日、同日開催された取締役会において日本テレコムの買収を決定したと発表した。買収価格は約3,400億円。日本テレコムの発行済み普通株式約1億4,400万株すべてを取得する。株式取得日は11月16日となる見込み。

 ソフトバンク・グループは日本テレコム買収によるシナジー効果として、日本テレコムの提供するIP-VPNおよび広域イーサネットサービスや顧客獲得チャネルにより、法人事業の大幅な強化が可能となることを挙げている。また、日本テレコムが保有する約12,000kmに及ぶ光ネットワークインフラをソフトバンク・グループ独自のIPネットワークと統合することで、ネットワークの強化や効率化が可能であるとしている。

 日本テレコム買収に関する記者会見にはソフトバンクの孫正義代表取締役社長、リップルウッド・ホールディングスのティモシー・コリンズCEO、日本テレコムの倉重英樹取締役代表執行役社長が出席。孫社長から今回の買収に関する詳細が説明された。

 孫社長は「ブロードバンドの夜明けがやってくると考えて3年前にYahoo! BBを始めたが、今まではコンシューマ向けのサービスが主だった。日本テレコム買収後は法人マーケットもジャンルとして追い求めていくことで、新しい通信やコミュニケーションのあり方が大きく次の段階へ移行する」と語った。

 買収方法は日本テレコムの発行済普通株式約1億4,400万株をソフトバンクが100%取得し、日本テレコムはソフトバンクの100%子会社となる。買収額は約3,400億円で、内訳はソフトバンク買取普通株式が1,433億円、純有利子負債が1,640億円、優先株が325億円。株式はリップルウッド・ホールディングスを含む6社が売却し、株式取得日は11月16日を予定する。

 日本テレコム買収後のソフトバンクグループ連結売上高は1兆円規模で、サービスを提供する回線数は個人・法人含め約1,000万回線。ISPの会員数はYahoo! BB、ODN合計で約600万会員で、孫氏は「競合他社と比較してもNo.1の会員数」と自信を示した。

 リップルウッドが日本テレコムの株式を購入した時の金額2,613億円に対し、今回の買収額が約3,400億円と上回る点について孫社長は「ODNのナローバンドユーザーのブロードバンド化や営業統合効果による収益力アップが200億円、ネットワークやカスタマーサポートの統合、組織効率化によるコスト削減効果が300億と見ている」とコメント。日本テレコムのEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)850億円に加えて500億円の収益アップを見込んでおり「3年で今回の買収額を超えるだろう」という見通しを示した。

 ソフトバンクグループの収益は「2004年度は月次で連結黒字を達成する予定を変えるつもりはない」と前置いた上で、日本テレコムが加わることで大幅な収益増を見込んでいるという。また、リップルウッドにはソフトバンクが発行する新株の予約権を付与することで「リップルウッドには長期的なパートナーとして支援を頂きたい」との考えを示した。


買収後の事業規模。両社合わせて約1,000万回線を保有 買収後のISP会員数。同社予測では業界No.1の会員数に

日本テレコム買収で「欠けていた信頼性を向上」

ソフトバンクの孫正義代表取締役社長
 Yahoo! BBは個人ユーザー向けのブロードバンド接続サービスで約400万回線という会員を獲得している一方で、法人向け市場は子会社のアイ・ピー・レボルーションによる光ファイバ接続サービス、中小向けの「Yahoo! BB SOHO」などを含めて約1万回線程度に留まる。孫氏は今回の買収について「ソフトバンクは個人市場におけるYahoo! BBの強みと、法人市場での日本テレコムの強みを活かす最適な補完関係にある」とコメント。今後は法人データ市場でのシェア獲得にも注力していく方針を示した。

 顧客獲得チャネルの多様化も買収のメリットとして挙げられた。Yahoo! JAPANというオンラインポータル、ソフトバンクのIT流通事業、Yahoo! BBで行なった街頭キャンペーンに加えて、日本テレコムの600人を超える法人営業人員、法人顧客約17万社、ビジネスパートナーにおけるテレマーケティングが大きな武器になるという。また、日本テレコムの販売代理店数千社を利用してソフトバンクグループのサービスを提供していくという考えも示された。

