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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
KDDI決算、経常利益が過去最高に。メタルプラス契約数は220万を目指す

KDDIの小野寺社長

連結決算
 KDDIは28日、2005年3月期の通期決算発表を行なった。連結ベースの営業収益は前年同期比2.6%増の2兆9,200億3,900万円、営業利益は1.4%増の2,961億7,500万円の増収増益、経常利益は4.3%増の2,863億4,300万円で過去最高となった。当期利益は71.4%増の2,005億9,100万円。

 2005年3月期の連結決算について、KDDIの小野寺社長は「利益面、事業展開について引き続き着実に成果を出した」として、2期連続の増収増益に加え、経常利益が過去最高に達したことを明らかにした。また、「全体売り上げの7割、営業利益の9割を占めるau事業の好調により、固定通信事業などの他セグメントの減収を吸収できた」とも述べた。有利子負債残高に関しては、2005年3月末で8,646億円へと削減され、「当社が目標としていた1兆円を下回ることができた」とした。

 2006年3月通期の見通しでは、営業収益は2005年3月通期比1.9%増の2兆9,760億円、経常利益は0.2%増の2,870億円、当期利益は6.8%減少の1,870億円を見込んでいるという。また、連結決算の見通しではDDIポケット(現社名ウィルコム)を除外したベースも公表されている。

 なお、同社では同日開催の取締役会において、小野寺正代表取締役社長の会長職兼務や天野定功特別顧問の代表取締役副会長職就任などの役員の人事異動を内定したと発表した。これらの人事異動は6月24日開催予定の定時株主総会および取締役会において最終的に決定されるという。


3月末のメタルプラス契約数は4.1万件。06年3月期は220万件を目指す

固定通信事業の売り上げについて
 事業別の売り上げは、au事業の営業収益が前年比14.2%増の2兆927億円、営業利益が14%増の2,731億円で増収増益を達成した。純増シェアについても2年連続で50.4%とトップを達成し、CDMA 1X WINの契約者数も3月末で325万と着実に増加したという。一方、サービス面では着うたフルが好調で、4月3日に累計ダウンロード数が500万曲を突破した。

 au事業全体の契約者数は1,954万2,000契約で、内訳はCDMA 1X WINが325万2,000、CDMA 1Xが1,468万3,000、cdmaOneが160万8,000。2006年3月期の見通しは、「市場全体の増加数を420万と想定し、約半分の200万を確保したいと考えており、2,154万契約を目指していく」とした。このうち、CDMA 1X WINは766万契約を確保したいという。

 固定通信事業(旧BBC&ソリューション事業)では、営業収益が2004年3月期の6,231億円から5,960億円へと減少傾向にあるが、「個別に見れば、コンシューマー部分ではADSLで獲得したユーザーの売り上げにより、第2四半期から対前年同期で増収に転じている」とした。営業収益に関しては、2月に開始したメタルプラスの拡販により80億円の赤字を1月の段階で見込んでいたが、最終的には3億円の赤字となった。

 メタルプラスの3月末の実績は、獲得契約者数が41万7,000契約で、開通済みが4万1,000契約。小野寺社長は、獲得者数と開通済み数に開きがある点に関して、「当社とNTTとの開通手続きに関して不慣れな部分もあったが、4月に入って徐々に改善しつつある」とコメント。4月25日現在で14万契約で、3月末から約10万契約増加したことを明らかにした。

 また、固定通信事業における2006年3月期の目標数は、メタルプラスが2005年3月期の4万1,000契約から220万契約に、光プラスを含めたFTTHは9万1,000契約から18万契約に増加を見込む。一方、DIONでは288万5,000契約から288万契約への減少を見込むが、ADSLサービスでは149万4,000契約から150万契約への増加を目指すという。

 なお、固定通信事業の2006年3月期の営業収益見通しは6,120億円と増収を見込むが、営業利益に関しては420億円の赤字を見込むとしている。小野寺社長によれば、「今期のメタルプラスの売り上げは470億円、固定通信全体で対前年比160億円の増収を見込んでいる」一方で、「メタルプラスの拡販などの営業費用が577億円増加する見込みで、対前年比で営業利益が417億円の減益となる見通しである」と増減要因を説明した。


2006年3月期までにメタルプラスで220万契約を目指すという au事業の売り上げについて

設備投資などについて
 ツーカー事業に関しては、APRU低下の影響もあり営業収益は2,314億円と減収、営業利益に関しては184億円と増収となった。また、2006年3月期については、契約者数の減少もあり減収減益を見込むが、「ツーカーSをはじめとしたシンプル路線を推し進め、シニア層など長く使っているユーザーを確保し、減収曲線でも利益のでる事業基盤を整備していく」(小野寺社長)と今後の方針を述べた。

 なお、今回の決算発表より、IRと決算短信のセグメント統一に伴なってKDDI単体内のau/固定通信事業間のセグメント間取引を売り上げ/費用の両建てへと変更。また、ツーカー事業に関しても、各社単純合算から連結値に変更された。このため、本発表の2004年3月期の数値についても、比較のために新基準で表示されている。

