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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
ドラゴン桜の三田氏とライブドア堀江氏が語る「勉強とビジネスの秘訣」

 4月25日、漫画「ドラゴン桜」の作者である三田紀房氏と、英単語帳「ホリタン」を執筆したライブドアの堀江貴文社長による対談が明治大学で行なわれた。対談では堀江氏が、大学受験とビジネスに共通する持論を展開した。


漫画家は、面白ければデビューするチャンスが多い職業

「ドラゴン桜」作者の三田紀房氏。3月にもらった「ドラゴン桜を読んで東大に合格しました」というお便りがとても嬉しかったという
 ドラゴン桜は、講談社発行の週刊モーニングで連載中の漫画。破産した私立高校を再建するためにやってきた弁護士の桜木は、「5年後に東大合格を100人出す」を目標に、1年間で東大に合格するため特別進学クラスを開設する。現状の生活に満足できず、脱出を願う矢島と水野の2人は、半信半疑ながらも特別進学クラスに参加。次第に桜木の理論を理解し、本気で東大合格を目指しはじめる。

 「ドラゴン桜」を連載当初から読んでおり、「ここまですごいと思った漫画は初めて」と絶賛する堀江氏。一方で三田氏も「ホリタン」を「単語をグループ化して覚えるというアイディアが斬新で今までになかった」と高く評価していたことから、今回の対談が実現した。

 はじめに1人で登場した三田氏は、母校である明治大学の思い出を振り返り、「当時は剣道部の部活と、両国にあるちゃんこ屋のバイトしかしていませんでした」とコメント。卒業後は百貨店に就職したが、「サラリーマンは向いていない」と感じて退職。自ら商売を始めたものの、赤字ばかりで一向に利益が出せなかったという。三田氏は「これ以上商売を続けると危ないと感じ、商売をやめて手っ取り稼ぐ方法を考えたら漫画だった」と漫画家になった経緯を語った。

 三田氏によれば漫画家という職業は、「ご存じないかもしれないが、漫画家はチャンスが一番多い職業」なのだという。「漫画誌は数え切れないほど発行されていて、各雑誌はそれぞれ新人賞を設けている。漫画は面白ければすぐにデビューできて現金化できる世界」。他の創作的仕事と比べても「小説は間口が狭く、世に出るのが大変。映画もテレビも1人ではできないし、世に出るのに時間とプロセスが必要。漫画はすぐにでもデビューできて、面白ければ翌月から連載ということもある」とコメント。「ただし、生き残るのは大変なので自己責任で頑張ってください」と補足した。


東大合格もビジネスも「やってみれば実は簡単」

三田氏と堀江氏による握手
 イベント開始から遅れて登場した堀江氏は、自身の大学時代について聞かれると「ひきこもりでした」と即答。「大学2、3年目まではバイトしていたが、どんどんバイトの日数も少なくなって引きこもり始めた。そのうち所持金も底をつき、毎日お好み焼きを作って過ごす生活を数カ月続けたら、さすがに苦しくなってきたので、マジメ人間になろうと思ってバイトを始めました」と続けたのち、「バイトでインターネットに出会えてラッキーでした」と語った。

 起業について問われると、「日本に会社は何百万とあり、社長も何十万といる。それだけの社長がいるということは誰でも社長はできるということ」との持論を展開。ドラゴン桜のストーリーを踏まえて「東大に入るのが難しい、と思っているのと同じこと。起業は実際にやってみれば実は簡単で、それは理論的に考えればわかること」と、会場へ意見を投げかけた。

 堀江氏が起業のもう1つの理由として挙げたのが、インターネットの存在だ。堀江氏は「1,000億円の市場で10%を占めれば10億円だが、市場全体が100兆円なら1%でも1兆円。インターネットはどう考えても1兆円市場に届くと思った」との考えを示し、「シェアをとるのは非常に大変なこと。シェア50%を超えるには運が必要だが、1~2%程度なら努力で実現できる」と語った。


