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開発機で見るPS3の本体仕様とネットワーク機能

 11月11日の日本発売までいよいよ1カ月を切ったPS3。今回、開発版かつ限定された環境ながらPS3を体験できる機会を得たので、現時点で明らかになっている範囲で、ハードウェアの仕様やネットワーク関連機能のレポートをお伝えする。

※画面は開発中につき、仕様は予告なく変更される可能性があります。





「完全に同じにはならない」20GBモデルと60GBモデル

20GBモデル(左)と60GBモデル(右)
 HDD容量の違いにより、20GBモデルと60GBモデルという2種類のラインナップが用意されているPS3。東京ゲームショウ2006の初日である9月22日、20GBモデルのHDMI標準搭載が発表されたことで、機能面での違いはHDD容量、無線LANと各種スマートメディアリーダーの標準搭載のみとなった。

 20GBモデルの場合、これら60GBモデルとの機能差異は後付けで補うことができるが、60GBモデルと完全に同じにできるわけではない。たとえば各種スマートメディアリーダーは、60GBモデルでは本体前面のカバー内に用意されている。これに対して20GBモデルではカバー部が固定されていて開くことができないため、前面のUSBポートを利用してリーダーを接続することになる。

 無線LAN機能に関しても、60GBモデルの無線LANは本体に内蔵されて取り外しができない仕様になっており、純粋な機能だけで考えれば20GBモデルも60GBモデルと同等にできるものの、配線や機器などは60GBモデルより多くなってしまう点に注意しよう。細かい点ではデザインも異なり、黒一色の20GBモデルに対して60GBモデルではディスクトレイ部分にシルバーが用いられている。


60GBモデルでは本体前面のカバー内が開くが、20GBモデルは固定されていて開くことができない 縦置き時

本体背面 本体底面

ワイヤレスコントローラ。中央にプレイステーションボタンを搭載
 PS3では、Bluetooth接続によるワイヤレスコントローラが標準で同梱される。開封後、まず最初に初期設定としてワイヤレスコントローラを本体に認識させる「ペアリング」という設定が必要になる。USBケーブルで本体とワイヤレスコントローラを接続した上、コントローラ中央のプレイステーションボタンを押すと「ペアリング」作業が完了。最初にこの作業を行えば、電源を落としてもPS3の起動時にプレイステーションボタンを押すだけで良い。ただし、他のPS3本体とワイヤレスコントローラをペアリングした場合は、再度USBケーブルによるペアリングが必要になる。

 コントローラの電源はリチウムイオン充電池を内蔵しており、充電はUSB経由で行なう。充電は約2.5時間が必要で、フル充電時で最大30時間の稼働が可能だ。電池が空になった場合でも、USBでPS3に接続すればすぐにプレイできる。なお、電池は取り外しできる構造ではあるが、現時点では電池の交換販売は未定。現在のところ、長期に渡ってコントローラを利用し、電池が消耗した場合には、コントローラを買い換えるか修理に出すことになる。

【お詫びと訂正】
 ワイヤレスコントローラのペアリングに関して情報の修正がありました。初出時は電源を切るごとにケーブル接続が必要としておりましたが、実際には主電源を落とした場合でもワイヤレスコントローラのボタン操作のみで接続できます。また、コントローラの電池は取り外しは可能なものの、バッテリー単体販売は現在予定されておりません。お詫びして訂正いたします。


認識(ペアリング)にはUSB接続が必要 L2/R2ボタンもPS2のコントローラと比べて仕様が変更され、背面に向かってボタンが飛び出している

ブラウザを標準搭載。コンテンツ購入やコミュニティ機能も

インターフェイスはXMBを採用。ユーザーごと個別にデータ作成が可能に
 PS3のメニュー画面はPSXやPSPでも採用されているクロスメディアバー(XMB)を採用しており、横列にカテゴリを、縦列にカテゴリごとのコンテンツを表示する。PSXやPSPを使ったことがあるユーザーはもちろん、そうでないユーザーでも直感的に操作しやすいのではないだろうか。

 ネットワーク機能では、10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tのギガビットイーサネットを標準搭載し、60GBモデルではIEEE 802.11b/g準拠の無線LANを搭載。XMBのメニューにも、ネットワークに関連した機能も多く見受けられ、Webサイトを閲覧できるブラウザ機能も標準で搭載された。ただし、今回の環境ではPS3をインターネットに接続することができない状態のため、ブラウザ表示の使用感などは確認できなかった。また、ブラウザのメーカー名に関しても現時点では非公開だという。

 「PlayStation Network」というアイコンもXMBで確認できた。PS3では複数のユーザーデータを作成することが可能になり、ユーザーごと個別にゲームのデータを保存できる。このユーザーデータを用い、ネットワーク対応ゲームで他のユーザーを友達登録しておくといったコミュニケーション機能が利用可能。また、オンラインで一度プレイしただけのユーザーと友達登録したユーザーでは公開情報を別に設定できるといったアクセスコントロール機能も実装しているという。


ユーザーアイコンもカスタマイズが可能 「PLAYSTATION Network」のアイコン

アイテムやコンテンツを購入できる「PlayStation Store」
 「PlayStation Store」という機能も実装された。詳細は明らかにされていないが、ネットワークを通じたアイテム購入などがここから可能になる予定だ。PS3向けタイトル「GRAN TURISUMO HD」では、ネットワークを通じて車やコースを購入できるシステムが発表されている。

 チャット機能も標準搭載し、Webカメラやキーボードなどを利用したビデオチャットも可能。キーボードなどの機器類は、Bluetoothによるワイヤレス接続にも対応しているが、サポートするプロファイルなどは現在のところ非公開となっている。このほか、本体のHDD内にCDから楽曲を取り込める機能も搭載。ネットワークに接続されていれば、CDDBを利用して楽曲のタイトルやアーティスト名なども自動で付与できる。


キーボードやカメラを接続してチャットが楽しめる ギガイーサネットポートを標準搭載

ネットワーク機能を活用した新たな試みに期待

 次世代ゲーム機と総称されるXbox 360、PS3、Wiiに共通する特徴の1つは、ネットワーク機能を標準で搭載している点だ。ただし、前機種のXbox時代からネットワークプラットフォームとしてXbox Liveを搭載しており、Xbox 360でもそのノウハウを生かした機能を搭載しているXbox 360に対し、PS3とWiiに関してはある程度の機能や仕様は公開されているものの、未知数の部分も多い。

 今回確認できたネットワーク関連の機能に関しても詳細は明らかにされていないが、PS2ではオプション対応だったオンラインプレイは標準で対応し、ネットワークを介したコンテンツ購入機能など、前モデルのPS2と比べてもネットワーク機能が大幅に強化されている。

 また、ブラウザを標準搭載し、楽曲取り込み機能でCDDBに対応するなど、ゲームに留まらないネットワークの利用シーンも想定されている。「ただのゲーム機ではない」ハードウェアを標榜するPS3だけに、ネットワークを活用したハードウェアの新たな可能性にも期待したい。


関連情報

URL
  PlayStation.com
  http://www.jp.playstation.com/index.html

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(甲斐祐樹)
2006/10/18 07:15
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