Broadband Watch logo
最新ニュース
【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
オプティキャスト、「スカパー!対応光ファイバーTV」のデモを公開

スカパー!対応光ファイバーTV OPCAS(オプキャス)
 オプティキャストは、光ファイバを利用した放送サービス「スカパー!対応光ファイバーTV OPCAS(オプキャス)」のデモ環境を報道向けに公開した。現在は集合住宅向けにサービスを展開しているが、今後は戸建て向けサービスも検討しているという。

 オプキャスは、光ファイバを利用して地上デジタル/アナログ放送、BSデジタル/アナログ放送、スカイパーフェクTV!(スカパー!)、FMラジオを放送するサービス。番組はIP化せずに放送波のまま映像を伝送、同軸ケーブルなどの既存設備をそのまま利用できる。

 サービスの対象は現在のところ集合住宅が主で、現在は東京23区でサービスを展開、2004年度中に東京23区全域をエリアとする予定。また、同じく2004年度中には東京周辺エリア、一部の大阪エリアでのサービス提供を検討しているという。

 月額料金は映像回線利用料が1棟につき18,900円、配信設備利用料が1世帯につき410円で、この料金を支払うだけで地上アナログ/デジタル、BSアナログ/デジタル、FMラジオ放送が利用できる。また、加入料2,940円、月額基本料金410円を支払うことでスカパーも視聴できる。スカパー!の利用料金は通常と同額だが、チューナーは月額315円でレンタル提供される。

 公開されたデモルームでは、各部屋にテレビを設置、スカパー!や地上デジタル放送が視聴できる環境が整えられていた。インターネット接続のためにオプキャスとは別の光ファイバが導入されており、Bフレッツ・マンションタイプがLAN配線で構築されている。地上デジタル放送やFMラジオ放送は光ファイバ経由で放送されるため、電波に関係なく安定した視聴が可能になっている。


オプキャスで利用するチューナー。外観は通常のスカパー!と同様だが、内部の仕様が異なるという 壁には同軸ケーブルとLANケーブル用のインターフェイスが用意されている

同軸ケーブルが用意されている場所にチューナーを設置するだけで視聴できるため、ケーブルの取り回しなども用意になる 光ファイバによるインターネット接続も利用可能

付近の電線から光ファイバを引き込んでいる 引き込み用配管からマンション全体へ光ファイバを引き込む

戸建て向けサービスも前向きに検討

オプティキャスト代表取締役の仁藤雅夫氏

システムイメージ。集合住宅ではインターネットと映像伝送で別の光ファイバを用いているが、1本での波長多重化も可能
 オプティキャスト代表取締役の仁藤雅夫氏は、オプキャスの導入状況について「サービスの内容もわかりやすく、地上デジタルなどテレビのチャンネル数も多いため評判は良い」と説明。サービスを開始してから3カ月あまりと短いため、オプキャスが導入済みの物件は4棟と少ないものの、導入が決定している物件は約5,700戸に上るという。

 仁藤氏は「東京ではマンションがどんどん増えていて、それぞれが付加価値を必要としている。もはやインターネット環境は必須になっており、“光ファイバーテレビ”といった言葉が武器になっている状況だ」と説明。また、地上デジタル放送の開始で既存マンションがテレビの受信環境を見直し始めるといった動きも追い風になったと付け加えた。

 現在のところオプキャスでは光ファイバ1本を利用しており、インターネット接続用には別の光ファイバを利用している。これは多くの場合集合住宅には複数の光ファイバが導入されているため。仁藤氏は「実証実験では1本の光ファイバでインターネット接続と映像配信を同時に実現しており、1本の光ファイバを使った戸建て向けのサービスも可能」と説明。すでに光ファイバによるインターネット接続環境を導入している住宅でもオプキャスに対応可能だとした。

 仁藤氏は「インターネット接続と映像配信を同時に行なう波長多重化自体はどの通信事業者でもできるだろう」との考えを示したのち、「我々はいつでもサービス提供できる状態にあるが、ネットワーク提供側が波長多重を導入し、料金設定を行なうことが必要になってくる」と語った。戸建てでオプキャスを導入したいという声も多く上がっており、仁藤氏は「今年中は無理ながらも、できるだけ早い段階で戸建て向けのサービスを提供したい。そのためにネットワーク事業者へ我々も働きかけていく」という意気込みを示した。

 オプティキャストでは営業部隊を有しておらず、通信キャリアと組むことで営業展開していく方針。仁藤氏は「通信キャリアがどこであろうとも、光ファイバがあればオプキャスは提供できる。オプキャスは放送サービスならば圧倒的な強さを持っており、通信キャリアもオプキャスと組むことでサービスを売りやすいだろう」と語った。

 なお、光ファイバを利用してIPベースで映像配信するサービスについて仁藤氏は「伝送経路が何であれ、最終的にテレビで視聴する場面ではチャンネル数や選択の自由度が重要になる。その点ではオプキャスが圧倒的に優れているだろう」とメリットを強調。「放送で流れているものをわざわざIP化するのは必要性がなく、IPならではのサービスが必要になるだろう」との考えを示した。


関連情報

URL
  オプティキャスト
  http://www.opcas.jp/

関連記事
オプティキャスト、「スカパー!対応光ファイバーTV」をサービス開始


(甲斐祐樹)
2004/06/04 20:07
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved.