スーパーサットとアトラスは、Webサイトの閲覧や海外のテレビ放送の視聴が可能なセットトップボックス(STB)「MegaBox」を4月より販売する。オープンプライスで、店頭実売価格は39,800円前後になる見込み。
■ MPEG-4形式で800kbps~1Mbpsの動画を配信
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「MegaBox(MB-1)」(写真右)
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MegaBoxは、OSにWindows CE 5.0を採用するとともに、ダウンロード番組を保存できる40GBのHDDを搭載したSTB。ネットワーク設定はUPnPを利用し、ADSLモデムやルータなどに接続することで完了する。また、本体操作は付属の赤外線リモコンを通じて行なう。同製品の利用には、販売開始に合わせて開設されるこれに専用ポータルサイト「MegaWorld」との契約が必要で、月額料金は945円。
動画コンテンツは、MPEG-4形式を採用して配信され、配信帯域は番組ごとに異なるが800kbps~1Mbps前後を見込むという。視聴コンテンツとしては、海外テレビ局のストリーミング配信と、ダウンロードによる教育コンテンツや映画作品などが有料で視聴できる。
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本体背面。映像や音声端子のほか、USBポートやLANポートなどを備える
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付属のリモコン
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MegaWorldのトップ画面。本体操作は付属のリモコンから行なう
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海外テレビ局は中国や台湾、韓国、オーストラリアなどの合計22局を、ほぼリアルタイムで配信していくという。スーパーサットによれば同社専用サーバーを通じて、アップロードされた番組映像を配信し、実放送との時間差は約8秒程度になるとしている。海外テレビ局視聴時のオプション料金は月額1,500円で、同社では今後も提携海外テレビ局を拡大するとしている。なお、配信放送局追加時には、利用料金を見直す場合もあるという。
ダウンロードコンテンツとしては、英会話番組や環境映像、映画、成人向けコンテンツなどが用意され、同社によれば約3,000タイトルを順次配信していくという。コンテンツの視聴料金は、1タイトルあたり100円程度から販売される。また、HDDに保存した一部コンテンツについては、事前に設定された視聴期間が経過すると削除される。
いずれのコンテンツも、ユニキャスト方式およびマルチキャスト方式を組み合わせて配信される。また、同社では専用サーバーは数万人規模のアクセスが可能と説明。今後はオークション番組や通信販売番組といった番組配信をする企業への対応も行なっていくとしている。また、著作権保護面では、DRMやマクロビジョンをサポートするという。
なお、同社によれば「各国ごとの放送基準を満たした番組については、海外からの視聴も可能ではないか」としている。
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台湾や韓国、中国などの海外放送局が視聴可能
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ストリーミング配信をしたところ。画面は全画面表示も可能だという
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各国の風景映像のダウンロード購入が可能
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語学コンテンツも用意するという
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配信契約を結んだ海外テレビ局一覧と、配信過程
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■ ブラウザやメール機能もサポート
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MegaWorldではジャンル別のリンク集を用意する
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MegaBoxでは、Webブラウジング機能や電子メール機能を搭載。スーパーサットが用意したニュースや天気、グルメなどジャンル別リンク集のほか、電卓や時計、MSNメッセンジャーを起動するためのショートカットボタンなども用意される。また、アトラスが提供するゲームコンテンツなども配信も予定するという。
課金決済には、1ポイント1円からの同社独自のポイントシステムを利用する。ポイントはMegaWorld内から購入が可能で、決済方法としてクレジットカードやコンビニエンスストア決済、銀行・郵便局振り込みが利用できる。
本体仕様面では、CPUがVIA C3 1GHz、メモリ容量が128MBで、映像出力端子にはコンポジット×1、S映像×1、D-sub×1、音声出力端子にアナログ音声×1を備え、本体解像度は640×480ドット。このほか、LANポートやUSBポート、マイク/マウス/キーボード/プリンタ/シリアル接続端子などを備える。ただし、一部接続端子については、現段階での利用には対応せず、今後サポートする機器も含まれる。なお、本体サイズは430×345×90mm(幅×奥行×高)。
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天気情報サイトにアクセスしたところ。表示解像度はVGAをサポート
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各ポータルサイトへのリンク集も
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アドレス入力によるお気に入りの追加も可能だという
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メール機能ではOutlook Expressを利用する。ほか、Webメールサービスなどへのリンクも用意
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時計や電卓などの起動ページ
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(写真左から)アトラスの猪狩社長と、スーパーサットの嘉納社長
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スーパーサットとアトラスでは、MegaBoxの発表に合わせて発表会を開催。スーパーサットの嘉納行則代表取締役社長は、「MegaBoxはテレビと接続するだけで利用できる製品。一方のMegaWorldは、実用からエンターテインメントを網羅したトータルプラットフォームで、海外番組も用意している」とコメント。また、「国内ではすでにブロードバンドサービスが始まっているが、他社製品とは差別化された製品だと考えている」とも語った。
日本国内で販売元を務めるアトラスの猪狩茂代表取締役社長は、「プリクラで一世を風靡した当社ではあるが、その後の新たな商品に恵まれていない」と同社の現状を説明。その上で、「MegaBoxを国内はもとより、海外を含めて販売していきたい」と抱負を語っていた。
両社では、MegaBoxの初回出荷台数を5万台と予定しており、2005年度を通じて20万台の出荷を目標に展開するとしている。
■ URL
ニュースリリース(PDF)
http://www.atlus.co.jp/ir/press/pdf/press205_0411.pdf
アトラス
http://www.atlus.co.jp/
(村松健至)
2005/04/11 18:19
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