総務省は、2004年における通信利用動向調査について調査結果を公表した。2004年のインターネット利用者数は7,948万人で、人口普及率は62.3%。
同調査は、世帯および世帯構成員、事業所、企業を対象に2005年1月に実施された。調査は、20歳以上の世帯主のいる6,400世帯(有効回答数3,695世帯)、常用雇用者規模5人以上の5,600事業所(同2,970事業所)、常用雇用者規模100人以上の3,000企業(同1,865企業)を対象に、郵送による調査票の配布および回収により行なわれた。
■ インターネット利用者数は218万人増の7,948万人。人口普及率は62.3%
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インターネット利用者数と人口普及率の推移
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2004年のインターネット利用者数は、前年から218万人増加して7,948万人。人口普及率は1.7ポイント増の62.3%に達した。また、世帯普及率は86.8%、事業所普及率は81.8%、企業普及率は98.3%で、前年とほぼ横ばいの数値を示した。
世帯におけるブロードバンド普及状況は、前年比14.2ポイント増の62.0%で、60%を突破。一方、ISDNは3.7ポイント減の18.4%、電話回線からのダイヤルアップは9.8ポイント減の20.4%と減少傾向が続いている。
個人がインターネットで利用する端末は、重複含めパソコンが6,416万人と最も多く、携帯電話やPHS、携帯情報端末が5,825万人、ゲーム機やテレビなどからの利用が127万人となっている。
世代別のインターネット利用率は、50歳~59歳が前年比3.2ポイント増の65.8%、60歳~69歳が10ポイント増の49.0%、65歳以上が2.6ポイント増の17.5%と伸びを見せ、90%前後の13歳~39歳までの世代との格差は縮小した。一方で、総務省では年収別や男女別、都市規模別による格差は依然として存在すると指摘している。
■ 個人情報の保護対策状況は51.5%が何らかの対策を実施
個人情報の保護対策状況に関しては、全体の51.5%が「何らかの対策を実施している」と回答。複数回答による内訳は、「Web上に個人情報を記載しない」が33.9%と1位で、次いで「軽率にダウンロードしない」が25.1%、「クレジットカードの番号入力を控える」が23.7%だった。なお、「何も行なっていない」と回答した割合は27.6%だった。
また、個人のインターネット利用における不安や不満、被害状況(複数回答式)は「プライバシーの保護」が63.3%と最も多く、「ウイルスの感染」が49.6%、「電子決済の信頼性」が35.3%となった。
企業での個人情報保護対策の実施状況は前年比16.6ポイント増の56.5%で、従業員規模別では2,000人以上が89.2%となり、大企業ほど実施率が高くなっている。対策内容(複数回答式)としては「社内教育の充実」が30.9%、「個人情報保護管理責任者の設置」が23.4%、「必要な個人情報の絞り込み」が20.0%だった。また、プライバシーマーク制度の取得と回答した企業は、前年の2.1%から5.0%へと増加した。
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個人情報保護対策の状況
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インターネットを利用する際に感じる不安・不満
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■ 家庭内LANの構築率は52.0%と50%を超える
世帯別のIP電話利用状況は、前年から5.4ポイント増加して12.7%。IP電話を導入したことで、電話料金の削減効果があったと認識する世帯は全体の46.0%だった。一方、企業におけるIP電話利用状況は16.7ポイント増の27.8%で、導入率は事業所間内線が20.2%、外線利用が15.0%。
世帯における家庭内LAN構築率も公表され、パソコンを2台以上保有している世帯のLAN構築率は前年から11.4ポイント増の52.0%。内訳は、有線LANのみが28.4%が最も多く、次いで無線LANのみが15.5%、両方が8.1%。
個人の公衆無線LANサービス利用状況は、前年比から0.5ポイント減の9.0%。利用場所としては「ホテルなどの宿泊施設」が40.2%、「空港・駅などの公共空間」が34.1%と上位を占め、利用頻度は「週に少なくとも1回」が14.4%、「月に少なくとも1回」が13.9%、「ほぼ毎日」が12.4%だった。
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世帯における家庭内LANの構築率
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公衆無線LANサービスの利用場所(上)と使用頻度
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■ URL
総務省 報道資料
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050510_1.html
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・ 2003年通信利用動向調査、インターネット普及率が60%を突破
(村松健至)
2005/05/10 20:01
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