東芝が運営するブロードバンドコンテンツサイト「Toshiba Web Street」は、角田光代の同名小説を原作にした第9弾Webドラマ「真昼の花」を4月27日より配信する。視聴は無料で、4月20日からは予告編の配信が開始された。
真昼の花は、Toshiba Web StreetのWebドラマとしては初めて原作を使用した作品で、原作者の角田光代は小説「対岸の彼女」で第132回直木賞を受賞している。森下千里演じる主人公の“私”は、兄(戸田幸延)が家を出ていき、さらに母の急逝によって1人で過ごすことになる。その後、兄を捜すという名目で会社を辞めた“私”は、沖縄でバックパッカーとして生活する中で、アキコ(伊藤裕子)やサラリーマン(黒田アーサー)との出会いを通じて自我が目覚めていく。そんな生活の中、オオバくん(松本壮一郎)から兄が自宅に帰っていることを電話で伝えられた。
作品の視聴にはWindows Media Playerを使用し、配信帯域は300kbps。作品は4月27日より第1話が配信され、第2話以降も順次配信を開始していく。なお、同作品は2005年秋に劇場公開を予定している。
「真昼の花」第1話の映像
Toshiba Web Streetでは配信開始に先立って、監督や出演者らが出席する制作発表会を4月20日に開催した。出席者は、“私”を演じた森下千里のほか、黒田アーサー、伊藤裕子など。
本作「真昼の花」を含め、Toshiba Web Streetで配信されるWebドラマを手がける秋原正俊監督は、角田光代氏の同名小説を原作に選んだ点について「原作をベースにした作品を制作するにあたっては、原作者がどいうことを考えているかを知りたいと思っていた」とコメント。そして、「角田氏とは会社の同僚だったこともあり、今回『真昼の花』を原作に使用させてもらった」と制作にあたっての経緯を明らかにした。なお、秋原監督によれば、原作作品ではあるものの、「出演者と連絡を取りながら、原作を生かしながら内容を変更した」という。
主人公“私”を演じる森下千里は、これまでにもToshiba Web StreetのWebドラマ「Break Out!」「フーチャ~旋律の彼方へ…」に出演。今作で演じた“私”の印象については、「普段の自分とは違って、こもり気味な性格で新鮮味があり、楽しんで演じることができた」と述べた。なお、過去2作品に関してはどちらも歌手という役柄で、セリフが少なかったとのことだが、秋原監督は「原作を読み込む中で、森下さんが主人公に一番あっていると考え、起用に至った」と述べた。