 続けて、設備投資と有利子負債に関する説明も行なわれた。このうち、設備投資に関しては、2005年3月期は前年同期比891億円増の3,424億円、2006年3月期は976億円増の4,400億円を見込み、「ここ1、2年は4,000億円台が続くだろう」と見通しを示した。

 事業別内訳のうち、au事業は800MHz以外にも2GHzへの投資を増加させる予定で2,010億円、固定通信事業ではメタルプラスとCDNの設備拡張により920億円の設備投資を見込んでいるという。


2005年は直収型固定電話サービスが本格化

業界トピックとKDDIの取り組みについて
 2006年3月期の課題に関して小野寺社長は、「持続的成長に向けた確固たる土台作りを進めるべく、顧客獲得を強化する」とコメント。その上で、従来の経営基盤強化に向けた「選択と集中」という方針から、「持続的な成長に向けての戦略とスピードを重視していく」と語った。

 事業基盤に関しても、従来まではau事業へリソースを集中していたが、今後はauのシェア拡大に加えて「固定系のメタルプラス、光プラスの拡販や、コンテンツビジネスも強化していく」という。具体的な指針としては、「2005年は直収型固定電話サービスが本格化すると考えており、固定通信事業の再構築の好機でもある」とした。

 また、2006年には携帯電話における番号ポータビリティが導入される見込みだが、同社ではシェア拡大の好機と捉えているという。その上で、2007年の新規事業者が参入した場合にも番号ポータビリティへの対応をベースに「総合的な商品力とブランド力強化で対抗していく」と述べた。

 顧客基盤強化に伴う売り上げイメージとしては、連結ベースの売り上げは従来横ばいだったが、今期以降は「固定系でも増収を目指す」と語り、「番号ポータビリティ導入時に発生するau事業の支出を、メタルプラスでの売り上げ増収の貢献によりカバーできるのではないか」と見通しを示した。このため、「今年度来年度は利益面では横ばいとなるが、2007年度には増収増益の形を完全に実現できるだろう」としている。

 加えて、固定電話と携帯電話の融合を図る「FMC(Fixed Mobile Convergence)」に関しても、「FMC施策の実施で、より強固な顧客基盤の形成を目指したい」と述べた。第1ステップとしては、すでに発表済みの通信サービスの一括請求サービス「KDDIまとめて請求」を5月より開始する。また、各サービスのユーザーに同社が展開する他の通信サービス加入を促進する営業展開も進めていくという。

 第2、第3ステップに関しては、検討中としながらも、「第2ステップでは固定と携帯の通話料金バンドル化を、第3ステップでは融合端末の開発や新サービスの投入などを進める」としている。小野寺社長は、「auと固定電話系を結びつけることで、ユーザーメリットがあるということを実現していきたい」とFMC展開への抱負を述べた。


 なお、携帯電話の新規参入に関して小野寺社長は、「以前から申し上げているとおり、市場が活性化する上で必要があるならば、やっていただいても構わない」とコメント。その一方で、「産業として成長していくことを是非考えて欲しい」と述べ、「料金競争だけでは、アメリカ市場と同様に疲弊するだけ」と発言した。また、「ユーザーに喜んでもらえる、極端に言えば我々がやっていないようなサービスでユーザーを獲得していくならば、ウエルカムである」として、「当社もそれに負けないだけの力をつけていくことが重要である」と語った。

 このほか、フリーキャッシュフローの使途については、これまでの有利子負債の削減での利用から、「前向きな設備投資と株主還元を充実させる」という。株主還元面では、2005年3月期末の配当が3,500円、通期配当は6,900円と、目標としていた配当性向目標20%を達成できたという。なお、2006年3月期の目標は通期で7,000円の配当を実施したい考えで、「今後も成長への投資を勘案しつつ、安定的な配当を継続したい」とコメントした。


au事業と固定通信事業の方針について FMCによる差別化も図るという

NTT接続料の行政訴訟については控訴しない方針

 決算発表の会場では合わせて、4月22日に東京地方裁判所が判決を下した、KDDIをはじめ、ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC(現日本テレコムIDC)、日本テレコム、パワードコム、フュージョン・コミュニケーションの5社が請求した「NTTの接続約款の認可処分取り消し請求に関する行政訴訟」について、同社の考え方が述べられた。

 小野寺社長は、「判決で5社の主張が受け入れられなかったのは、誠に遺憾である」と発言。しかしながら、「裁判において主張していた事後精算制度の問題や、NTSコストのあり方に関しては、2005年度以降の接続料審議において、事後精算制度の廃止、NTSコストの段階的助買いなどで反映されている」とコメントし、「競争を促進し、ユーザー利便の向上を図る初期の目的が達成できたと考えている」という。

また、NTT東西の均一接続料について、「当社の主張について、正当性が認められた」として、「今後の均一接続料のあり方に影響があるのではないか」としている。その上で同社は、「この裁判は一定の成果があったと判断し、当社では控訴しないことを決定した」ことを明らかにした。


関連情報

URL
  KDDI 投資家情報
  http://www.kddi.com/corporate/ir/index.html
  関連記事:NTT接続料の改訂認可を巡るKDDIら5社の行政訴訟、東京地裁で棄却[INTERNET Watch]
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/04/22/7410.html

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(村松健至)
2005/04/28 20:10
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