 孫社長はYahoo! BBの歴史を振り返り、「大変に即席で作られた組織であるため、安心感、信頼感では十分に納得頂いているだろうか」としたのち「個人情報漏洩のような事件が起きるなど、反省すべき点は多い」とコメント。「信頼感や安心感が欠けていたことは法人市場において最大の弱点と認識しており、日本テレコムを買収したことで足りなかった実績と信頼性を向上させたい」と語った。

 買収によりソフトバンクグループのバックボーンには日本テレコムが加わるが、災害時などの信頼性を考えて両方のネットワークを併存する方針だという。孫社長は「ユーザー数が増えればバックボーンは増強するもの。その増強予算が有効活用できる訳で、コスト増の原因になるとは考えていない」との見解を示した。


合併後の売上規模。データ通信と音声通話の売上が向上 買収後のビジネスモデル。個人・法人市場をカバー

ODNのナローバンドユーザーは「できるだけ早くYahoo! BBに」

日本テレコム買収後のソフトバンクグループの体制
 日本テレコムが運営するODNについては、現状はYahoo! BBとは別に存続するものの「百数十万というODNのナローバンドユーザーにはできるだけ早くYahoo! BBに移って頂く」方針だという。また、ODNのメールアドレスについては「せっかく使っているものを安易に放棄することはなく、変更せず使えるようにしたい」との方針を述べたのち、「双方の技術陣やマーケット人員と相談の上、統合するにしても選択できる形を取りたい」とした。一方で、すでにブロードバンドサービスを利用しているODNユーザーについては「(ユーザーが加入している)事業者と相談しながら、お互いが相乗効果を図れるような提携について相談していきたい」とした。

 グループ体制はソフトバンク下にソフトバンクBB、日本テレコムが連なる形で、日本テレコムの体制は継続。経営陣も日本テレコムを中心に進めていくという。日本テレコムの人員についても「ソフトバンクグループで春に新人3,000名、中途1,500名と大規模に人員を増強する予定であり、さらに日本テレコムがグループに入ることで大変に安心できる部隊ができる」とし、削減の考えはないことを明らかにした。

 TD-CDMA、CDMA2000による移動体通信事業については「多くのユーザーにサービスを受けていただかなければ、設備投資に対する稼働率という問題がある」と前置いた上で、「我々が一番労力を費やしてきた顧客獲得コストは、1,000万回線というユーザーを抱えることで移動体通信にもメリットが出る」とコメント。また、「周波数のライセンスがなければ実現しない事業であるため、テクノロジーの進化とライセンスが揃うタイミングで提供したいと考えている」とした。


日本テレコムを手放すのは「息子が旅立つような気持ち」

 日本テレコムの倉重英樹取締役代表執行役社長は「3カ月前に就任して、3カ月で買収とはスピードの速い世の中だ」との感想を述べたのち、「携帯電話事業を持っていない日本テレコムはともかくISP事業、ブロードバンド事業しかないと考えた時、大きく羽ばたくためにはどこかと組んだほうが早いと考えた」とコメント。「リップルウッドに“Yahoo! BBを買ってよ”とお願いしたら孫さんも同じことを考えていた」と続け、「孫さんと話せば話すほどビジョンが同じであり、シナジー効果があると考えた」とした。買収については「私もエキサイトしているし、社員も燃えてくれている」とコメント、「より多くのサービスが2つのグループから提供できる」と意気込みを語った。

 日本テレコムが保有する約12,000kmの光ネットワークインフラについては「ビルなどは自分たちでやっていく考えだったが、戸建て向けには基本的にどこかのを使わせてもらう方針だった」とコメント。「今後買収によって光インフラをどうしていくかは重要な課題だろう」と説明した。

 リップルウッド・ホールディングスのティモシー・コリンズCEOは「今回の買収は日本の通信業界に革命をもたらすだろう。その瞬間に立ち会えたことは幸せだ」とコメント。日本テレコムを手放すことは自身の息子の大学進学になぞらえ「息子を誇りに思う一方で、息子がいなくなったベッドを見ると寂しいという悲喜こもごもな気持ち」と説明。「良い変化が日本におきるだろう。ソフトバンクの戦略的なビジョンにお任せする」とした。


関連情報

URL
  ニュースリリース(日本テレコム)
  http://www.japan-telecom.co.jp/newsrelease/2004/may/nr040527/nr_fs.html
  日本テレコム
  http://www.japan-telecom.co.jp/
  ソフトバンク
  http://www.softbank.co.jp/

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(甲斐祐樹, 工藤ひろえ)
2004/05/27 18:46
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