自分で自信があるものを100人がダメだと言ったら「勝った」と思え

ライブドアの堀江貴文社長。イベント後半はほぼ堀江氏が話題を主導した
 「起業した後に生き残るのは大変ではないか」との質問には、「楽勝ですよ」と答えたのち、「お金が有りさえすれば会社は潰れない。会社が現金を持っていて、社員が取引も現金で行なっていれば倒産するはずがない。むしろ会社を潰すほうが難しい」とコメント。「努力と気合いと根性で会社はできる。特別な経営の才能は必要なくて、選んだ商売がいい商売だったらうまくいく。いろいろ調べていてそれを実感した」との自説を述べた。

 「仮に会社を潰してしまっても、数年我慢すればまた会社は作れるもの」と堀江氏は続け、「20代だったら2回くらい失敗してもまだ30代半ばだろう。起業したいと思ったらすぐに起業すればいい」との意見を披露。さらに「原価が10円のものを100円で売る、そういった商売がうまくいくし失敗も少ない。それを地道に2~3年続ければ“数億円程度の”小金持ちになれるだろう」と語った。

 ドラゴン桜には、「みんな無理だと思うことを『これでいける』と言い、それに理論があるところがいい」点が気に入ったという。堀江氏は「無鉄砲ではなく理論は必要。まずは自分で調査して納得してから行動に移れ」と語ったのち、「自分で調べて納得した情報を100人に聞いて100人がダメだと言ったら“勝った”と思っていい」とコメント。自身がインターネットビジネスを始めようとしたときも「100人中100人がインターネットを知らないと気づいた時に“来た!”と思った」との体験談を披露したのち、「ドラゴン桜も、こういう漫画を作りたいと思ったら先にやられた」と会場の笑いを誘った。


「ヤフーを超える」目標は「知名度では勝ったと言っていい」

 受験勉強でも、堀江氏は起業に共通する持論を展開。「勉強もビジネスと一緒。学校の先生や親が言うような前提条件はまっさらにして忘れて自分で理論を作ることが大事」と語り、「東大に行きたければ後期試験で6割を取ればいい。そのために6割の科目配分をどうすればいいか、と理論的に考えていくべき」という対策を紹介。「目標を持って黙々と続けると、いつのまにかランナーズハイになる。勉強はマラソンと一緒で、最初はつまらないけれど続けていると気持ちよくなってくる。戦略を立てたらあとは自分を信じて集中し、自分をハイにしていくといい」と語った。

 ライブドアについても「ヤフーを超える、という目標を1年半前に立てたとき、具体的にはヤフーと同じ量のサービスを作り、同じだけの人を呼び込めればいいと考えて人員を投下した」と振り返り、「今はそれが大体できあがってきた」とコメント。「人を集めるためにはまず知名度を上げ、そこでサービスが良ければみんなが使う」とのコンセプトを披露し、「サービスのレベルと知名度では、知名度を上げる方が難しいと思っていたが、今では知名度はヤフーに勝ったといっていいところまできている。あとはサービスのレベルを上げていけばいい話」とした。

 三田氏が大学受験について「実際には暗記物を徹底的にやれば合格できる配分になっているのに、みんな勉強をまじめに考えすぎて、数学や国語のような主要科目ばかり力を入れてしまう。基礎点さえ取れれば主要三科目はいらない」と語ると、堀江氏は「ビジネスも勉強と一緒で、日本人はまじめに考えすぎてしまう」とコメント。「最初はある程度お金が必要とか、成果を得るには嫌なことをやらなくてはいけないとか考えてしまうが、いきなりうまくいって大笑いできるビジネスもある(堀江氏)」。続けて堀江氏は「受験で理科・社会で点数を稼ぐのは邪道と思われがちだが、邪道と言われても勝てば官軍。邪道と考えてしまって、結局失敗して落ち込むほうが良くないことだ」と語った。


関連情報

URL
  講談社
  http://www.kodansha.co.jp/
  ホリタン(livedoor ブックス)
  http://books.livedoor.com/item_detail?id=716689

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(甲斐祐樹)
2005/04/26 11:37
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