FTTHサービス「TEPCOひかり」を展開する東京電力 光ネットワーク・カンパニーは16日、幼稚園のIT化推進プロジェクト「ひかり de 幼稚園」のデモンストレーションを行なった。ネットワークカメラを使った園内映像のリアルタイム配信やテレビ電話による英会話学習の様子を、園児参加のもと報道関係者向けに公開した。
■ 園児の様子をリアルタイムで映像配信
デモンストレーションの会場は、1月中旬から「ひかり de 幼稚園」の取り組みに参加している小鳩幼稚園(東京都渋谷区笹塚)。入園を控えた未就園児童とその父母による、体を動かすお遊戯の模様が公開された。部屋の片隅にはパン・チルト機能を備えた一般的なネットワークカメラを設置しており、事前にIDとパスワードが配布された保護者なら、自由にそのカメラを操作して様子を観察できる。ライブカメラが、幼稚園内にそのまま設置されていると考えてよいだろう。児童も特にカメラを意識することなく、自由に遊んでいた。
今回はお遊戯の様子を配信していたが、昼食を味わっている園児の模様を伝える試みも行なわれているという。また、現在はリアルタイム配信のみだが、映像のストックを行ない、オンデマンド配信するシステムがまもなく完成予定だ。
会場ではほかにも、英会話スクールを運営するNOVAのテレビ電話サービス「ギンガネット電話」を用いて、保護者面談や園児の英会話レッスンを行なう様子も披露された。専用機器を家庭用テレビに接続して使うタイプのサービスだけに、小鳩幼稚園の園長である久松洋行氏も「園児の父母に限らず、遠隔地に別居する祖父母とも面談できるだろう」としている。
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体を動かしている様子などを……
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別室のモニタで確認できた。もちろん、父母宅のパソコンなどから参照することも可能だ
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英会話レッスンには園児10数名が同時に参加していた
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部屋の一角にネットワークカメラを設置
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■ 運用ルールは今後の検討課題
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東京電力 光ネットワーク・カンパニー 営業企画部部長の稲生秀俊氏
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ひかり de 幼稚園の取り組みは、現段階で小鳩幼稚園でのみ展開中。ただ、東京電力 光ネットワーク・カンパニー の営業企画部部長である稲生秀俊氏は「(ひかり de 幼稚園に参加したいという)積極的な幼稚園は多数あったが、今回は1施設に絞らせていただいた。潜在的な需要はかなりありそうだ」と付け加える。
なお、今後検討していくべき課題として挙げられたのが「運用ルール」だ。映像配信は現在、幼稚園のサイト上で事前に告知した時間帯のみ行なっている。これが完全に常時になってしまうと、園児に付き添う保育士の働きざまを監視する目的が強くなってしまうからだという。
また、配信するのは映像のみで音声については対象としていない。「幼稚園という性質上、お子様を名指しして叱ることもある。その音声が別の保護者や園児に聞かれることについては、検討すべき余地がある」と久松氏も説明する。「現場だけでは対応しきれない難しい問題もあるので、ご父母ともども一緒になって考えていきたい」と語っている。
■ 幼稚園における、FTTHの有効な活用事例を紹介
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小鳩幼稚園の久松洋行園長
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デモンストレーションに先立ち、稲生氏がまず趣旨を説明した。「我々が運営するTEPCOひかりの強みは、上り・下りともに最大100Mbpsの高速通信、そして安定した通信品質」とした上で、「動画を送る、発信するという広帯域が必要なサービスでこそ真価を発揮できる」と強調。さらに「遠隔医療を始めとしたさまざまな生活シーンでの応用が期待できるのがTEPCOひかりだ」として、「全国に数多くある幼稚園の中でも、特に先進的な事例を紹介したい」と語った。
また、園長の久松洋行氏は以前からインターネット活用を模索しており「ホームページの作成はもとより、園児が書いた絵をWeb上に公開する試みも行なっている」という。「ネットワークカメラを園内に設置することもちょうど考えており、(ひかり de 幼稚園参加の)お誘いは、まさに絶好のタイミングだった」と話す。
ひかり de 幼稚園の利点については「園児の笑顔を父母の皆さんにいつでも届けられる。職をお持ちのご両親でも、安心してお仕事に取り組んでもらえるようになるのでは」と、大きな期待を寄せているという。
■ URL
TEPCOひかり
http://www.tepco.ne.jp/
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(森田秀一)
2005/02/16 17:20
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