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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
パワードコム再生に関する社長会見「2004年度内に映像配信サービスを」

 パワードコムは28日、「新経営ビジョン“パワードコム 再生へのシナリオ”」と題した記者会見を実施した。会見では中根滋代表取締役社長兼CEOが、パワードコムの改善すべき点や再生計画、経営ゴールについて説明した。


「パワードコムは良い会社で再生は可能」

中根滋代表取締役社長兼CEO
 中根氏ははじめに「これまで3カ月間会社の内容を見てきたが、良い会社で再生は可能だと思う」とコメント。「今回は社内の戦略ドキュメントを赤裸々にご報告する」と語った。

 パワードコムが巨額の赤字に落ち込んだ直接の原因として中根氏は、同業他社と比較してインフラ費用の高さを指摘。「他社のインフラ費用が売上に対して4割程度で済んでいるのに対し、それより2~3割多いのでは儲かる訳がない」との思いを語った。また、「利益は赤字会社なので無いが」と前置いた上で、「他社と比較して管理費用が低く、人手はむしろ足りないくらいだ」という点も赤字原因の1つとして付け加えた。

 中根氏によれば「パワードコムはNTTより安く、NTTより良く、NTTより良くと比較できる売上を目指す会社だった」という。ただし、実際には売上の伸び悩みから財務体質が悪化、インフラコストが増大してオペレーションコストがカットされるという「債務超過に陥る会社に共通する負のスパイラル状態」に陥っていたと説明した。

 これらの改善策として中根氏は「事業モデルの整理とスケール目標の設定」「経営スピードの高速化」「商品・ブランド力の強化」「営業力・サービス力の強化」などの施策を紹介。また、中根氏が提唱する「超顧客主義経営」に基づいた顧客重視の方針も示された。中根氏は「先日も通信業界で大きなM&A報道が世間をにぎわせたが、失礼ながら“お客様”といった言葉が見られなかった」とコメント。「パワードコムはお客様を大事にすることで日本市場で勝負していきたい」との意気込みを示した。

 上記の改善策に加えて中根氏は「大規模法人をはじめとした顧客基盤や光ファイバー設備、サポート力に定評のあるDTIや1年間にネットワークが使えなくなる確率を0.001%まで抑えたネットワーク技術」などをパワードコムの武器として紹介。この中でも「全国25万kmにわたって構築した光ファイバ設備はNTTとも対抗できる」と自信を示した。


競合他社と比較したコスト 課題別の改善策その1

課題別の改善策その2 光ファイバ設備の比較

「ユビキタスは光ファイバでなければ実現できない」

ADSLと光ファイバの速度比較
 光ファイバについて中根氏は、光ファイバとADSLの速度比較グラフを紹介。ADSLはNTT収容局からの距離が伸びるについて速度が落ちる点を指し、「ADSLが普及して身の回りの生活が何か変化しただろうか。ADSLを批判する訳ではないが、ADSLではユビキタスは実現しない」との考えを示した。

 さらに中根氏は「ADSLと光ファイバの本質的な違い」として通信速度の違いを指摘。「2時間のMPEG-2コンテンツをダウンロードするのに実効10MbpsのADSLなら63分かかるが、実効70MbpsのFTTHなら9分で済む。さらに1Gbpsの回線であれば54秒で良い」との例を挙げ、「速度が1Gbpsくらいなければユビキタスは実現できない」と語った。

 中根氏はユビキタスのソリューションについて「最後に使うのは誰かといえば、やはりコンシューマーになる」とコメント。電力系グループや個人向け光ファイバ接続サービス「TEPCOひかり」と連動し、インターネット接続とIP電話、映像配信の「Triple Play」サービスの提供も検討しているという。このうち映像配信については東芝と共同での取り組みが2003年度決算で公表されており、「2004年度中に映像サービスを揃えたいが、現在は実証実験の段階」と説明された。

 中根氏は2010年のブロードバンド環境予測として「基幹系ネットワークは40Gbpsに達し、ネットワークアクセスは4GやWiMAX、PLCが登場する」と説明。「携帯電話も100Mbpsで通信できる時代が来るだろう。パワードコムとしてもどこかのタイミングで携帯電話事業へ参入しようと思う」との考えを示した。ただし、携帯電話事業については「日本では2つのすばらしい携帯電話事業があるので、これと真っ向から競争することはしないだろう」との意見が付け加えられた。

 2004年度は電力系10社から900億の増資を受け、2,506億円の有利子負債を2004年9月には1,870億円へ、2005年3月には1,500億円へと削減する方針。翌2005年度は「攻撃に転じるステップ2」として連結売上高3,000億円と経常利益10%以上確保を目標とする。その先はステップ3として「連結売上高1兆円の法人事業No.1となり、NTTと対抗できる力を身につける」考えだ。中根氏は「NTTと戦っても、孫さんの日本テレコムと戦っても互角となるように」との意気込みを示した。


2010年の通信業界トレンド予測 モバイル通信は今後100Mbpsに達するという

企業のほか個人ユーザー向けのサービスも提供。映像配信サービスを予定する 財務体質の改善目標

関連情報

URL
  パワードコム
  http://www.poweredcom.net/

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(甲斐祐樹)
2004/07/28 20:05
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