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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
アイ・オー、複数のセキュリティ機能で保存データを保護する「iSPIS」

iSPIS(information Security & Protection by I-O DATA Solution)
 アイ・オー・データ機器は2日、外部接続型のHDDやUSBメモリのデータを保護するセキュリティシステム「iSPIS(アイ・スパイス)」を発表した。3月下旬以降販売されるHDDやUSBメモリなどの新製品が対応するほか、既存製品でも順次対応する予定だという。

 iSPIS(information Security & Protection by I-O DATA Solution)は、同社の外部接続型HDDやUSBメモリのデータを、複数のセキュリティ機能を組み合わせて暗号化やロックなどを施し保護するセキュリティシステム。同社では、個人レベルでもコストをかけずに導入が可能なほか、ユーザーが意識せずにセキュリティ機能を導入できるシステムだとしている。また、iSPISを導入することでストレージ機器の紛失や盗難に伴う情報漏洩に効果的だという。

 iSPISのセキュリティ機能は、「HDDロック」「暗号フォルダ」「e-割符」「SUGate」「VOLATILE」の5種類あり、それぞれの機能を最大3種類まで組み合わせて利用する。

 「HDDロック」は、HDDをハードウェアレベルでロックし、ロック解除にパスワードまたはUSBメモリを利用する機能。HDDが盗難にあった場合でもデータの抽出ができないほか、ハードウェアレベルでロックを施すため分解されてもデータ抽出が不可能だという。また、USBメモリの保存データに同様なロックを施す機能が「SUGate」となる。両機能に対応するストレージ製品には、TSSL(Trusted Structure of Security Lock Technology)を採用する。

 「暗号フォルダ」は、特定のドライブまたは第1階層フォルダを暗号化し、該当箇所に保存するデータを自動的に暗号化する機能。暗号化を行なったパソコンからはファイルを認識するが、パスワードで暗号化を解除しない限りファイルの内容は閲覧できない。暗号化技術には256bitのAESを採用する。

 「e-割符」は、データを暗号化した上でビット単位で分割し、分割したデータ全てが揃わない限り復元できずデータの閲覧を不可能とする機能。重要データを持ち出す際に、同機能を利用して分割することで、データ流出のリスクを軽減できるとしている。

 「VOLATILE」は、USBメモリにデータを揮発的なフォルダを生成する機能。生成されたフォルダは、USBメモリの取り外しを実行するとフォルダ内のデータを自動的に消去する。なお、同社はVOLATILEについて特許を出願中だという。


アイ・オー・データ機器代表取締役社長の細野昭雄氏
 iSPISに対応する製品は、2日現在で外部接続型HDD、USBメモリ、MOドライブの合計10製品を予定しており、製品には個別に1~3つまでのセキュリティ機能を標準搭載する。HDDでは3月下旬発売予定の「HDH-SU」シリーズ、「HDW-UES」シリーズ、4月下旬発売予定の「HDPX-SU」シリーズのほか、既存製品では「HDH-UEH」シリーズが3月末に、「HDZ-UES」シリーズが4月末にファームウェアのアップグレードなどで対応する予定。

 USBメモリでは、3月下旬より発売する「ED-S」シリーズが対応するほか、MOドライブは、既存製品の「MOA」シリーズ、「MOC2」シリーズ、「MOH2」シリーズ、「MOP2」シリーズが4月末より対応予定。また、その他LAN接続型HDDなど既存のストレージ製品についても。順次iSPISに対応させていく方針だという。

 今回のiSPISの提供開始について、代表取締役社長の細野昭雄氏は「情報漏洩が頻発するようになり、USBメモリの使用禁止やUSB機器自体を使用禁止にする企業が多くなりつつある」とし「USB機器の利便性を損なわずにセキュリティ機能を付加できるシステムとして展開したい」と期待を述べた。また、iSPISの展開については「企業向けと個人向けの双方で利用が期待できる」としながらも、「企業向けの提供ではある程度の見通しがあるが、個人向けでの展開は未知数」「(個人情報保護法施行直前の)3月末にならないとわかからない部分もあるので、当面は企業向けの展開を中心とする」とコメントした。


iSPISで採用したセキュリティ技術。 iSPISは複数機能を同時利用するシステムであることをアピールしている 提供は法人を中心に行ない、売り上げは月間4億円が目標だという

iSPIS対応機器一覧 iSPISに対応予定の既存製品 「暗号フォルダ」のデモ画面。右側のテキストファイルを暗号化したものが左側のファイル

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.iodata.jp/news/2005/03/05_pr004.htm
  関連記事:アイ・オー、セキュリティ機能を強化したUSBフラッシュメモリ[PC Watch]
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0302/iodata2.htm

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(大久保有規彦)
2005/03/02 17:51
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