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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
iPodとiTunesを使い倒そう! イベント「iPod&iTunes Hacks」が開催

 12月8日、東京・渋谷のソーシャルネットワーキングBARで、イベント「iPod&iTunes Hacks」が開催された。イベントには「Blog Hacks」の著者である宮川達彦氏が、iPodやiTunesに関するHackを紹介した。


LAN接続型HDD内の楽曲共有や外部からのiTunes操作も可能

宮川達彦氏

AirMac Express
 宮川氏ははじめに「あまり知られていないかもしれないが」と前置いた上で、iTunesのファイル共有機能を紹介した。iTunesの設定画面でファイル共有をオンにすることで、同じセグメントのLAN上で動作している他のユーザーのiTunesの音楽を視聴できる。ただし、他のユーザーの楽曲を自分のHDDへダウンロードすることはできず、他のユーザーがPCの電源を落とした場合はその音楽も聴けなくなる。宮川氏は「見せたいプレイリストだけを指定したり、パスワードも設定できる」と補足した上で、「会社内であればみんなでiTunesを立ち上げ、他のユーザーの音楽を聴くという楽しみ方もできる」と語った。

 iTunesのファイル共有は、DAAP(Digital Audio Access Protocol)という独自のファイル共有規格で動作しており、宮川氏は「DAAPを自分で実装すれば、ファイル共有にiTunesを使う必要はない」とコメント。LAN接続型HDDとソフトウェア「mt-daapd」を組み合わせて、LAN接続型HDDに保存した楽曲ファイルを、他のPCのiTunesで共有して再生できる方法を紹介した。

 続いて宮川氏は、IEEE 802.11g準拠の無線LANを搭載したiPod向けの周辺機器「AirMac Express」を使ったHackを紹介。AirMac Expressは、iTunesと連携してネットワーク経由で音楽を再生できる機能「AirTunes」を利用することで、PC内の楽曲ファイルをAirMac Expressに接続したAVアンプやミニコンポで再生できる。宮川氏は「PCの音声出力にFMトランスミッタをつなげても同じようなことはできるが、AirTunesであればメール受信などの音は再生されず、iTunesの楽曲だけが再生される点が良い」と解説した。

 Keyspanが発売しているAirMac Express用の赤外線リモコン「Keyspan Remote」も紹介。Keyspan RemoteをAirMac ExpressのUSBポートに接続することで、リモコンでiTunesの楽曲を操作できるほか、PCのUSBポートに接続すればWindows Media PlayerなどiTunes以外のプレーヤーも同様に操作できる。

 宮川氏は「AirTunesの遠隔操作はDACPというプロトコルで行われているようだが、現時点ではプロトコルは公開されていない」としたが、これが公開されれば、グローバルIPアドレスが割り当てられたサーバーを用意し、外部からインターネット経由でiTunesが操作できるなど、様々な応用が考えられるとした。


iTunesでLAN内のプレイリストを共有 LAN接続型HDDとmt-daapd、Linuxを組み合わせた楽曲ファイルの共有

iTunesの楽曲を無線経由で再生できるAirTunes AirTunesを遠隔操作できるKeyspan Remote

海外では他のユーザーのiTunes楽曲を再生できるサービスも

iTunesを使った海外のWebサービス
 iTunes関連サービスでは、iTunesで聴いた楽曲をサーバーに送信してリスト化する「Audioscrobbler」を紹介。無料のアカウントを作成することで、作成されたリストから自分に似ているユーザーを探すことも可能で、SNS(ソーシャルネットワークサービス)機能も搭載しているという。さらにAudioscrobblerの開発者が始めた「Last.FM」というサービスでは、自分以外のユーザーのプレイリストにある楽曲をネット経由でストリーミングして聴くことが可能だという。宮川氏は「楽曲ファイルはLast.FMが所有し、英国の著作権もクリアしているようだ」と補足した。

 iPod本体関連では、Web型RSSリーダー「Bloglines」の未読RSSをiPodへ転送する「Bloglines2iPod」、Microsoft Agentの「Text-to-Speech Engine」と組み合わせ、RSSの内容を音声ファイルに変換してiPodで聞くことができる「rss2Audiobook」を披露。また、RSS 2.0とMP3/AAC形式の音声ファイルを連携させた「PodCasting」も紹介された。PodCastingは海外で個人ラジオ的に利用されており、「iPodder」というソフトを使ってRSSを登録しておくと、新しい音声ファイルを自動で収集、iPodに取り込むことができるという。宮川氏は、「今は海外の個人ラジオのようなファイルが中心だが、日本でも普及すれば面白くなるのでは」との考えを示した。

 PodCastingの課題として宮川氏は「人気のコンテンツはダウンロードが集中すると帯域に負荷がかかる」と指摘。この解決策としてP2Pによる分散ファイル配信ソフト「BitTorrent」のネットワークを利用した負荷分散が現在検討され、すでに一部のソフトウェアでは対応がはじまっているとした。

 なお、今回のイベントの内容は、12月16日に東京・神保町で行なわれる「Shibuya Perl Mongers テクニカルトーク #5」でも講演される。


未読RSSやRSSを音声化したファイルをiPodへ転送 RSSと関連付けて音声ファイルを配信する「PodCasting」

関連情報

URL
  ソーシャルネットワーキングBAR
  http://snbar.ameblo.jp/
  関連記事:家中どこでも音楽ライブラリが楽しめる生活 アップルコンピュータ 「AirMac Express」 [AV Watch]
  http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040723/dev078.htm

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(甲斐祐樹)
2004/12/09 15:07
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