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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
JEITA、無線LANなど免許不要局からの利用料徴収案に反対の意見を表明

 社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は、総務省の電波有効利用政策研究会で検討されている電波利用料制度の見直しに関する報告書案について、7月21日に正副会長会議を開催し、無線LANなどの免許不要局から利用料を徴収すべきでないという意見書を公表した。


小電力無線の利用拡大や帯域逼迫を踏まえた利用料徴収案

 免許不要局からの利用料徴収案は、7月15日に開催された電波有効利用政策研究会の第14回電波利用料部会で提案されたもの。電波利用料制度の導入時はコードレス電話やラジオマイクといったごく限られた範囲でのみ免許不要局が利用されていたのに対し、現在は小電力無線システムとして無線LANやPHS、ETCなど利用分野が拡大。また、免許不要局用の周波数帯域も利用料創設当時の90MHz幅から約100倍の約9,600MHz幅に達し、電波の逼迫状況を深刻化させる要因の1つになっていると同研究会は指摘する。

 電波の利用形態も大きく変化しており、利用料創設時は電子レンジや医療機器など様々な小電力無線システムが併存する「ISMバンド」が中心だったのに対して、現在は免許不要局であっても無線LANのように特定の周波数帯を専用に割り当てることが一般化しているという。同研究会では、ISMバンド以外の周波数帯域では、免許が不要でありながらも特定の周波数を使用している点で免許局と同様に経済的価値を有し、電波監視などの利益を受けていることに留意が必要だとしている。

 同研究会ではこれらの事情を踏まえて、免許不要の小電力無線システムについても電波開放を進める必要があり、電波監視の利益も受けていることから、免許局と同様に電波利用料を負担すべきとの意見が提出された。この際の料金徴収方法は、前通常国会で成立した電波再配分の立ち退き料と同様に小電力無線システムの基準認証実施者から回収する案のほか、立ち退き料を電波利用料の徴収に適用すべきでないという意見が出されている。


JEITAは「e-Japan戦略に反する」「諸外国で徴収例はない」として否定

 JEITAではこの案に対して、10項目に渡る反対意見を表明。この内容を取りまとめたのち、総務省の意見募集で提出する方針だという。

 JEITAでは、「免許不要局は国民が自由に利用すべきものであり、利用料徴収案は、ITを使用して経済社会を発展させることを目的とした『e-Japan戦略』基本方針に反する」として反対。また、一定の帯域を占有する小電力無線システムについても「一定帯域を占有することでさらにその分野を促進させようということであり、この分野への課金もe-Japan戦略基本方針に反する」としている。

 特定の帯域を占有するシステムとしては無線LANが挙げられるが、JEITAは「パソコンに付帯する無線LAN設備について課金することは、政府方針であるIT投資促進税制とまったく相反する」と指摘。さらに経済財政諮問会議の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針 2004」のうち、「新産業創造戦略」の1つとされている「情報家電分野」の育成推進にも反するとしている。

 電波利用料そのものについても「欧米諸外国でも小電力無線局から電話利用料を徴収している例はない」「電波を使って事業を行なっている免許局と違い、免許不要局は事業を行なっていない」「一定の周波数帯域を利用して利益を受けているとしてもその利益は反射的利益であって、免許不要局への電波利用料賦課は広い意味での規制強化となる」として利用料徴収案を否定。電波利用料の使途拡大として、研究開発費やデジタルデバイド解消費用に充当するとしている点についても「研究開発に係る官民の役割分担は慎重に考慮すべきで、使途範囲を安易に拡大すべきでない」としている。

 また、免許不要局から極めて低い利用料を定めるべきという意見については「海外製品も含めて徴収するための制度創設や維持を含めたコストを考えると実益に乏しい」として否定した。


関連情報

URL
  電波利用料制度の見直しに関する意見について
  http://www.jeita.or.jp/japanese/press/2004/0721/index.htm

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(甲斐祐樹)
2004/07/21 19:25
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