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テレビとネットを融合したトレンド分析「BIGLOBE旬感ランキング」

 NECビッグローブは、トレンド分析ランキング「BIGLOBE旬感ランキング」を7月12日に開始した。ネットの情報だけに留まらず、テレビのデータも取り入れた多角的な分析が特徴だ。旬感ランキングの特徴や具体的な分析例などをNECビッグローブに伺った。


ネットとテレビのデータを統合、「量」と「質」でトレンド分析

BIGLOBE旬感ランキングの概要
 BIGLOBE旬感ランキングとは、ブログ・テレビ・検索という3つの角度から見た注目度を統合してトレンドを分析するランキング。これまではテレビの露出時間や検索回数など、量を尺度にしたランキングが多かったのに対し、データマイニングによって「質」の観点から見たランキングを目指している。

 旬感ランキングの特徴の1つは、ブログや検索というインターネットの情報だけでなく、テレビの情報をランキングに取り入れている点だ。テレビで放映されたコメントや会見などをテキストとして書き起こしたデータを株式会社プロジェクトから入手。また、ブログ情報はNECビッグローブの「ウェブリブログ」だけでなく、データセクションから提供を受けたブログ情報を用いてブログデータの幅も広げる。これらデータに検索キーワードや回数などの情報を統合することで、多角的な分析が可能になるという。

 データマイニングはNEC インターネットシステム研究所 データマイニング技術センターのマイニング技術を採用。特定の単語を抽出するだけではなく、その単語がどういった文脈で使われているかを判断する解析技術を用いて1つのキーワードに対する話題ごとにデータをグループ化。さらにグループごと要約を行なうことで話題のトピックを抽出する。


テレビ、ブログ、検索のデータを独自のマイニング技術で分析 話題ごとにトピックを抽出

話題の盛り上がりを時系列で表示
 こうして得られたデータを組み合わせることで、トピック動向を詳細に分析。検索回数とブログの登場回数にテレビの放映時間を組み合わせることで、テレビ放映中の話題の移り変わりが把握できるという。また、テレビやブログ、検索それぞれのトピックを関連付けることで、ネットでのみ盛り上がった話題、テレビとネットが共に盛り上がった話題、テレビの放映を受けてブログで盛り上がった話題なども図式化。テレビとネットの相関関係も把握できるとしている。

 また、内容を分析した評価判断も実施。データの内容を「対象物(誰の、何の)」「属性(何が)」「評価(良い、悪い)」と分類して抽出することで、対象物に対する評価を分析する。単なるキーワードの数だけではなく、キーワードが使われた場面ごとの評価を抽出することで、量の評価に加えて質の評価の実現を目指している。


テレビ、ブログ、検索の相関関係を表示 内容を分析した評価も実施

ワールドカップの注目選手や評判の映画などをデータから導く

 7月12日に行なわれた第1回の旬感ランキング特集は「ワールドカップ」がテーマ。日本戦で注目を集めたゴールキーパーの川口能活選手とジーコ監督を比較すると、川口選手はテレビでの露出が少ないがブログの書き込みと肯定意見は多く、ジーコ監督ではテレビの露出とブログの書き込みは共に多いものの、肯定意見が非常に少ないというデータが得られた。

 その評価の理由を時系列に見ると、川口選手の肯定意見が多かったのはクロアチア戦でのPKセーブ、ジーコ監督の否定意見はオーストラリア戦での采配ミスが共に理由になっているという。サッカーの専門家の意見などを利用することなく、テレビとブログ、検索のデータを活用することでこうしたトレンド分析が可能になっている。


ワールドカップ特集の川口選手とジーコ監督の分析


第2回特集の映画分析
 8月22日には第2弾として映画特集を実施。話題作の多かった2006年夏の映画について、6月10日から8月11日の期間内で旬感ランキングのデータで分析した。

 テレビでの露出が高かったのは「日本沈没」と「パイレーツ・オブ・カリビアン」で、テレビ露出直後には両作品ともにブログ内での評価が上昇。一方でテレビでの露出が少なめだった「カーズ」は7月前半に高評価をキープしているという。一方、宮崎駿監督の息子である宮崎吾郎監督の初作品「ゲド戦記」は、テレビでの露出が比較的多かったにもかかわらずブログでの評価はそれほど高くないという結果が導き出された。

 「試写会」「ネタバレ」という視点に着目した分析も実施。ネタバレでも話をしたくなる映画や、試写会に行ってきたことを報告したくなる映画という点から映画の人気度を分析した。ネタバレ度が最も高かったのは、名前を書くだけで人を殺せるノートをテーマにした「デスノート」。また、「パイレーツ・オブ・カリビアン」は試写会に関する書き込みが多かったものの、検索回数やネタバレは少なめだったという。「ゲド戦記」は公開1週で検索回数が上昇している。

 ブログや検索データだけでなく、テレビの放映データも提供を受けて統合的にデータマイニングを行なうため、ブログ検索を利用したクチコミサイトのような恒常的なサービス提供はできないが、インターネットに止まらないテレビというデータを利用することで分析の幅は広がる。NECビッグローブでは今後もこのマイニング技術の適用領域を拡大、ブランド形成に置けるメディア露出とその評価の比較や、商品の評判を時系列で分析するなど、法人向けマーケティング支援サービスなどを検討していく。


関連情報

URL
  BIGLOBE旬感ランキング
  http://search.biglobe.ne.jp/ranking/

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(甲斐祐樹)
2006/08/28 11:03
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