ライブドアは、ライブドア・パートナーズを通じて、ToSTNeT-1による時間外の市場内取引によってニッポン放送株の買い付けを8日付で実施したと発表した。買い付け株数は、972万270株で、ニッポン放送の発行済み株式の29.6%に達する。
また、ライブドア自身も7日までにニッポン放送の株式175万6,760株(発行済み株式の5.4%)を取得しており、ライブドア・パートナーズの買い付け分と合わせて1,147万7,030株(同35.0%)を保有することになった。
■ サイトのコンテンツを強化し、広告収入に依存しないビジネスモデルを目指す
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ライブドアの堀江貴文代表取締役兼CEO
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買収資金の調達に800億円のCB(転換社債)を発行したライブドアの堀江貴文代表取締役兼CEOは8日に開催された記者会見で、「35%も株式を取得すれば死にものぐるいでやらざるを得ない。ニッポン放送に命を懸ける」と意気込みを語った。既存メディアであるラジオ放送に、インターネット業界で培ったライブドアのノウハウを組み合わせてサービスを強化するという。
「ラジオやテレビはリーチが高い。月に一度もフジテレビを見ない人は少ないでしょう」と堀江社長。当然、視聴者は放送局のサイトにもアクセスするが、「せっかく訪問したサイトにインターネットならではのコンテンツが不足していたため、ビジネスチャンスを逸していた」と分析する。
「例えば、ニッポン放送のサイトでは自局の番組紹介がメインコンテンツで、ほかの情報は少ない。しかし、『livedoor』のようなポータルサイトであればニュースも配信するし、ショッピングモールもあり、アクセスしてくれたユーザーが滞留してくれるはず。知名度の高いニッポン放送と、インターネットのノウハウを持つライブドアが提携することは、双方にとってWin-Winの関係だ」。
ニッポン放送のサイトに、Webメールや掲示板、オークションなどの機能を付加し、放送局側がユーザーのアカウントを管理することで、広告収入に頼らないビジネスモデルを構築する――というのが堀江社長の考え。「今後は広告収入の減少をにらみ、ユーザーからの手数料収入やコンテンツの直接取引など、インターネットを通じたビジネスモデルを考える必要がある」と見方を示した。
株式取得の経緯については「フジテレビのニッポン放送株のTOB(公開買い付け)と、今回の株式取得は関係ない。単なる事業提携や協業では利害関係が発生し、スピーディにいかないこともあるため、ある程度のまとまった株式を買収した」「取得した株式の転売は考えていない。状況に応じて株式の買い増しなども行なう」とコメント。今後は、ニッポン放送やフジテレビと交渉し、「(事業提携の)落としどころを探る」とした。
■ URL
ニュースリリース
http://corp.livedoor.com/pressroom/pressrelease/content?id=534
ニッポン放送
http://www.jolf.co.jp/
開示情報(ライブドアによる買い付け、PDF)
http://finance.livedoor.com/disclose/tmp/22080010_20050208.pdf
開示情報(ライブドア・パートナーズを通じた買い付け、PDF)
http://finance.livedoor.com/disclose/tmp/120800d0_20050208.pdf
(鷹木 創)
2005/02/08 12:49
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